
セガと龍が如くスタジオが「Virtua Fighter 5 R.E.V.O.」のPS5・Xbox・Switch 2向け移植を発表。クロスプレイ対応とロールバックネットコード実装で、プラットフォームを越えた快適な対戦環境を実現へ。さらに「New Virtua Fighter Project」の最新情報として、ウルフ・ホークフィールドの参戦やキャラクター描写の深化についても語られた。
「VF5 R.E.V.O.」マルチプラットフォームへの移植を発表
株式会社セガおよび開発を担当する龍が如くスタジオは、2025年5月11日に配信された情報番組「Virtua Fighter Direct 2025 Spring」にて、現在PC(Steam)向けに配信中の3D対戦格闘ゲーム「Virtua Fighter 5 R.E.V.O.」を、主要な家庭用ゲーム機であるPlayStation 5(PS5)、Xbox Series X|S、そして任天堂の次世代機とされるNintendo Switch 2向けに移植開発中であると正式に発表しました。この移植は、2025年1月28日のPC版リリースに続く展開となります。
『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』マルチプラットフォーム発表トレーラー
ファン待望のマルチプラットフォーム展開と最新技術
シリーズプロデューサーを務める青木盛治氏は配信の中で次のようにコメントしています。
「お待たせいたしました。Steam版としてお届けしている『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』を、PlayStation 5、Xbox Series X|S、そしてNintendo Switch 2でもお楽しみいただけることになりました。PC版のリリース後、公式Discordなどを通じて、多くのファンの皆様からマルチプラットフォーム対応を望む声をいただいておりました。開発チームとしても、より多くの皆様に本作を遊んでいただく機会を提供したいと考え、今回の発表に至りました。」
VF Direct 2025 SPRING(日本語字幕)
今回の移植における大きな特徴として、クロスプレイ機能の実装が計画されています。これにより、PS5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2といった異なるプラットフォームのプレイヤー同士が、オンライン上で自由に対戦できるようになります。プラットフォームの垣根がなくなることで、コミュニティの活性化や、よりスムーズなマッチングが期待されます。
さらに、快適なオンライン対戦を実現するため、PC版で既に採用されている「ロールバックネットコード」が、移植される全てのプラットフォームに実装されることも明らかにされました。ロールバックネットコードは、通信遅延(ラグ)の影響を最小限に抑え、入力反映の遅れを感じさせにくくする技術です。これにより、遠方のプレイヤーともストレスの少ない対戦が可能になります。近年、『ストリートファイター6』や『鉄拳8』といった主要な対戦格闘ゲームで標準搭載されているこの技術を『Virtua Fighter 5 R.E.V.O.』も採用することで、現代のオンライン対戦環境への対応を強化します。
青木氏は加えて、「単なる移植に留まらず、さらなるコンテンツの追加も予定しています」と述べ、具体的な内容は今後の続報で明らかにするとしました。新規キャラクターやゲームモードの追加など、PC版プレイヤーにとっても見逃せないアップデートとなる可能性が示唆されています。
完全新作「New Virtua Fighter Project」の進捗も公開
同番組では、「Virtua Fighter 5 R.E.V.O.」の移植発表に加え、開発中の完全新作「New Virtua Fighter Project」に関する最新情報も公開されました。
プロデューサーの山田理一郎氏から、シリーズお馴染みのキャラクターであるウルフ・ホークフィールドが最新作にも登場することが発表されました。さらに新作では、各キャラクターの背景設定や、彼らが格闘トーナメントに参加する動機を、これまで以上に深く掘り下げて描く方針であると語られました。
『New VIRTUA FIGHTER』Project ウルフ・ホークフィールド ティザー トレーラー
山田氏は次のように説明しています。「過去のバーチャファイターシリーズでは、キャラクターのバックストーリーや動機はあまり詳しく語られてきませんでした。これが過去作と新作の大きな違いの一つです。新作をプレイすることで、キャラクターたちの個性や背景、人物像をより深く理解していただけるようになるでしょう。」
ART DIRECTING VIRTUA FIGHTER
これは既存キャラクターにも適用され、現代に合わせてブラッシュアップしつつも、キャラクターの核となる部分は忠実に再現されるとのことです。例としてウルフが挙げられ、「彼の今回の行動理由は『プロレスへの愛』です。前作から彼に何があったのか、なぜ戦うのか――そういった点が新作では描かれます」と山田氏は補足しました。
このようなストーリー描写の強化は、従来の対戦格闘ゲームファンだけでなく、キャラクターや物語性を重視するプレイヤー層にもアピールする狙いがあると考えられます。
シリーズの未来への期待
「Virtua Fighter 5 R.E.V.O.」のマルチプラットフォーム展開とクロスプレイ対応、そして「New Virtua Fighter Project」における物語性の強化。これら二つの発表は、バーチャファイターシリーズが新たな時代に向けて進化しようとしていることを明確に示しています。
1993年にアーケードで初代が登場して以来、3D対戦格闘ゲームのパイオニアとして歴史を築いてきた本シリーズが、最新技術と幅広いプラットフォーム展開によって、再び存在感を高めようとしています。
「Virtua Fighter 5 R.E.V.O.」の家庭用ゲーム機版、および「New Virtua Fighter Project」の具体的な発売時期は現時点では未定です。今後の続報に大きな注目が集まります。
情報元:wccftech