
サスペンスアドベンチャー「リトルナイトメア3」が2025年10月10日に発売決定。今作では新主人公ロゥとアローンを操作し、シリーズ初のオンライン協力プレイで悪夢の世界からの脱出に挑みます。開発はSupermassive Games。さらにVRゲームやコミックといったメディアミックスも発表され、シリーズの世界はゲームの外へも大きく広がります。
「リトルナイトメア」シリーズ、新たなステージへ
バンダイナムコエンターテインメントは2025年6月に開催されたイベント「Little Nightmares Showcase」にて、待望の最新作「リトルナイトメア3」の発売日が2025年10月10日に決定したことを発表しました。さらに、初代のリマスター版、VRゲーム、その他メディアミックスを含む大規模なプロジェクトも公開され、シリーズが新たな段階へと突入したことをファンに強く印象付けました。
開発はSupermassive Gamesが担当
シリーズ最新作「リトルナイトメア3」は、PlayStation、Xbox、PC、Nintendo Switch、そしてその次世代機向けにも発売されます。開発は、これまでの2作を手がけたTarsier Studiosに代わり、ホラーゲームで定評のあるSupermassive Gamesが担当します。
開発スタジオが変更された背景には、IP(知的財産)の所有権が関係しています。「リトルナイトメア」のIPはバンダイナムコが保有していますが、前作までの開発元Tarsier StudiosはEmbracer Groupに買収されました。その親会社が自社IPの開発を優先する方針のため、Tarsier Studiosが他社IPである本作の開発を継続することが困難になったためです。そこで、シリーズの継続を望むバンダイナムコは、ホラーゲーム開発で豊富な実績を持つSupermassive Gamesを新たなパートナーとして起用しました。
Supermassive Gamesは「Until Dawn 惨劇の山荘」や「The Quarry」といった作品で、映画的な恐怖演出とプレイヤーの選択が物語を大きく分岐させるゲームデザインに定評があります。セリフのない「リトルナイトメア」の世界観と、同社の持つ演出ノウハウがどのように融合するのかは、ゲームファンにとって最大の注目ポイントと言えるでしょう。
イベントでの試遊レポートでは、シリーズ特有の不気味な雰囲気やアートスタイルが忠実に継承されていると高く評価されており、ファンの期待に応える開発が進められていることがうかがえます。
オンライン協力プレイが核心
「リトルナイトメア3」の最大の進化は、新主人公のロゥとアローンによるシリーズ初のオンライン協力プレイです。プレイヤーは、弓矢を操るロゥとレンチ(スパナ)を持つアローンを操作しながら、それぞれの固有アイテムを駆使してパズルを解き進めます。これまでの「孤独な恐怖」から、「友人と共有する恐怖」へ。この変化は、新たな体験をもたらすでしょう。一方で、従来の孤独な探索が好みだったファンに向けても、本作はAIをパートナーにしたシングルプレイに完全対応しており、これまで通りのスタイルでも悪夢の世界に没入できます。
舞台は「スパイラル」と呼ばれる、狂気と危険に満ちた世界。二人は砂漠の街「ネクロポリス」などで、「レジデント」と呼ばれる恐ろしい住民から隠れ、逃げ、時には戦いながら、悪夢の世界「ノーウェア」からの脱出を目指します。
孤独な悪夢の中、手を取り合って恐怖に立ち向かう二人の、美しくも恐ろしい物語が描かれます。シリーズ特有の不気味で独特なビジュアルとサスペンスフルな演出も健在です。協力プレイやキャラクターごとのアクション、広がりのある世界観など、一層進化した体験が楽しめます。
初代リマスター版の発表と販売戦略
また、「リトルナイトメア3」と同じ2025年10月10日に、初代のリマスター版「Little Nightmares: Enhanced Edition」がPlayStation 5、Xbox Series X/S、Nintendo Switch、Nintendo Switch2、PC向けに発売されることも発表されました。
本作は、4K解像度・60fpsへの対応やレイトレーシングの導入によりグラフィックが大幅に向上するほか、ロード時間の短縮や新たなアシスト機能の追加で、より快適なプレイが可能になります。
海外では、「リトルナイトメア3」のデジタル版を予約購入すると本作を先行入手できる特典や、オリジナル版所有者向けの無料アップグレードが告知されています。ただし、これらの施策が日本国内でも適用されるかは不明なため、今後の正式発表が待たれます。特典や価格などの詳細については、公式サイトをご確認ください。

VRやコミックなどメディアミックス展開
バンダイナムコはゲームだけでなく、IPの多角的な展開を積極的に進めています。まず、VR専用タイトル「Little Nightmares VR: Altered Echoes」が発表されました。詳細はまだ不明ですが、短いティザー映像が公開されており、シリーズの世界をより深く体験できるコンテンツとしての期待が高まっています。
さらに、オーディオポッドキャスト、コミック、小説といったメディアミックス展開も発表されました。これらのプロジェクトを通じて、ゲームだけでは描ききれない世界観を補完し、ファン層の拡大と関係強化を図る狙いがあるようです。
加えて、イベント中には6つ目となるプロジェクトも示唆されました。公開された映像から、ストップモーションによる映画またはテレビ番組の可能性があるとのことです。詳細は明かされませんでしたが、シリーズが映像作品へ本格的に進出することを予感させる、重要な発表として注目されています。
これら一連の発表は、「リトルナイトメア」が単なるゲームシリーズから、多角的なエンターテインメントIPへと進化する大きな節目となるでしょう。新たな開発体制のもと、「協力プレイ」という軸を打ち出した「リトルナイトメア3」を中核に、シリーズは次のステージへと歩みを進めます。



情報元:PRTIMES