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坂口博信氏、20年ぶりにスクウェア・エニックスと再会「Fantasian Neo Dimension」

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Bloombergのインタビューによれば、「ファイナルファンタジー」の創造者である坂口博信氏が、20年ぶりにスクウェア・エニックスと再会したとのことです。最新作「Fantasian」の新バージョン「Fantasian Neo Dimension」の開発に協力し、今冬のリリースを目指しています。本記事では、これまでの変遷と坂口氏の新たな挑戦について紹介します。

ファイナルファンタジーシリーズは、ゲーム業界に革命をもたらした作品として広く認知されています。そのシリーズの創造者である坂口博信氏が、20年以上の歳月を経て、かつて自身が手掛けた作品の権利を持つ企業と再び協力することになったのです。この事態は、つい最近まで誰も予想できなかったでしょう。

長い間、坂口氏と彼が以前所属していたスクウェア・エニックスとの関係は冷え切っていました。そのため、先日、同社が坂口氏の最新作「Fantasian」の新バージョン「Fantasian Neo Dimension」を発表したとき、ファンたちは驚きを隠せませんでした。

坂口氏はインタビューで、「まるで20年ぶりの同窓会に出席したかのような気分だった」と述べています。「23年という時間は、確かに多くの変化をもたらします。時間が経つにつれて、記憶は美化され、嫌な思い出や苦い経験は徐々に薄れていきます。」

スクウェアからの退社と新たな挑戦へ

ファイナルファンタジーシリーズは、1987年に初めてリリースされ、その後、多くの続編やスピンオフを生み出し、全世界で1億8500万本以上を売り上げました。シリーズはスクウェア(現在のスクウェア・エニックス・ホールディングス)の経営危機を救った大ヒット作であり、その成功の裏には坂口博信氏の存在が欠かせません。

坂口氏は1983年にスクウェアに入社し、いくつかの作品を経て「ファイナルファンタジー」の構想にたどり着きました。プレイヤーは4人の英雄のパーティーを操作し、広大な世界を冒険するというこのゲームは、当時のプレイヤーに新しい体験を提供し、大ヒットとなりました。その後も坂口氏は「ファイナルファンタジーVI」や「クロノ・トリガー」などの名作を送り出し、業界の重鎮としての地位を確立しました。

しかし、2001年に公開されたCGアニメーション映画「Final Fantasy:The Spirits Within」が興行的に失敗し、坂口氏はスクウェアを退社しました。映画の失敗と経営陣の昇進による創造性の制約に不満を抱いていた坂口氏は、自らの創造力を自由に発揮するため、新たなゲーム会社ミストウォーカーを設立しました。

ミストウォーカー設立とその後の活動

その後、ミストウォーカーは「ロスト・オデッセイ」や「ラスト・ストーリー」などの作品をリリースし、一定の成功を収めましたが、実験的な作品も多く、常に順風満帆というわけではありませんでした。坂口氏はスクウェア・エニックスとの距離を保ち、同社の経営判断に影響を与えないよう努めました。

しかし、フランチャイズが30周年の重要な節目を迎えると、スクウェア・エニックスから招待を受け、パネルディスカッションや回顧展への参加を依頼しました。「それが坂口氏とスクウェア・エニックスとの再会のきっかけとなり、徐々に両者の関係が近づいていきました」と坂口氏は振り返ります。2021年には「ファイナルファンタジーXIV」のイベントに参加し、その世界に深く魅了されるようになりました。吉田直樹プロデューサーとの会話や食事を通じて、坂口氏は再びスクウェア・エニックスとの関係を築いていきました。

「Fantasian Neo Dimension」の誕生

そんな中、ミストウォーカーが「Apple Arcade」で2021年にリリースした最新RPG「Fantasian」を多くの人に届けたいと考えていた坂口氏は、吉田氏に相談し、同氏の提案でスクウェア・エニックスがパブリッシャーを担当することが決まりました。こうして「Fantasian」の新バージョン「Fantasian Neo Dimension」が誕生し、今冬にNintendo Switch、プレイステーション5、プレイステーション4、Xbox Series X|S、PC(Steam)でリリースされる予定です。4Kグラフィックス、ボイスアクティング、新しい難易度モードなど、いくつかの機能強化が施されています。

FANTASIAN Neo Dimension ファーストトレーラー

再タッグへの期待と今後の展望

スクウェア・エニックスと新たなパートナーシップを締結したゲームクリエイター、坂口氏。しかし、彼はこの機会にもかかわらず、自身が生み出した「ファイナルファンタジー」シリーズやその他の過去の作品に再び携わることには消極的な姿勢を示しています。

その理由は、自身が「プレイヤーの立場に移行した」ことによるものだと語ります。かつてはゲーム開発の第一線で活躍していた坂口氏も、現在は一人のゲーマーとして作品を楽しむ立場になったことで、製作の裏側を知りたくないという気持ちになったようです。

さらに、坂口氏は近年囁かれていた、「ロスト・オデッセイ」や「ブルードラゴン」などの過去の作品を現代のプラットフォームに移植する企画にも興味がないことを明らかにしました。

一方で、彼は別の壮大なプロジェクトに取り組んでいることを明かしています。詳細はまだベールに包まれていますが、「非常に大規模なプロジェクト」であり、これまで手がけたどのゲームよりも規模が大きいと語ります。

それが「ファイナルファンタジーXIV」のようなオンラインゲームになるかどうかは明言しませんが、「非常に大きな世界」を持つことは約束しました。

「まだまだやりたいことがたくさんあります」と坂口氏は熱意を込めて語りました。「本当に、まだまだやることがたくさんあるんです。」

情報元:Bloomberg

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