
Rockstar Gamesは、「GTA 6」を単なるオープンワールドゲームとしてではなく、次世代のクリエイタープラットフォームとして進化させようとしています。RobloxやFortniteの人気クリエイターとの協議や、ユーザーが作成するコンテンツ(UGC)の活用を通じて、新しいゲーム体験を提供する試みが進められています。
Rockstar Gamesは、2025年後半に発売予定の「Grand Theft Auto VI(GTA 6)」を、これまでのオープンワールドゲームの枠を超え、次世代のプレイヤー主導型プラットフォームに進化させる計画を進めています。情報筋によると、同社はRobloxやFortniteで活躍するクリエイター、そして「GTA」シリーズのファンによるコミュニティと協議を行っており、ゲーム内で独自のコンテンツを作成・共有できる仕組みの導入を検討しているとのことです。
UGC戦略とFiveM買収の背景
Rockstar Gamesは最近、「GTA 5」向けの人気マルチプレイヤーモッド(改造ツール)プラットフォーム「FiveM」を買収しました。これは、ユーザーが作るゲームコンテンツ(UGC)を重視する戦略の一環と見られています。FiveMは、プレイヤーが自分だけのゲームモードやカスタムサーバーを作成できるツールで、長年にわたり人気を集めてきました。
Wavemakerのグローバルゲーム責任者、ピート・バスゲン氏は、「FiveMの買収は、プレイヤーが自由に遊べる環境を広げるだけでなく、ゲーム内で収益を得られる仕組みを作る第一歩だ」と述べています。
クリエイターエコノミーの収益モデルと展望
現在、RobloxやFortniteでは、プレイヤーが作ったアイテムを販売したり、収益分配プログラムに参加したりすることで、お金を稼ぐことができます。一方、「GTA 5」のFiveMコミュニティでは、サーバー運営者が独自の課金システムを取り入れ、ユーザーが月額25ドルから50ドル程度のサブスクリプション料金を支払うことで、特別なアイテムや優先アクセス権を得られる仕組みが確立されています。
こうした成功例を参考にしながら、「GTA 6」でもプレイヤーが自作のコンテンツを収益化できる仕組みを導入する可能性があります。LoadedのCOO、クリス・ホッパー氏は、「RobloxやMinecraftのUGCと、『GTA』のプレイヤー体験は大きく異なる。『GTA』の強みは、リアルなプレイヤー同士の交流にある」と述べ、今後の展開に期待を寄せています。
ブランドコラボレーションと広告戦略の変化
これまで「GTA」シリーズでは、「Sprunk」や「Krapea」などの架空ブランドを使うことで、実在企業の広告を避けつつ、独自の世界観を作り上げてきました。しかし、「GTA 6」の開発費が約20億ドル(約3000億円)に達する可能性があるとの報道もあり、新たな収益モデルが求められるかもしれません。その一環として、Rockstar GamesがUGCと企業スポンサーシップを組み合わせた戦略を検討する可能性も考えられます。
JOGOのCOO、チャド・マスタード氏は、「Rockstar GamesがUGCを正式に導入すれば、ゲーム業界全体のビジネスモデルに大きな影響を与えるだろう」と指摘しています。
「GTA 6」が切り拓く未来
「GTA 6」は、従来のオープンワールドゲームにとどまらず、プレイヤーが自らコンテンツを作り、楽しめる次世代型ゲームへと進化する可能性を秘めています。FiveMの買収やクリエイターとの協議が進んでいることから、Rockstar Gamesがプレイヤー主導のコンテンツ作成と収益化を本格的にサポートする意向を持っていることがうかがえます。
ただし、現在の情報には推測も含まれており、今後の公式発表や信頼できる情報源からの更新を注視することが重要です。
情報元:DIGIDAY