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巨大地震の影響で「Elden Ring Nightreign」のデュオモード実装が延期に

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ロシア沖で発生した巨大地震と津波警報を受け、人気ゲーム「Elden Ring Nightreign」のアップデートが延期されました。ファン待望の「デュオモード」実装が見送られた背景には、開発元フロム・ソフトウェアの決断があります。同社は事業の継続性よりも従業員の安全を最優先し、その迅速な危機管理対応に多くの称賛が寄せられています。

地震の影響で大型アップデートが延期に

2025年7月30日、ロシア・カムチャツカ半島沖で発生したマグニチュード8.8の巨大地震と、それに伴う津波警報を受け、人気アクションRPG「Elden Ring」の世界観を継承したマルチプレイヤーゲーム「Elden Ring Nightreign」の大型アップデート(パッチ1.02)が延期されることが明らかになりました。

開発元のフロム・ソフトウェアは、従業員の安全確保を最優先し、この決定を下しました。この地震により、日本の岩手県北部には高さ1.3メートルの津波が到達したほか、ハワイ、フィリピン、インドネシアなど太平洋沿岸の広範囲で避難指示が発令されました。現時点で死者や重傷者は報告されていませんが、津波のリスクは依然として続いています。

待望の「デュオモード」実装が一時停止

パッチ1.02の目玉は、プレイヤーが2人1組で協力して冒険を楽しめる「デュオモード」(2人協力プレイのモード)の実装です。「Elden Ring Nightreign」は、2022年の大ヒット作「Elden Ring」のスピンオフとして今年リリースされたアクションRPGで、3人1組でのマルチプレイを基本とするユニークな設計が特徴です。ソロプレイは可能でしたが、2人協力プレイへの対応はなく、コミュニティでは「ペアで遊びたい」との声が根強かった背景があります。

リリースからわずか2日後には、ファンが非公式の2人プレイMODを制作し、技術的な実現可能性を示していました。フロム・ソフトウェアも「デュオモードが見落とされていた」と認め、3人プレイを前提にゲームバランスを調整していたと説明。今回の公式対応には、国内外のファンから大きな期待が寄せられていました。

さらに、このパッチでは、定期的に内容が更新される高難易度ボスコンテンツ「Everdark Sovereign」の第2サイクルも開始予定でした。その第一弾として「Maris ‘Augur’ Fathom of Night」との戦闘が控えており、大きな注目を集めていました。しかし、これらの追加要素もアップデートの配信まで見送られます。

フロム・ソフトウェアの迅速な危機管理対応

カムチャツカ半島沖の地震と津波警報を受け、フロム・ソフトウェアは迅速に対応。公式Xで以下のように投稿しました:

カムチャツカ半島沖の地震に伴う津波警報のため、本日予定しておりました『Elden Ring Nightreign』パッチ1.02の配信を、明日7月31日(木)10:00 CEST(中央ヨーロッパ時間)/ 1:00 PDT(太平洋夏時間)以降に延期いたします。

さらに、次のように追加投稿しています:

明日(7/30)03:00 CEST | 18:00 PDT に開始予定だった Everdark Sovereign の第2サイクルについても、アップデートファイルの配信後まで延期いたします。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

この発表から、社員の安全を第一に考えてアップデートを遅らせたことがうかがえます。ビジネスよりも人命を大切にするという判断は、緊急時の対応として素晴らしいと評価されています。過去に、2011年の東日本大震災の際も、複数のゲーム会社が開発スケジュールを調整した事例があり、こうした対応は業界全体で重要視されています。

「Elden Ring Nightreign」の商業的成功と課題

「Elden Ring Nightreign」は、2022年に世界的なヒットを記録した「Elden Ring」の派生作品としてリリースされ、商業的に大きな成功を収めています。「Steam」のデータベースによると、発売初日の最大同時接続者数は約31万人に達し、これはフロム・ソフトウェアの作品として史上2番目の記録です。また、発売元のバンダイナムコエンターテインメントは、発売から約1ヶ月で販売本数が350万本を突破したと発表しています。

その一方で、ゲーム内容への評価は賛否が分かれています。海外メディアVGCによるレビューでは「世代最高のRPGに対する不器用なマルチプレイヤーサイドショー」と評されるなど、一部では厳しい見方も示されました。特に、コンテンツの多様性不足や戦闘システムの不安定さを指摘する声が上がっていました。

自然災害がゲーム開発に与える教訓

今回の延期は、ゲーム開発が現実の災害と無関係ではないことを改めて示しました。特に、日本やアメリカの西海岸のように多くのゲーム会社が集まる地域は、常に地震や津波の危険にさらされています。

この一件は、ゲーム業界全体に「事業継続計画(BCP)」、つまり「もしもの時でも事業を続けるための計画」の重要性を改めて示すものとなりました。フロム・ソフトウェアの迅速な対応は、他の企業にとっても良い手本となるでしょう。

パッチ1.02の配信は7月31日以降と発表されていますが、今後の津波や余震の状況によっては、さらなる変更の可能性も残されています。フロム・ソフトウェアは近日中に続報を出すとしており、ファンは被害がこれ以上拡大しないことを祈りつつ、公式からの最新情報を待つことになります。

情報元:VGC

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