
「決められた敵を倒す時代は終わる」――「BioShock」の鬼才ケン・レヴィンが手掛ける新作「Judas」。核心はプレイヤーが敵を生み出す「ヴィラニーシステム」です。行動ひとつで味方が最強の敵と化し、「ビッグ3」との関係、誰を信じ、誰を裏切るか、その選択があなただけの物語を紡ぎ出します。
新作「Judas」の核心情報が公開
「BioShock」シリーズの生みの親として知られるケン・レヴィン氏が率いるスタジオ「Ghost Story Games」が、長年の沈黙を破り、待望の新作SFシューター「Judas」に関する初の開発者ブログを公開しました。このブログでは、2015年の構想から10年以上にわたり開発が続く本作の中核をなす革新的なシステム「ヴィラニー(Villainy)」の詳細が初めて明かされ、大きな注目を集めています。
敵さえも味方に変えるシステム「ヴィラニー」
崩壊した宇宙船「メイフラワー号」を舞台にした「Judas」。その最大の特徴が、プレイヤーの行動によって敵対者さえも変化する「ヴィラニーシステム」です。主要キャラクターである「ビッグ3」(保安官トム、ホープ、ネフェルティティ)との関わり方次第で、誰が味方となり、誰が敵(ヴィラン)になるかが常に変動します。
このシステムは、単なる好感度システムではありません。プレイヤーの行動がゲーム世界に直接的な影響を与えます。
- プレイヤーの観察:「ビッグ3」は、戦闘スタイル、ハッキング、クラフトといったプレイスタイルや、他のキャラクターとの交流を常に観察しています。
- 感情の変化:観察した結果に基づき、彼らはプレイヤーに対する感情を変化させ、それが具体的な行動に繋がります。
- 世界の改変:関係が悪化したキャラクターは「ヴィラン」へと変貌。独自の攻撃パターンや環境を操作する能力でプレイヤーを妨害し、時には味方であったはずの存在をプレイヤーに差し向けることさえあります。
- リプレイ性の向上:プレイヤーごとに異なるストーリー分岐や敵の配置が生まれるため、繰り返しプレイするたびに新たな発見と挑戦が待っています。
着想元は「ネメシスシステム」
「Judas」は、少数の主要キャラクターと深く親密な関係を築くことを目指しています。その着想元として、クリエイターのレヴィン氏はゲーム「Middle-earth: Shadow of Mordor」の「ネメシスシステム」を挙げています。
ネメシスシステムが多数の敵との浅い関係を特徴とする一方、「Judas」はプレイヤーと少数のメインキャラクターとの深い関係性を重視しています。
ゲーム内の「ビッグ3」と呼ばれるキャラクターは、賄賂、戦闘での共闘、他キャラクターの悪口、秘密の共有など、様々な方法でプレイヤーに接触してきます。このシステムは、キャラクターに裏切られたり、敵対したりした際に、「友人を失う」ような強い感情的インパクトを与えることを目的としています。
「BioShock Infinite」から進化した双方向
このアプローチは、レヴィン氏が手がけた過去の作品「BioShock Infinite」における、プレイヤーとキャラクター「エリザベス」との関係性をさらに進化させたものです。
「BioShock Infinite」では、プレイヤーがエリザベスを深く知ることはできましたが、その関係性は一方通行でした。しかし、「Judas」では、「ビッグ3」と呼ばれるキャラクターたちがプレイヤーを観察し、その感情を変化させます。これにより、プレイヤーとキャラクターの間に、かつてない双方向的で緊張感に満ちた関係が生まれます。
開発の進捗と新たなキーアートを公開
Ghost Story Gamesは、ゲームの「ヴィラニーシステム」に関する大規模なプレイテストを完了し、開発における重要な節目を迎えたことを報告しました。テスターからは、「自分の決断がもたらす結果の重み」や「キャラクターの動機への強い関心」に加え、「ビッグ3の行動が将来の選択を変えるきっかけになった」といった、貴重なフィードバックが多く寄せられています。

また、「スター・ウォーズ」のポスターで知られるドリュー・ストルーザン氏の作風に影響を受けた、壮大なキーアートも公開されました。レヴィン氏によると、このゲームにはメインキャスト以外にも100人を超えるセリフ付きのキャラクターが登場予定で、物語の壮大さをうかがわせます。公開されたキーアートには多くの意味深なディテールが描かれており、まだ明かされていない秘密ともすべて繋がっているとのことです。
リリース時期は未定ながら、期待は高まる
ファンが待ち望むリリース日については、今回も明らかにされませんでした。開発元のGhost Story Gamesは、「一度発表した発売日を変更する事態は避けたい」という方針から、確実な時期が来るまで公表しないとしています。しかし、親会社であるTake-Two Interactiveが過去に2026年内のリリースを示唆したこともあるため、長期にわたる開発のゴールはそう遠くないのかもしれません。
「Judas」が掲げる「プレイヤーが敵を創り出す」というコンセプトは、これまでのビデオゲームにおける物語体験の可能性を大きく広げるものです。プレイヤーの選択が物語の根幹をこれほどまでに左右する作品は類を見ず、その完成が期待されています。
情報元:wccftech・Judasthegame