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「SHINOBI 復讐の斬撃」のサントラにTee Lopes氏と古代祐三氏が参加

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セガが新作「SHINOBI 復讐の斬撃」の音楽制作にTee Lopes氏と古代祐三氏を起用することを発表。メインコンポーザーに「ソニックマニア」のTee Lopes氏、ゲストに「忍」シリーズの音楽を手がけた古代祐三氏を迎え、新旧の才能が融合します。現代レトロゲーム音楽の旗手とレジェンド作曲家とのコラボレーションの戦略的な意義とは?

業界注目の音楽制作体制が決定

2025年8月29日の発売が予定されているセガの新作「SHINOBI 復讐の斬撃」(英題:SHINOBI: Art of Vengeance、以下SHINOBI AOV)について、開発元のLizardcubeとセガは音楽制作の詳細を発表しました。メインコンポーザーには現代レトロゲーム音楽を代表するTee Lopes氏を起用し、さらに忍シリーズの音楽的基盤を築いた古代祐三氏がゲスト参加することが明らかになりました。

引用元:@SEGA

この発表は、近年のクラシックIP復活プロジェクトにおける音楽制作戦略として重要な意味を持ちます。過去の遺産を継承しながら現代的な表現力を融合させるアプローチは、ファン層の拡大と作品価値の最大化を両立させる効果的な手法として業界で注目されています。

公式発表の詳細と関係者の反応

セガの公式SNSでの発表によると、SHINOBI AOVのサウンドトラックはTee Lopes氏が主導し、古代祐三氏がゲストとして参加する体制で制作されます。この発表を受けてTee Lopes氏はX(旧Twitter)で「子供の頃から忍シリーズと古代祐三さんの音楽の大ファンだった僕にとって、この素晴らしい新作のサウンドトラックを率い、ビデオゲーム音楽史上最高のレジェンドのお一人とご一緒できることは夢の実現です」とコメントし、プロジェクトへの強い思いを表明しました。

同氏はさらに「この機会を与えてくれたBen FiquetさんとLizardcube、参加を快諾してくださった古代祐三さん、そしてセガに心から感謝します」と続け、関係者への謝意を示しました。

この起用は開発スタジオLizardcubeの実績と密接に関連しています。同スタジオは「ベア・ナックルIV」において、メインコンポーザーの統括のもとに古代祐三氏をはじめとする複数のレジェンド作曲家をゲストに迎える手法を採用し、作品の音楽的価値向上と商業的成功を実現しました。SHINOBI AOVでもこの成功モデルを踏襲したものと分析されます。

両作曲家の実績と音楽的特徴

今回のコラボレーションを担う二人の作曲家について、その功績と音楽的アプローチを整理します。

Tee Lopes氏は、ポルトガル出身の作曲家として、クラシックなゲームIPの音楽を現代的感性で再構築する分野で高い評価を得ています。セガとの協力関係では「ソニックマニア」「ソニックスーパースターズ」「ソニック・ドリーム・チーム」といったソニックシリーズ作品に参加し、その才能を発揮してきました。また「ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ:シュレッダーの復讐」や「ベア・ナックルIV」のDLC「Mr. X Nightmare」、3Dアクション「Penny’s Big Breakaway」などでも楽曲提供を行っています。

同氏の音楽的特徴は、原作への深いリスペクトを基盤としながら、多様な音楽ジャンルを取り入れたダイナミックなアレンジにあります。現代のゲーム音楽シーンにおけるレトロリバイバル(過去の名作の現代的復活)の潮流を牽引する重要な存在として位置づけられています。

古代祐三氏は、ゲーム音楽界における伝説的存在です。1980年代後半から90年代前半にかけて忍シリーズではメガドライブの「ザ・スーパー忍」、ゲームギアの「The GG 忍」「The GG忍II」で音楽を手がけ、シリーズの音楽的アイデンティティを確立しました。

同氏の革新性は、当時のゲーム機の限られた音響性能の中でFM音源(周波数変調による電子音合成技術)を駆使し、テクノやハウスといったクラブミュージックの要素をゲーム音楽に導入したことにあります。この先進的なアプローチは、ゲーム音楽の表現領域を飛躍的に拡大させ、後続の作曲家たちに大きな影響を与えました。「イース」シリーズや「ベア・ナックル」シリーズでの楽曲も、同様の革新性で高く評価されています。

戦略的協業の意義と効果

SHINOBI AOVにおける両者の協業は、単なる話題性を超えた戦略的意義を持ちます。この取り組みは、IPが持つ伝統的価値と革新的要素を両立させるための最適解として機能すると考えられます。

古代祐三氏の参加により、長年のシリーズファンに対して本作が忍シリーズの正統な継承者であることを強く印象づけることができます。同氏の楽曲は忍シリーズの音楽的DNAそのものであり、その存在はブランドの正統性を担保する重要な要素となります。

一方、Tee Lopes氏の起用は、現代的でアクセシブルなサウンドを通じて若い世代や新規プレイヤー層へのリーチを可能にします。同氏の音楽は、レトロゲームの魅力を現代的な表現で再構築することに長けており、幅広い層に訴求力を持ちます。

さらに、一人のメインコンポーザーが全体を統括しつつ、経験豊富なゲスト作曲家が多様な音楽性を提供する体制は、サウンドトラック全体の品質向上と作品世界観の深化に寄与します。この手法は「ベア・ナックルIV」での成功により実証済みであり、リスク分散と品質最大化を同時に実現する効果的なアプローチといえます。

作品概要とトレーラー各種

SHINOBI AOVは、伝説の忍者ジョー・ムサシが焼き尽くされた村と石に変えられた仲間を目の当たりにし、世界征服を企む悪の王ルーズ卿への復讐の旅に出るストーリーを描きます。セガとLizardcubeが手がける完全新作の忍者アクションゲームとして、独特の手描きアートスタイルで物語が展開されます。

ゲームプレイでは、ギミック満載のステージ構成と多彩な技を組み合わせたコンボシステムにより、スピーディーで爽快なバトル体験を提供します。開発チームは操作感の向上を徹底的に追求し、本格的な忍者アクションゲームとしての完成度を高めています。

今後の展望と業界への影響

Tee Lopes氏と古代祐三氏のコラボレーションは、往年の名作を現代に蘇らせる際の、音楽制作における新たな指標と言えるでしょう。このプロジェクトは、セガが持つ過去のIP(知的財産)を次世代へいかに継承し、発展させていくかという課題への実践的な答えを示すものとして、業界関係者から大きな注目を集めています。

両者の異なる世代と音楽的バックグラウンドが融合することで生まれる新たな表現は、忍シリーズの伝統を尊重しながら現代的な魅力を加える試みとして評価されます。この取り組みの成果は、今後のクラシックIP復活プロジェクトにおける音楽制作戦略に大きな影響を与える可能性があります。

SHINOBI AOVは2025年8月29日に、Xbox Series X|S、Xbox One、PlayStation 5、PlayStation 4、Nintendo Switch、PC向けにリリース予定です。

情報元:Timeextension

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