
プレイヤーを3Dスキャンし、ゲーム内に登場させる新プロジェクト「プレイヤーベース」が始動。第1弾の「GT7」では、選出者がロサンゼルスでの撮影に招待されます。ただ世界で1名という超高倍率なうえ、日本在住者は現地への渡航費が自己負担になるなど、参加にはかなりの覚悟と軍資金が必要になりそうです。
ファンがゲームの登場人物に、夢のプロジェクト始動
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)は2026年4月7日、ゲームコミュニティへの感謝を形にする新たな施策として、プロジェクト「プレイヤーベース(The Playerbase)」を始動しました。選ばれたプレイヤーの容姿を3Dスキャン技術でデータ化し、PlayStation Studiosが手掛けるゲームタイトル内に登場させるというプログラムで、第1弾の対象タイトルはポリフォニー・デジタル開発の「グランツーリスモ7(GT7)」です。
プロジェクトの目的と概要
SIEのグローバルマーケティング担当バイスプレジデント、イザベル・トマティス氏は「プレイヤーベースは、現在のPlayStationを形づくるプレイヤーの皆さんへの感謝を込めたプロジェクトです」と述べています。30年以上にわたりPlayStationを支えてきたコミュニティへの還元策として位置づけられており、2025年5月にサービス縮小を発表し、2026年11月に完全終了予定の「PlayStation Stars」とは異なり、プレイヤー自身がゲームのコンテンツとして実装されるという、新たな形でのファンエンゲージメントを目指しています。
プログラムは南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、南アフリカ、オーストラリアの一部地域を対象に展開されます。応募は2026年4月7日(火)23時より開始されており、締め切りは2026年4月27日(月)15:59までとなっています。
当選者が得られる限定特典と出演機会
最終的に世界で1名が選出され、以下の内容が提供されます。
「グランツーリスモ7」への期間限定出演として、ゲーム内の他のキャラクターと同様の形式で「キャラクターポートレート」として実装されます。この出演自体は期間限定ですが、選出者が専任デザイナーと共同制作するオリジナルのファンタジーロゴおよびクルマのリバリーは、ゲーム内の「ショーケース」セクションに恒久的に公開されます。
また、選出者は米国カリフォルニア州ロサンゼルスにある「PlayStation Studios Visual Arts(プレイステーション・スタジオ・ビジュアル・アーツ)」に招待され、3Dキャプチャ技術によるスキャンとデザイナーとの共同作業を行います。
応募条件と「実績重視」の二段階選考
応募には、対象地域に居住していること、PlayStationのオンラインIDを保有していること、18歳以上(または居住地域で定められた成年年齢以上)であることが条件です。購入や支払いは不要です。
選考は二段階で実施されます。
一次選考では、応募フォームへの記述内容とアカウントの利用状況をもとに、以下の5つの観点が総合的に評価されます。①提出文章のオリジナリティ、②テーマへの適合性、③PlayStation Studiosのゲームやスタジオへの想いおよび個人の体験との結びつき、④PlayStation製品(本体保有状況、サブスクリプション、プレイしたゲーム、プレイ時間など)を通じたブランドへの関与度、⑤ポリフォニー・デジタル作品(対象タイトルの所有・プレイ時間・トロフィーの種類や数など)への関与度。
二次選考ではビデオインタビューが実施され、①PlayStationへの想いとこれまでの関わり、②「グランツーリスモ7」への熱意、③他者と共有・共感しやすいストーリー性、④PlayStationの魅力を広く伝えられる人物であるか、⑤PlayStationおよび関連タイトルに関わるうえでの行動・表現の適切性、の5点が評価されます。
選考通過者への通知は、Sony Interactive Entertainment LLCおよびその認定代理人(Six Minutesを含む)から行われます。大賞当選者は2026年11月ごろに発表予定で、ゲーム内への実装は年後半の期間限定特別アップデートにて行われる見込みです。
日本勢は渡航費・食費が「全額自腹」
日本在住のファンが応募する際には、費用負担に関して特に注意が必要です。
公式規約によると、日本においては法令の規制により、スタジオまでの渡航費、ホテル宿泊費、および食費を含む諸経費はSIE側が負担できず、当選者本人の自己負担となります。これは日本国内の法令に基づく措置であり、グローバルキャンペーンとしては異例の条件となるため、応募前に十分な確認が必要です。
スタジオは米国ロサンゼルスに所在するため、日本から参加する場合は国際航空券・宿泊費・現地交通費・食費等がすべて自己負担となる可能性を念頭においたうえで応募を検討してください。
プロジェクトに潜む課題と参加者の覚悟
本プロジェクトはファンにとって夢のような企画である一方、冷静に分析するといくつかの「ツッコミどころ」や現実的な課題が浮き彫りになります。
まず、SNSでの露出とプライバシーのリスクです。世界中でプレイされる人気タイトルに自身の容姿で登場することは、ネット上での特定や誹謗中傷、あるいは無断利用(コラ画像の作成など)に晒されるリスクを確実に伴います。これに対する法的な保護策は規約上でも限定的であり、応募者には「有名税」を受け入れる相当の覚悟が求められます。
次に、経済的な選別とインフルエンサー優遇の懸念です。日本からの渡航費が自己負担である以上、参加できるのは自ずと「数十万円を即座に捻出できる富裕層」や「宣伝効果で元が取れるインフルエンサー・YouTuber」に限定される可能性が高くなります。選考基準に「ストーリー性」や「発信力」が含まれている点も、すでに顔出しをして活動している層に有利に働くことが推測されます。
さらに、これだけのコストとリスクを背負いながら、ゲーム内への登場が「期間限定」である点も留意すべきでしょう。これらを「一生に一度の投資」として割り切れる、極めて限定された層のためのオーディションという側面は否定できません。
今後の展望
SIEは今後、この「プレイヤーベース」を「God of War」や「Ghost of Tsushima」など、他のPlayStation Studiosタイトルへも順次拡大していく方針を示しています。各タイトルの世界観に合わせた形で、今後どのようなファンが選ばれるのか、コミュニティの注目が集まっています。
応募方法や詳細については、公式ページよりご確認ください。
情報元:PlayStation.Blog

