
Insomniac Gamesが世に放つ「Marvel’s Wolverine」は、成人向けの妥協なき残虐描写が最大の特徴です。オープンワールドを廃し、世界を巡るリニア構造を採用したことで、より映画的で没入感の高い物語を体験できます。俳優リアム・マッキンタイア演じるウルヴァリンの血と謎に満ちた壮絶な旅が2026年秋、始まります。
「Marvel’s Wolverine」の全貌公開
2025年9月24日のPlayStation「State of Play」で、待望作「Marvel’s Wolverine」の初ゲームプレイ映像が公開され、2026年秋の発売が正式に発表されました。開発元は「Marvel’s Spider-Man」で世界的評価を得たInsomniac Games。本作は、より成熟したテーマ、妥協なき暴力描写、映画的な物語性により、ウルヴァリンというキャラクターにふさわしい「究極の暴力」を創ろうとしています。
本作はPlayStation 5専用タイトルとして開発が進行中で、PS5 Proでのハイクオリティ映像が既に確認されています。
オープンワールドからリニア構造へ
「Marvel’s Wolverine」は「Marvel’s Spider-Man」で確立したオープンワールド設計をあえて廃し、リニア構造のアクション・アドベンチャーを採用しました。これはローガンというキャラクターの「定住せず100年以上を彷徨う放浪者」という本質を反映したものです。
公開映像では、カナダの雪深い荒野、犯罪者がうごめく架空の島国マドリプール、ネオン輝く東京を含む都市部、そして荒廃したLowtownなど、国際色豊かな舞台が確認されました。Naughty Dogの「アンチャーテッド」シリーズを彷彿とさせる緊密で映画的な、単調さを感じさせないプレイが体験できます。
妥協なき暴力描写と戦闘
最大の特徴は、ウルヴァリンのアダマンチウムの爪が持つ殺傷力を徹底的に再現した戦闘描写です。映像では敵への胸部刺突、四肢の切断、頭部への突き刺しといった過激なアクションが確認され、「Mortal Kombat」に匹敵するレベルと評されています。ESRBでMature(17歳以上対象)となる可能性は極めて高いでしょう。

この徹底した暴力表現は、幅広い年齢層に向けて制作された「Marvel’s Spider-Man」シリーズの穏健なトーンとは、まさに正反対の方向性を示すものです。
戦闘では連続攻撃やキック、さらには爪を使って建物間を跳躍するなど、流動的で攻防一体のアクションが展開されます。ローガンの獣性と身体能力を活かしたスピーディかつ残酷なバトルが、プレイヤーに「制御困難な怒り」をそのまま体感させます。
重厚な物語とキャラクター
物語はローガンが「自身の過去を解き明かす旅」を軸に展開。主人公の声優とモーションキャプチャーは、「スパルタカス:ヴェンジェンス」主演や「ギアーズ・オブ・ウォー」JDフェニックス役で知られる俳優リアム・マッキンタイア氏が担当。彼はキャラクターを「何度も傷つけられながらも弱者のために戦う存在」と語り、その複雑な人格表現に強い意欲を示しています。
敵キャラクターにはオメガ・レッド、ミスティーク、リーヴァーズ、そして巨大ロボットセンチネルが確認されています。センチネル戦では「ワンダと巨像」のようなクライミング要素を含む大規模バトルが示唆されており、迫力あるボス戦に期待が高まります。
原作への回帰 ― ローガンの身長描写
映画版ではヒュー・ジャックマン演じる長身のイメージが定着しましたが、原作コミックにおけるローガンは約160cmと小柄な体格です。公開映像では敵キャラクターよりも小柄に描かれており、この設定は「原作のウルヴァリン像への回帰」としてファンから歓迎されています。小柄な体格で圧倒的な戦闘能力を発揮するという、キャラクター本来の魅力が再評価される好機となるでしょう。
多彩なコスチューム
映像からは黄色いX-Menの象徴的ユニフォーム、マドリプールでのカウボーイ風衣装、森林地帯でのレザージャケット姿などが確認されています。Insomniacが「Spider-Man」シリーズで数十種のスーツを実装した実績から見ても、本作でも豊富なコスチュームカスタマイズが期待されます。



業界での位置づけと今後の展望
Insomniac Gamesは2026年春に次回情報を公開予定と発表しており、発売に向けて本格的なプロモーションが始まります。2026年は「Grand Theft Auto 6」を筆頭に大型タイトルの競争が予想されますが、PS5独占かつ成人向けの残虐描写という差別化が、業界内で確かな地位を築く切り札となるでしょう。
本作が成功すれば、「スーパーヒーロー=全年齢向け」という固定観念を打ち破り、成熟したテーマを扱う新たなヒーローゲームのモデル事例となる可能性があります。
情報元・画像イメージ:GEMATSU