
オーバーウォッチ2のゲームディレクター、アーロン・ケラー氏が、マーベルライバルズの登場による新たな競争環境とゲーム進化への意欲を語る。既存の課題に取り組むチームは、シーズン15・16で大胆な改革に挑戦し、新要素の導入とプレイヤー体験の向上を目指す具体策を明かす。
オーバーウォッチ2のゲームディレクター、アーロン・ケラー氏は、ゲーム業界における新たな競争環境と自社ゲームの進化に対する強い意欲を表明しました。特に、新興タイトル「マーベルライバルズ」の登場が、開発チームに新たな刺激を与えていると語っています。
なお、2023年1月末時点のSteamDBのデータによれば、「オーバーウォッチ2」の平均Steamプレイヤー数は、「マーベルライバルズ」リリース以降、約40%減少しているとされています(参照:SteamDB)。
過去の約束と現状の課題
ケラー氏は、一部のプレイヤーが「オーバーウォッチ2」に対して否定的な感情を抱く理由について理解を示しています。特に、開発中に約束されていたストーリーベースの協力モードが、対人戦のゲームプレイに注力するため中止された点に触れ、次のように説明しています。
「批判は理解しています。プレイヤーが、実現しなかった何かを期待していたのは当然です。私たちにできる唯一のことは、このゲームの最高のバージョンを作ることです。」
また、GamesRadarとのインタビューに関して、ケラー氏はチームが感じる内部からのプレッシャーについて、以下のように述べています。
「オーバーウォッチチームには確かにプレッシャーがありますが、その多くは内部から生じるものです。『いかにして最高のゲームを作るか』という問いが、常に私たちに突きつけられているのです」
さらに、現状の課題についても率直に認め、「ゲームを見渡すと、何かが足りない、または十分に進化していないと感じる部分があります。長時間プレイしていると、時に機械的に操作しているように思えることもある。しかし、私たちが目指すのは単なる多様性の追求ではなく、ゲームプレイの奥深さを増すことです」と語っています。
新たな競争環境とチームの反応
新たな競争環境に関して、ケラー氏は次のように述べています。
「オーバーウォッチに関して、我々が開発したゲームと非常によく似たタイトルが存在するという事実は、かつてない競争環境に直面していることを示しています」
さらに、彼はこの状況を前向きに捉え、次のような見解を示しています。
「実際、ワクワクする要素も多くあります。以前から検討していたアイデアに対し、異なるアプローチが見られるのは非常に興味深いことです。そして、それが私たちのチームにとって前進の原動力となっています。今は安全策に頼る時ではありません」
オーバーウォッチ2とマーベルライバルズの類似点
両タイトルとも基本プレイ無料の対戦シューターとして提供され、プレイヤーは初期投資なしでゲームを楽しむことができます。また、チームベースの対戦形式を採用しており、プレイヤー同士の協力とコミュニケーションが勝利の鍵となります。
さらに、両ゲームは多様なキャラクターラインナップを誇り、各キャラクターが固有のアビリティを持っているため、プレイヤーは自分のプレイスタイルに合わせたキャラクター選択が可能です。これにより、戦略的な駆け引きが楽しめる設計となっています。
また、カジュアルプレイとランクマッチの両方を提供している点も共通しており、気軽に楽しむことも、競争的な環境で腕を磨くこともできます。しかし、オーバーウォッチ2は5対5のより集中した戦闘を採用しているのに対し、マーベルライバルズは6対6の従来型のチーム構成を採用しているため、細部において異なる戦略や戦術が求められ、それぞれの独自の魅力が発揮されています。
シーズン15・16での挑戦
シーズン15および16で導入予定の新要素について、ケラー氏は次のように説明しています。
「シーズン15および16で導入予定のパークやスタジアムなどの新要素は、実は以前から開発を進めていたものです。これらのシーズンでは、確実に安全策に頼らず、情熱あふれる職人チームならではの挑戦を行います。それは、まるで心地よい音楽のような感覚です」
具体的には、「パーク」システムによりプレイヤーは自分のプレイスタイルに合わせたキャラクターカスタマイズが可能になり、「スタジアム」と呼ばれる新たなマップタイプでは、より戦略的な戦闘が楽しめる設計となっています。
今後の展望
今後の展望についても、ケラー氏は熱い想いを語っています。
「長年にわたりオーバーウォッチを支持してくれているプレイヤーは、オーバーウォッチ2のリリース以降、私たちの細やかな配慮を確実に感じ取ってくれています。特にこの1年間、ゲームの価値向上に全力を注いできた成果が、最近発表している数々の新要素に反映されていると信じています」
今後もケラー氏は、プレイヤーの声に耳を傾けながら、ゲームの改善と進化に邁進する意向を示しています。新たな競争環境の中で、オーバーウォッチ2がどのように進化し、プレイヤーの期待に応えていくのか、今後の展開に大きな注目が集まっています。
情報元:VGC