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カプコン「ロックマン」新作を発表 ─ 徹底的なマルチ展開で目指すIP成長戦略

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カプコンは「ロックマン: デュアル オーバーライド」を正式発表。シリーズ40周年となる2027年に向けて、Switch 2やPS5などの現行機に加え、初代SwitchやPS4を含む全方位的なプラットフォームで展開します。約9年ぶりとなるナンバリング最新作の概要と、同社が掲げる「コアIP」成長戦略の狙いとは?

株式会社カプコンは、現地時間2025年12月11日に開催された世界最大級のゲームアワード「The Game Awards 2025」において、人気アクションゲームシリーズの最新作「ロックマン: デュアル オーバーライド(Mega Man: Dual Override)」を正式に発表しました。

本作は、2018年に発売された「ロックマン11 運命の歯車!!」以来のナンバリングタイトルとなります。発売時期はシリーズ誕生40周年の節目にあたる2027年を予定しており、約9年ぶりの新作リリースとなることから、その対応プラットフォームの幅広さが注目を集めています。

新旧ハードを網羅する全方位戦略

「ロックマン: デュアル オーバーライド」の展開において特筆すべきは、ハードウェアの世代を問わない徹底したマルチプラットフォーム戦略です。

本作は、PlayStation 5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2といった現行世代のコンソールに対応しています。これに加え、市場に広く普及しているPlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch、そしてPC(Steam)までを網羅しています。

コンソールの世代交代が進む中、新作タイトルの対応ハードは最新機種へ移行する傾向にありますが、カプコンは本作において現在稼働するほぼ全てのコンソール市場をターゲットとしました。この「新旧ハードの並行展開」は、ユーザーの所有ハードウェアに依存せず、潜在顧客へのリーチを最大化する狙いがあります。普及台数の多い旧世代機をサポートしつつ、Switch 2やPS5の性能を活かした環境も提供するという判断は、後述する経営戦略とも密接に結びついています。

40周年に挑むゲームシステムの進化

ゲーム内容については、シリーズ伝統の横スクロールアクションを継承しつつ、ビジュアル面では新たなセルシェーディング技術を採用した2.5Dスタイルとなることが明かされました。公開されたティザートレーラーでは、パステル調のアートスタイルで描かれた未来的な世界観の中、ロックマンが新たなギミックを駆使してステージを駆け抜ける様子が確認できます。

タイトルの「デュアル オーバーライド(二重の上書き)」が示す詳細なシステムは伏せられていますが、トレーラー終盤ではロックマンが強化形態へ変身するような演出も示唆されており、これが本作の核心的な要素になると推測されています。公式発表では、「課題をオーバーライド(乗り越え)し、新たな未来的フロンティアを跳び回りながら、ロボット軍団を撃破する」体験がプレイヤーを待っていると説明されています。

「コアIP」昇華を目指す成長戦略

今回の発表は、単なる新作のリリース告知にとどまらず、カプコンの中長期的な経営戦略における「ロックマン」の位置づけを示すものです。

カプコンの代表取締役社長兼COOである辻本春弘氏は、最新の統合報告書において同社の成長戦略に言及しています。現在、同社は「バイオハザード」「モンスターハンター」「ストリートファイター」をコアIP(主要知的財産であり、収益の柱)と位置づけていますが、今後はこれらに加え、「ロックマン」をはじめとする歴史あるブランドをコアIPと同等の規模へと成長させる計画を掲げています。

辻本氏は、「『ロックマン』『デビル メイ クライ』『逆転裁判』といった世界的に人気の高いブランドを多数保有している」と述べ、これらのシリーズにおいて新作、リメイク、現行機への移植を積極的に展開することで、ユーザーベースの拡大とブランド力の強化を図る方針を示しました。

カプコンは全社目標として「年間販売本数1億本」を掲げており、その達成には既存の3大IPに次ぐ柱の確立が不可欠です。2027年の「ロックマン: デュアル オーバーライド」が、最新のSwitch 2から旧世代機までを含めた広範なハードウェアで展開される背景には、インストールベースを最大化し、同シリーズを一気に「コアIP」の水準まで引き上げようとする経営的な意図がうかがえます。

2027年発売に向けた今後の展望

「ロックマン」シリーズはこれまでに累計4,300万本以上を販売していますが、今回の包括的なプラットフォーム展開とコアIP化戦略により、この数字がどこまで伸長するかは業界の注目を集めそうです。2027年の発売に向け、今後も段階的に情報が公開されていくものと思われます。往年のファンだけでなく、新たな世代を取り込むためのカプコンの手腕に期待が高まります。

情報元・イメージ:EurogamerPRTIMES

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