
深海アドベンチャーアクション「エコー・ザ・ドルフィン」シリーズに待望の動きが。オリジナルクリエイターのエド・アヌンツィアータ氏が、初代および続編「Ecco: The Tides of Time」のリマスター、さらに完全新作の開発が進行中であることを発表。公式サイトでは2026年4月25日までのカウントダウンが開始されています。
待望のリマスターと新作の開発が明らかに
かつてセガのコンシューマーゲーム機で人気を博した深海アクションアドベンチャーゲーム「エコー・ザ・ドルフィン」シリーズにおいて、新作および初期二作品のリマスター版の開発が進行していることが発表されました。これは、シリーズの生みの親であるゲームデザイナー、エド・アヌンツィアータ氏がマイクロソフト社の公式ブログ「Xbox Wire」のインタビューで明かしたものです。現時点では対応プラットフォームや具体的な発売時期は未発表となっています。
オリジナルクリエイターが計画を表明
Xbox Wireの記事(2025年5月5日公開)は、アジア太平洋諸島系米国人の文化遺産継承月間を祝う特集の一環としてアヌンツィアータ氏を取り上げました。その中で、メガドライブ/ジェネシス向けに初代「エコー・ザ・ドルフィン」および続編「Ecco: The Tides of Time」(日本版:エコー・ザ・ドルフィン2)を手掛けたアヌンツィアータ氏に対し、今後の展開についていくつかの質問が投げかけられました。
アヌンツィアータ氏は質問に対し、「私と、オリジナルのチームメンバー全員で、初代「エコー・ザ・ドルフィン」と「Tides of Time」のリマスター版を手掛ける予定です」と述べています。さらに「その後、現代的なゲームプレイと現代のグラフィック技術を活かした、新しい第3の作品を制作します」と続け、完全新作も開発する意向を示しました。
公式サイトでカウントダウンが進行中
アヌンツィアータ氏は、インタビューの中で「エコー・ザ・ドルフィン」の今後の展開に注目するよう言及しています。現在、公式サイト(https://www.eccothedolphin.com/)にはカウントダウンタイマーが表示されており、2026年4月25日までカウントダウンが進行中です。この日付が、新作やリマスター版に関する発表または発売日である可能性があります。開発スタジオや発売元、パブリッシャーについては現時点で公式発表はありません。

シリーズの軌跡:挑戦的な水中世界と3D展開
「エコー・ザ・ドルフィン」は1992年12月に北米でジェネシス向けに、日本ではメガドライブ向けに発売されました。広大で美しい水中世界の表現、独特の雰囲気を持つサウンドトラック、そしてイルカの生態を活かしたゲームシステムが特徴です。プレイヤーは主人公のイルカ「エコー」を操作し、ソナー(歌)を使って地形を把握したり、仲間のイルカや他の海洋生物とコミュニケーションを取ったりしながら冒険を進めます。行方不明になった群れを探し、太古から地球を狙う異星生命体「ボルテックス」(地球の海洋生物を捕獲し、自らの星の食糧危機を解決しようとする侵略者)に立ち向かうストーリーが展開されます。
本作は高い難易度でも知られており、特に体力ゲージの短さ、広大なマップでの方向感覚の失いやすさ、敵の強さ、そして限られたセーブポイントなどが、多くのプレイヤーにとって挑戦的でした。
シリーズの続編「Ecco: The Tides of Time」は1994年にメガドライブ/ジェネシス向けに発売され、数か月遅れてメガCD/セガCD版もリリースされました。本作は初代の基本システムを継承しつつ、新たな能力やより複雑なレベルデザインが追加され、物語もさらに壮大なスケールで展開されました。
これらの初期作品の後、シリーズはしばらく休止状態となりました。「Ecco Jr.」という子供向けの派生作品が発売された後、セガと開発会社アパルーサ・インタラクティブによって1999年にドリームキャスト向け(後にPlayStation 2にも移植)に「Ecco the Dolphin: Defender of the Future」が開発されました。この作品はアヌンツィアータ氏が関与しておらず、それまでの2D横スクロールアクションから3Dアドベンチャーゲームへと大きく方向転換した作品でした。
クラウドファンディングへの挑戦と権利問題の解決
オリジナルシリーズのクリエイターであるアヌンツィアータ氏は、エコーシリーズへの強い思いを抱き続けていました。2013年には、当時エコーの知的財産権(IP)を保有していなかった状況で、精神的な後継作となる「The Big Blue」のクラウドファンディングをKickstarterで立ち上げました。目標額75,000ドルに対し、約8,500ドルしか集まらず、プロジェクトは実現に至りませんでした。
しかし、アヌンツィアータ氏は諦めませんでした。2016年には、セガとの間で抱えていた訴訟を解決したことが報じられており、これが将来的なエコー新作開発の可能性を開くきっかけとなったと考えられます。2019年にNintendo Switch用ゲーム「Space War Arena」をリリースした際のインタビューでも、「セガに『エコー・ザ・ドルフィン』の企画を受け入れてもらうまで何年もかかった。いくつかの課題は存在するが、最終的には新しいエコーが誕生するだろう」と強く語っていました。その努力が実を結び、今回の発表に繋がったと言えるでしょう。
発売時期と対応機種に注目
長年の沈黙を破り、オリジナルチームの手によって新作とリマスター版が開発されるという今回の発表は、多くのゲームファンにとって待望のニュースです。現代のゲーム機で、あの美しい水中世界と挑戦的なゲームプレイがどのように再現されるのか、そして約四半世紀ぶりの完全新作がどのような進化を遂げるのか、今後の情報公開が期待されます。
特に気になるのは、対応プラットフォームと発売時期です。公式サイトのカウントダウンが示す2026年4月25日に何が発表されるのか、またどのプラットフォームで遊べるようになるのか、続報に注目です。
情報元:VGC