
「モンスターハンターワイルズ」の最新アップデート解析から、Nintendo Switch 2版を示唆する記述が発見されました。PC版での動作課題が依然として残る中、DLSS活用やNPC描画調整による最適化は技術的に可能なのでしょうか?カプコンの次世代機戦略と過去の発言を踏まえ、浮上した移植の噂は果たして真実なのでしょうか?
カプコンの人気ハンティングアクション「モンスターハンターワイルズ(Monster Hunter Wilds)」において、新たなプラットフォーム展開を示唆する内部データが発見され、業界内で注目を集めています。2025年12月29日に配信された「タイトルアップデート4」の解析結果から、任天堂の最新機種「Nintendo Switch 2(以下、Switch 2)」への移植に向けた痕跡が確認されたと、複数の海外メディアが報じています。
アップデートデータに隠された「Switch 2」の痕跡
情報の出処は、Redditのコミュニティ「Monster Hunter Leaks」および複数の海外ゲームメディアです。データマイナーが最新アップデートのコードを調査したところ、以下の文字列が含まれていることが確認されました。

この文字列に含まれる「ns2」に加え、一部のレポートでは「nsw2UpgradeEdition」という表記も確認されています。これらはいずれも、「Nintendo Switch 2」を指す内部名称である可能性が極めて高いと見られています。
さらに、一部の海外メディアによれば、解析結果から移植版の仕様に関すると思われる記述も発見されたとされています。ただし、これらの情報はあくまでデータマイニングに基づく推測であり、カプコンからの公式発表はないため、慎重な判断が必要です。主に以下の3点が指摘されています。
- DLSSによるアップスケーリング対応:NVIDIAのDLSS(Deep Learning Super Sampling)を活用し、レンダリング負荷を抑えつつ高画質化を図る可能性を示唆する記述。
- NPCレンダリングの調整:CPU負荷軽減のため、ノンプレイヤーキャラクター(NPC)の描画処理を削減・変更する形跡。
- ローカルマルチプレイヤーの実装:携帯機としての特性を活かした、持ち寄り協力プレイ機能の追加。
仮にこれらの情報が正確であれば、カプコンが単純な移植にとどまらず、Switch 2のハードウェア特性に合わせた詳細なチューニングを検討している可能性を示しています。
技術的課題と「ポテトモード」への懸念
この噂に対し、コミュニティの反応は期待と懸念が入り混じっています。最大の懸念材料は、現行のPC版およびコンソール版におけるパフォーマンス問題です。
本作は発売以降、ハイエンドPC環境下でも動作が不安定になるケースが散見され、最適化不足が指摘されてきました。タイトルアップデート4では100項目以上の改善が施されたものの、携帯型PC「Steam Deck」では依然としてアグレッシブなアップスケーリング設定を余儀なくされており、安定動作には程遠いのが現状です。
こうした背景から、ネット上ではSwitch 2版の画質を「ポテトモード(Potato Mode)」と揶揄する声も上がっています。これは低スペック環境で動作させるためにテクスチャやポリゴン数が極端に削減され、ジャガイモのようにのっぺりとした画質になる状態を指すスラングです。
海外フォーラムResetERAやRedditでは、「Steam Deckでさえ苦戦しているタイトルがSwitch 2で動くのか」「480p/20fpsになるのではないか」といった厳しい意見が相次いでいます。「サイバーパンク2077」などがスペック制約に苦しんだ過去の事例を引き合いに、移植の難易度を危惧するユーザーは少なくありません。
Switch 2の性能とDLSSという希望
一方で、技術的観点からは楽観的な見方も存在します。その鍵となるのが「DLSS」です。
Switch 2がNVIDIAの技術を採用し、ハードウェアレベルでDLSSをサポートしているとの報道がありますが、DLSS対応についても現時点では推測の域を出ません。仮にDLSS対応が実現すれば、内部解像度を下げてレンダリング負荷を軽減し、AI処理で高解像度に出力するこの技術を効果的に活用できれば、単純なスペック比較以上のパフォーマンスを引き出せる可能性があります。
データ解析で見つかったとされる「NPCレンダリングの削減」という記述も、開発チームがボトルネックを正確に把握し、現実的な妥協点を探っている証左と考えられます。DLSSと適切なアセット調整が噛み合えば、予想以上に良好なプレイフィールを実現できるかもしれません。
カプコンのSwitch 2戦略
カプコンは任天堂の次世代機に対し、極めて積極的な姿勢を見せています。既に「ストリートファイター6」や「祇:Path of the Goddess」がSwitch 2に投入されているほか、「バイオハザード レクイエム」、「モンスターハンターストーリーズ3」、「プラグマタ」などのタイトルを他機種と同日にSwitch 2へ投入する計画が発表されており、同社が「Switch 2に全力投球(All-in)」であることは明白です。
しかし、「モンスターハンターワイルズ」に関しては、プロデューサーの辻本良三氏が慎重な姿勢を崩していませんでした。2025年1月のSwitch 2発表を受けたGamereactorのインタビューにおいて、辻本氏はSwitch 2への移植について以下のように述べています。
「もちろん『モンスターハンターワイルズ』のプラットフォームに関しては、既に公表している以上の発表はありません。しかし、私たちもSwitch 2に関しては皆さんと同じ立場にいます。これはとても新しい発表であり、ハードウェアの性質を正確に把握し、どのように最善に活用するかを学ぶために、今後時間をかける必要があります。それは私たちにとって将来のことです。」
かつてSwitch(初代)への移植を見送った際、カプコンは株主向けQ&Aにおいて、その理由を次のように説明していました。
「本作に組み込んだコンセプトの一つは、最新技術を限界まで活用することで、『モンスターハンター』の世界を最大限に表現することを目指すことです。そのため、そのコンセプトを実現できるプラットフォームは、現在のところPlayStation 5、Xbox Series X|S、そしてPCです。」
今回の噂が事実であれば、開発チームが新ハードウェアの検証期間を経て、ようやく「世界の最大表現」と「ハードウェア制約」のバランスを取る目処が立ったことを意味していると考えられます。
公式発表が待たれる「ワイルド」な挑戦
現時点ではカプコンからの公式発表はなく、本記事で紹介した情報はあくまでデータ解析に基づく推測の域を出ません。しかし、ソースコードに含まれる具体的な記述や、カプコンの強力なSwitch 2サポート体制、そして過去の「モンスターハンター」シリーズと任天堂プラットフォームとの深い結びつきを考慮すれば、何らかの形での展開が検討されている可能性は否定できないでしょう。
「モンスターハンター」シリーズは、かつて携帯機でのローカルプレイによって爆発的な普及を果たしました。もし「ワイルズ」がSwitch 2で実現し、持ち寄って遊べる環境が整えば、シリーズに再び大きなモメンタムをもたらすことは確実です。
PC版でのパフォーマンス改善と並行し、限られたリソースの中でいかに最適化を図るか。カプコンの開発力が試されるこの挑戦に、業界全体の視線が注がれています。公式発表を待ちましょう。
免責事項:本記事は海外メディアの報道およびデータマイニング情報に基づいており、カプコンや任天堂からの公式発表ではありません。記載内容は予告なく変更される可能性があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。

