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「Little Kitty, Big City」が大ヒット : 元Valve開発者が成功の秘訣を語る

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元Valve開発者Matt Wood氏が手がけた「Little Kitty, Big City」が、好調な売上を達成。家族向けのゲーム制作にこだわり、猫の動きを忠実に再現した開発秘話を明かす。ゲーム業界で注目される「猫シミュレーター」ジャンルの将来についても言及。

驚異的な成功を収めた猫ゲーム

「Little Kitty, Big City」は、ゲーム業界に新たな息吹をもたらしました。5月9日の発売後わずか48時間で10万本以上を販売し、Game Passでは100万回以上のプレイが記録され、Nintendo eShopでもトップ5にランクインし続けています。この予期しない成功の背後には、長年Valveで活躍し、名作「Half-Life」や「Left 4 Dead」に携わってきたMatt Wood氏の緻密な戦略があります。

「Little Kitty, Big City」はどんなゲーム?

このゲームは、アメリカのインディーゲームスタジオ・Double Dagger Studioが手掛けた猫になりきるアドベンチャーゲームです。プレイヤーは、家から落ちて迷子になった黒猫を操作し、大きな町を冒険するオープンワールドゲームを楽しむことができます。途中で、他の猫やカラス、タヌキ、カルガモの親子、カメレオンなど、多彩な動物に出会い、様々な体験を積みながら、元の家に帰ることが最終目的です。

このゲームでは、猫らしい「ステルス」や「オープンワールド」といった要素が融合し、単に街を探索するだけでも楽しめる探索ゲームとして成立しています。

ベテラン開発者の独立と家族からのインスピレーション

Wood氏はValveでの16年間のキャリアを経て、新たな挑戦を求めて自身のスタジオ「Double Dagger」を設立しました。「Valveでの経験は素晴らしかったですが、新しいことに挑戦し、業界に新しい風を吹き込みたいという想いが強まりました」とWood氏は述べています。

独立後、Wood氏は子供たちとより多くの時間を過ごすことができ、彼のインスピレーションの一部は子供たちとの時間から得られました。彼は子供たちとアイデアを共有し、いくつかのプロトタイプを試した結果、猫として遊ぶゲームのコンセプトにたどり着きました。彼はプロトタイプをオンラインに投稿し、予想以上の反応を得て、このゲームを本格的に制作する価値があると確信しました。

重視したのは猫になりきる体験

「Little Kitty, Big City」の開発過程で、Wood氏が最も重視したのは、プレイヤーに猫としての体験を提供することでした。「インターネット上の猫動画を見たり、自分の猫と遊んでいるときに感じる興奮や愛着を、ゲームでも再現したいと思いました」と彼は語ります。

初期段階では、猫が生存を目指す要素も含まれていましたが、Wood氏はそれがゲームの楽しさを損なうと判断しました。「プレイヤーは猫としての楽しみを求めており、猫が危険にさらされたり苦しんだりするのを見たいとは思いません。このゲームは純粋に楽しむためのものであり、人々に喜びを与えることを目指しています」と彼は述べています。その結果、生存要素は削除され、プレイヤーが街を自由に探索するゲームプレイが採用されました。

この決定は多くのプレイヤーや親から高く評価されました。「他の猫ゲームでは猫が危険にさらされるのを心配する親たちに対し、私たちのゲームではそうした要素はないことを保証できました」とWood氏は述べています。

猫のアニメーションにおけるこだわり

このゲームの成功の鍵となったのは、猫の動きの高い再現度でした。アニメーターのMicah Breitweiser氏との協力により、Wood氏のチームは猫の自然な動きを見事に再現しました。「Micahの作業は私の期待をはるかに上回りました。猫の動きがゲームの魅力を大いに高めました」とWood氏は語っています。

また、ゲームプレイ中の猫の動きも重要視されました。Wood氏は、猫の動きをより流れるようにするために背骨のアニメーションを改善し、ジャンプやターンの動きをより自然に感じさせることに成功しました。これは、プレイヤーによりリアルな猫の体験を提供するための重要な要素でした。

猫シミュレーターのトレンドと未来の可能性

「Little Kitty, Big City」の予想外の成功にWood氏自身も驚いています。「年末までに達成したい目標が、一夜にして達成されました。プレイヤーが私の意図通りにゲームと共鳴してくれていることを知るのは、本当に嬉しいことです」と彼は語っています。

2022年に成功した「Stray」や、今後リリース予定の「Copycat」など、近年は猫をテーマにしたゲームが相次いで発表され、「猫シミュレーター」というジャンルが注目されています。Wood氏は、このトレンドに初期段階で参入できたことに幸運を感じています。「今後、猫ゲームの開発者たちは、より創造的で深みのある作品を生み出す必要があるでしょう」と彼は予測しています。

Wood氏は、猫の視点からのゲームプレイにはまだまだ可能性があると考えています。「単なる見た目だけでなく、本当にプレイヤーが猫になりきれるゲーム制作には、多くの機会があると思います。将来の展開が楽しみです」と彼は締めくくりました。

「Little Kitty, Big City」は現在、Nintendo Switch、Xbox Series X|S、Xbox One、およびPCで購入可能です。また、XboxおよびPCのGame Passでもプレイできます。

情報元:GamesIndustry.biz

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