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「ソニックレーシング クロスワールド」と「マリオカートワールド」 ─ レース対決勃発か

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任天堂がNintendo Switch 2 Directで発表したNintendo Switch 2向けローンチタイトル「マリオカートワールド」に対し、セガは「ソニックレーシング クロスワールド」でマルチプラットフォーム展開をアピール。かつての「コンソールウォーズ」を彷彿とさせる新たな競争がレースゲーム市場に登場します。

任天堂の発表にセガの反応

先日開催された「Nintendo Switch 2 Direct」において、任天堂は待望の新ハードNintendo Switch 2のローンチタイトルとして「マリオカートワールド」を6月5日に発売すると正式に発表しました。この大きなニュースに対し、セガはすぐさま反応し、公式X(旧Twitter)アカウントを通じて、「世界を舞台にしたレースゲームにとって重要な日ですね!」とコメント。さらに「とにかく、お気に入りのプラットフォームで世界中の友達とプレイできる、近日発売の唯一のカートレーサー、「Sonic Racing: CrossWorlds」の準備をしましょう。」と投稿しました。

これは、「マリオカートワールド」がNintendo Switch 2専用タイトルであるのに対し、自社タイトルがPCを含む「マルチプラットフォーム」である強みを打ち出していると言えます。

クロスプラットフォームによる差別化

このセガの行動は、単なる対抗意識の表明だけでなく、計算された戦略に基づいていると考えられます。「マリオカート」シリーズは圧倒的なブランド力と人気を誇り、常に任天堂の売上を支える強力なタイトルです。その最新作と正面から競合するのは容易ではありません。

そこでセガは、「プラットフォームを選ばない」という利便性を強みとしています。「マリオカートワールド」が新たなハードであるNintendo Switch 2専用なのに対し、「ソニックレーシング クロスワールド」はすでに普及している様々なプラットフォームで遊べるため、より多くの潜在的なプレイヤーにアピールできます。

特に発売初期においては、まだ普及台数が限られるNintendo Switch 2専用の「マリオカートワールド」よりも、「ソニックレーシング クロスワールド」の方が販売数を伸ばしやすいとセガは考えているのかもしれません。初期段階で市場に広く浸透させ、存在感を確立する狙いがあると考えられます。これは新ハードの普及には時間がかかるという市場の現実に基づいた戦略と言えるでしょう。

ただし、長期的に見れば、「マリオカートワールド」はNintendo Switch 2の普及と共に販売数を伸ばし、最終的には「ソニックレーシング クロスワールド」を上回る売上を記録する可能性が高いと予測されます。

発売時期と過去の教訓

セガは「ソニックレーシング クロスワールド」の具体的な発売日をまだ明らかにしていませんが、「マリオカートワールド」の6月発売を踏まえ、年末商戦期など、直接的な競合を避けつつ効果的なタイミングを計っていると考えられます。

この慎重な姿勢には、過去の苦い経験が影響している可能性があります。2023年10月、セガは2Dアクション「ソニックスーパースターズ」を、任天堂の「スーパーマリオブラザーズ ワンダー」とほぼ同時期に発売し、販売面で苦戦を強いられました。この経験から、強力な任天堂タイトルとの直接対決のリスクを考慮し、発売時期の選定に慎重になっていると推測されます。

ゲーム性の比較

奇しくも両方のタイトルは名前に「ワールド」を冠していますが、その内容は大きく異なります。

マリオカートワールドの特徴

「マリオカートワールド」は、シームレスにつながる広大なオープンワールドを舞台にしています。これまでのシリーズで培われたドリフト、ミニターボ、ジャンプトリックといった伝統的なテクニックを駆使する戦略性の高いレース体験が特徴。世界観は現実世界の地形や都市をモチーフにしており、大陸横断ラリーのような壮大で広大なフィールドを自由に走り回ることができます。

Image : GEMATSU
Image : GEMATSU

おなじみの任天堂キャラクターたちがレースに参加し、それぞれ特色あるアイテムを駆使したレースを展開。プレイヤーは単純なレースだけでなく、探索要素も楽しみながら世界各地を巡ることができます。オンライン対戦にも対応し、世界中のプレイヤーとのマルチプレイが可能です。

ソニックレーシング クロスワールドの特徴

一方の「ソニックレーシング クロスワールド」は、レース中にコース環境が陸・海・空・宇宙・時間へと劇的に変化するダイナミックなレースを提供します。「トラベルリング」と呼ばれるポータルを通じて次元を移動しながら進むというユニークなコンセプトが採用されており、恐竜時代や海賊の世界など、ファンタジー豊かでテーマパークのようなマルチバースな世界観が展開されます。予測不能なランダムイベント「フィーバーゲート」が発生し、スピード感と変化に富んだ展開が特徴です。

Image : PRTIMES

ソニックをはじめとするセガキャラクターが登場し、「ガジェットカスタム」により、車両パーツや能力の細かいカスタマイズも可能となっています。オンラインモードでは様々なプラットフォームのプレイヤーと対戦できる点が大きな強みです。レースのスタイルもソロプレイとチームプレイの両方に対応し、各プレイヤーの好みに合わせた楽しみ方ができます。

Image : PRTIMES

このように、両タイトルはそれぞれ独自のアプローチでカートレースゲームを進化させています。「マリオカートワールド」は広大な世界での自由な探索と戦略的なレースを提供する一方、「ソニックレーシング クロスワールド」は目まぐるしく変化する環境でのダイナミックで予測不能なレース体験を提供します。ゲームデザインの方向性が異なるため、自身の好みに合わせてタイトルを選ぶことになります。

レースゲーム市場への影響

かつて「コンソールウォーズ」で激しく競い合った両社が、今度はレースゲームというジャンルで再び火花を散らすことになりそうです。この競争は、それぞれのプラットフォームホルダーがマーケティング戦略を駆使し、自社の強みをアピールする絶好の機会となります。任天堂はNintendo Switch 2の魅力を最大限に引き出すキラータイトルとして「マリオカートワールド」を押し出し、セガはより多くのユーザーが手に取りやすいクロスプラットフォーム展開を訴求するでしょう。

この健全な競争は、レースゲーム市場全体の活性化に繋がります。また、私たちプレイヤーにとっても、より多様で魅力的な選択肢が生まれるという歓迎すべき状況をもたらす可能性を秘めています。今後の両社の動向から目が離せません。

「マリオカートワールド」は2025年6月5日(木)にNintendo Switch 2のローンチソフトとして発売します。「ソニックレーシング クロスワールド」の発売日は発表されていませんが、PlayStation5、PlayStation4、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、PC(Steam、Epic Games Store)に対応し2025年内に発売予定です。

情報元:TheGamer

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