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「ドンキーコング バナンザ」追加情報を公開 ― その革新性とポリーンを巡る論争

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任天堂がSwitch 2向け新作「ドンキーコング バナンザ」の詳細を発表しました。本作は、オープンワールドを舞台に、ほぼ全ての物を破壊できるという、斬新なゲーム性が特徴です。その一方で、相棒として登場する若き日のポリーンがシリーズの歴史と矛盾するとの指摘もあり、ファンの間で議論を呼んでいます。

「ドンキーコング バナンザ」の全貌を公開

任天堂は、6月18日開催の「Nintendo Direct」で、新型ゲーム機「Switch 2」向けの完全新作「ドンキーコング バナンザ」の詳細なプロモーション映像を公開しました。約15分の映像では、長年マリオのライバル、そして主役として親しまれてきたドンキーコングが、広大な3Dオープンワールドでダイナミックなアクションを繰り広げており、業界関係者やファンの期待を大きく高めています。

本作は7月17日に発売予定で、Switch 2の性能を最大限に活かした専用タイトルです。そのため従来のSwitchではプレイできず、遊ぶにはSwitch 2本体が必須となります。当初はローンチタイトルとして企画されていましたが、品質向上のために開発期間が延長されたと見られています。

破壊の爽快感を追求したゲームシステム

「ドンキーコング バナンザ」最大の特色は、圧倒的な自由度と破壊表現です。舞台となる「インゴス島」では、目に見えるほぼ全てのオブジェクトや地形を破壊できます。ドンキーコングは持ち前のパワーで地面を叩き割り、壁を粉砕するなど、ステージ自体を大胆に変化させながら進んでいきます。このシステムは、謎解きやルート開拓に留まらず、「ステージを更地にする」といった、プレイヤーの創造力を掻き立てる自由な遊び方を可能にします。

公開された映像では、ドンキーコングが崖をよじ登ったり、好きな場所から地面を突き破って下の階層へ移動したりする場面も確認できます。物語の目的は惑星の最下層にある核を目指すことで、各階層がそれぞれ独立した広大なステージとして設計されているようです。また、プレイヤーは貴重な黄金のバナナ「バナモンド」を集めることを目標とします。

本作のもう一つの革新的な要素が、ドンキーコングの「変身能力」です。これはパートナーであるポリーンの歌によって発動する特殊能力で、ドンキーコングがゴリラ以外の様々な動物の姿に変わります。

今回、以下の3つの変身形態が明らかになりました。

  • コングバナンザ:
    スマッシュ攻撃がより強力になるほか、突進で障害物を破壊できるようになります。従来のパワフルなドンキーコングを、さらに強化した形態と言えるでしょう。
  • シマウマバナンザ:
    ドンキーコングがシマウマになり、驚異的なスピードでフィールドを駆け抜け、水上を走ることも可能です。アクションの爽快感と探索の自由度が飛躍的に向上します。
  • ダチョウバナンザ:
    ドンキーコングがダチョウになり、大きな翼で空を滑空できるようになります。これまでのシリーズにはなかった立体的な移動が可能になり、空からタマゴ爆弾で攻撃することも可能になります。

これらの変身能力は金塊や地中のゴールドを集めてアドレナリンゲージを溜めると、変身できるようになります。ただし、変身には時間制限があるため、状況に応じた使い分けが攻略の鍵です。

この他にも、「ドンキーコング バナンザ」には、遊びの要素が満載です。詳細は公式ページでご確認ください。

ファンの間で物議を醸す「ポリーン」を巡る設定

本作の革新性はゲームシステムだけではありません。ストーリー面でも、ファンの間で話題を呼んでいます。物語の鍵を握る相棒として、「ポリーン」が少女の姿で登場することが明らかになったためです。映像では、岩から解放された彼女がドンキーコングの肩に乗り、歌声でパズルを解く手助けをするなど、冒険に欠かせない存在として描かれています。彼女が元の世界への帰還を目指している点も、物語の興味を引きます。

