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PS5デジタル版、英国・欧州・豪州などで再び価格引き上げ : 日本市場への影響は?

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ソニーはPS5デジタルエディションの価格を英国・欧州・豪州などで再値上げ。欧州では累計€100高の€499.99に。高インフレや為替変動が背景。通常版PS5は現時点で英・欧で価格変更なし、ディスクドライブは値下げ。日本での今後の値上げ可能性と欧州価格との比較、ゲーム市場への影響を考察します。

PS5デジタル版、欧州・英国などで再値上げ発表

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、主力家庭用ゲーム機「PlayStation 5」(PS5)のデジタルエディションについて、英国、欧州連合(EU)主要国、オーストラリアなど一部地域において、希望小売価格(RRP)を再び引き上げることを発表しました。この価格変更は即日適用されます。

欧州で累計100ユーロ高、地域別価格の詳細

今回の値上げにより、欧州ではPS5デジタルエディションの価格が従来の449.99ユーロ(約7万6500円)から499.99ユーロ(約8万5000円)へと50ユーロ(約8500円)引き上げられました。英国においては、従来の389.99ポンドから429.99ポンドへと40ポンドの値上げとなります。

PS5デジタルエディションの価格引き上げはこれで二度目となります。一度目の価格変更は2022年8月に行われました。同モデルの発売当初の価格は、欧州で399.99ユーロ(約6万8000円)、英国で359.99ポンドでした。したがって、今回の改定により、発売開始時点からの累計値上げ幅は欧州で100ユーロ(約1万7000円)、英国で70ポンドに達したことになります。この値上げは、継続する経済的課題を反映していると考えられます。

今回の価格変更の影響は、英国・欧州に留まりません。オーストラリアおよびニュージーランド市場においても、デジタルエディションと通常版の両方で価格引き上げが実施されました。オーストラリアでは、デジタルエディションの新価格は749.95豪ドル(従来は649.95豪ドル、発売当初は599.95豪ドル)、ディスクドライブ付きの通常版は829.95豪ドル(従来は799.95豪ドル、発売当初は749.95豪ドル)となります。英国・欧州ではデジタル版のみ、豪州・NZでは両モデルが値上げ対象となるなど、地域によって価格変更の内容が異なる点は注目に値します。

通常版は据え置き、ディスクドライブは値下げへ

一方で、ディスクドライブを搭載した通常版のPS5については、現時点では英国および欧州での価格変更は発表されていません。この差異は、SIEの製品ラインナップ内での戦略的な価格設定を示唆している可能性があります。

価格引き上げの動きがある一方で、興味深い対照的な動きも見られます。PS5向け外付けディスクドライブについては、英国で69.99ポンド、欧州で79.99ユーロ(約1万3600円)へと価格が値下げされました。これは、デジタルエディション購入者が後からディスクドライブを追加する際のハードルを下げる意図があるか、あるいは部品コストの変動を反映したものかもしれません。

「厳しい経済環境」が背景 SIEが公式声明

SIE グローバルマーケティング担当バイスプレジデント (Vice President of Global Marketing) であるイザベル・トマティス氏は、PlayStation公式ブログを通じて、「高インフレや為替レートの変動を含む、厳しい経済環境を背景に、SIEは欧州、中東、アフリカ(EMEA)、オーストラリア、ニュージーランドの一部市場において、PlayStation 5コンソールの希望小売価格を引き上げるという苦渋の決断を下しました」と述べています。この声明は、今回のソニーの決定が外部の経済状況、特にインフレと為替レートの変動に強く影響されていることを公式に認めるものです。

SIEはまた、EMEA地域内の他の特定市場でも価格が引き上げられる可能性があると指摘していますが、現時点で詳細な情報は公開されていません。

2022年に続く値上げ 米国は今回も対象外か

過去の事例として、SIEは2022年8月にも一部地域でPS5の価格(デジタル版・通常版双方)を引き上げています。対象となったのは英国、欧州、オーストラリア、日本、中国、メキシコ、カナダでした。この際、米国市場は対象外とされました。

米国市場がこのような性質の価格引き上げを免れたのは、これで二度目となります。ただし、2023年後半に投入されたスリムモデルのPS5デジタルエディションは、米国において449ドルで発売されました。これは、オリジナルのPS5デジタルエディションの発売価格である399ドルよりも50ドル高い設定です。米国市場が直接的な値上げを回避している背景には、市場規模の大きさや競争環境の違いなどが考慮されている可能性があります。

なお、英国メディアThe Guardianは、今回の値上げの背景にトランプ政権の関税政策の影響がある可能性を報じています。特に日本からの輸出品に対する24%の関税が発表されており、ゲーム機器産業にも影響を与える可能性が指摘されています。

日本市場への影響と今後の展望

今回の価格改定は英国、欧州、オーストラリア、ニュージーランドなどを対象としていますが、現時点(2025年4月)で日本は含まれていません。しかし、この決定が日本市場へ与える影響や今後の価格動向について、いくつかの点を考察することができます。

まず、2022年8月に行われた価格改定では、日本も対象国の一つでした。ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が今回の値上げ理由として挙げている「高インフレや為替変動」といった経済状況は、依然として日本にも当てはまります。特に近年の円安傾向は、輸入品であるPS5のコストを押し上げる要因となっています。

一方で、今回日本が対象から外れたこと、そして2023年後半のスリムモデル投入によって供給状況が改善していることを踏まえると、SIEが当面は日本での価格を据え置く可能性も考えられます。現在の欧州価格との差を見れば、国内価格にはまだ調整の余地があるとも言えますが、大幅な値上げに踏み切れば普及ペースにブレーキをかける懸念もあります。

結論として、現時点では日本でのPS5値上げの可能性は低いと見られます。ただし、今後の為替レートや部品コストの変動、SIEのグローバル戦略によっては、将来的に価格が見直される可能性は依然として残されています。引き続き、SIEの公式発表や市場の動向を注意深く見守る必要があるでしょう。

経済的圧力下の価格戦略

今回のPS5 デジタルエディションの再値上げは、依然として不安定な世界経済、特にサプライチェーンコストや為替変動の影響が、ゲーム機の価格設定に直接的な影響を及ぼし続けていることを示しています。企業は利益率の確保と市場シェア維持の間で難しい舵取りを迫られており、今後も各社の価格戦略や市場の反応を注視していく必要があります。特に、デジタル版に限定した値上げ(英・欧)や、両モデルの値上げ(豪・NZ)、そしてディスクドライブの値下げといった地域や製品ごとの価格戦略の違いは、今後の市場動向を占う上で重要な要素となるでしょう。

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情報元:VGC

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