さらにポリーンは、単なる同行者ではなく、2人協力プレイで操作可能なキャラクターとしても登場します。二人目のプレイヤーはポリーンを操作し、そのパワフルな歌声で衝撃波を放つことが可能です。この歌声はドンキーコングのパンチのように障害物を破壊でき、二人で連携しながら道を切り拓く、協力プレイが楽しめます。

しかし、この「少女のポリーン」という設定が、長年のファンの間で議論を呼んでいます。シリーズの歴史において、ポリーンは1981年のアーケードゲーム「ドンキーコング」で、ドンキーコング(現在のクランキーコング)に攫われるヒロインとして初登場しました。近年、「スーパーマリオ オデッセイ」で「ニュードンク・シティ」の市長として成熟した姿で登場したこともあります。

今回、少女のポリーンと、初代ドンキーコングであるはずの老いたクランキーコングが共存するシーンが公開され、シリーズの時系列に明らかな矛盾が生じています。この点に対し、ファンからは「本作はリブート作品ではないか」「時間移動やマルチバースが関係しているのでは」など、様々な憶測が飛び交う事態となっています。

YouTubeではこの設定に関する議論が白熱し、長文で矛盾点を考察するファンが現れるほどです。GameSpotなどの大手メディアもマルチバース説に言及するなど、その波紋は広範囲に及んでいます。

「設定」より「面白さ」を優先する任天堂の哲学

こうした熱心な考察に対し、異なる視点を提示しています。それは、「任天堂は厳密な設定や物語の連続性よりも、純粋に面白いゲームを作ることを最優先する」という、同社特有の開発哲学です。

実際、ドンキーコングシリーズの設定には、これまでも一貫しない部分が見られました。例えば、クランキーコングと現在のドンキーコングの関係は、関連情報をまとめたWikiが存在するものの、祖父と孫、父と子といった関係性が曖昧なまま描かれてきました。任天堂自身が、その曖昧さを意図的に残してきたのかもしれません。

今回のポリーンの設定もまた、「ドンキーコングの相棒に少女のポリーンを登場させたら面白いのでは?」という開発陣の純粋なアイデアを優先した結果と考えるのが自然でしょう。過去の設定に縛られず、キャラクターの新たな魅力を引き出し、創造的なゲーム体験を生み出すことこそ、任天堂の真骨頂と言えます。

このスタンスは時にファンを戸惑わせることもある一方、シリーズのマンネリ化を防ぎ、常に新鮮な驚きを提供する原動力にもなっています。また、「ドンキーコング バナンザ」には過去のレア社作品へのリスペクトも感じられ、決してシリーズの歴史を軽視しているわけではないことも注目すべき点です。設定の矛盾について議論するのもファンの楽しみ方の一つですが、それが新しいゲーム体験の可能性を狭めるべきではない、という見方もまた重要です。

まとめ:Switch 2の未来を占う一作

「ドンキーコング バナンザ」が、Switch 2の門出を飾るにふさわしい野心的なタイトルであることは間違いないでしょう。その破壊的で自由なゲームプレイは、今後のオープンワールドアクションに新たな基準を示す可能性を秘めています。そして、ポリーンを巡る議論は、任天堂が自社のIPやファンとどう向き合っているかを示す好例とも言えます。

任天堂は近年、ドンキーコングシリーズのリブランドに積極的です。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの新エリア「ドンキーコング・カントリー」や映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」などを通じて、従来のイメージを一新し、生まれ変わったドンキーコングをさらに発展させていく戦略が見て取れます。

本作が単なる「スーパーマリオ」シリーズのスピンオフではなく、一つの大型アクションゲームとして市場に受け入れられるかどうか。その成否は、Switch 2初期の成功を占う重要な試金石となります。発売まで約1ヶ月、この規格外のゴリラがもたらす衝撃に、世界中のゲーマーが期待を寄せています。

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情報元:KOTAKU

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