
EVO 2025でサプライズ公開された、龍が如くスタジオ開発の「バーチャファイター」最新作。初公開となったアキラVSステラのゲームプレイ映像から明らかになった、リアルな格闘武術表現へのこだわりを解説します。開発経緯を振り返りつつ、東京ゲームショウ2025で明かされる今後の展開も展望。
新生「バーチャファイター」ゲームプレイ映像が公開
2025年8月、世界最大級の格闘ゲームの祭典「EVO 2025」の決勝で、セガが開発中の「バーチャファイター」シリーズ最新作の映像がサプライズ公開され、世界中のファンと業界関係者を驚かせました。
公開された約1分間の映像には、ゲーム内での格闘シーンが収められています。開発を手がけるのは、『龍が如く』シリーズでおなじみの『龍が如くスタジオ』。その技術が次世代の「バーチャファイター」にどう活かされるのか、大きな注目が集まっています。
リアルさを追求した戦闘表現
今回公開された「『New VIRTUA FIGHTER Project』対戦バトルプレイ First Look」と題されたトレーラーには、シリーズを象徴する結城晶(アキラ)と新キャラクター「ステラ」が、トレーニングステージで攻防を繰り広げる様子が収められています。
際立っているのは、徹底したリアリティへのこだわりです。映像は体力ゲージなどの画面表示(HUD)やBGMを排し、聞こえるのは拳が風を切る音、的確な打撃音、そしてキャラクターの息遣いのみ。派手なエフェクトで魅せる多くの格闘ゲームとは対照的に、リアルな武術の応酬というシリーズの原点を、現代の技術で深く追求していることがうかがえます。
このこだわりは、「龍が如くスタジオ」が培ってきた表現力によって、一つ一つのモーションが極めて滑らかかつ自然に表現されています。攻撃が当たった際の反応には確かな「痛み」と「重さ」が感じられ、制作チームの、リアルな格闘表現への強い意志がうかがえます。
戦いの決着場面では、最後の一撃を受けた箇所がクローズアップされる演出も確認でき、勝敗を決する瞬間を強調する新たな表現手法も導入されています。
これまでの経緯と今後の展開
この新しい「バーチャファイター」プロジェクトは、2024年11月にその存在が示唆された後、同年12月の「The Game Awards 2024」で、「龍が如くスタジオ」による開発が正式に発表されました。発表直後には「Virtua Fighter Direct」も開催され、プロジェクトの概要が明かされています。
続く2025年1月には、CES 2025のNVIDIA基調講演で「開発初期のエンジン映像」が公開されましたが、これはコンセプトを示すもので、実際のゲームプレイではないことが明記されていました。
今回のゲームプレイ映像の公開は、プロジェクトが着実に前進していることを示すものです。セガは「東京ゲームショウ2025」(9月25日~28日、幕張メッセ)にて、さらなる詳細を発表すると明言しています。この場で、正式タイトルや対応プラットフォーム、発売時期などの情報が明かされると思われます。
シリーズの現在と未来を繋ぐ布石
新作の登場には開発時間を要するため、バーチャファンの熱意を維持すべく、旧作をアップデートした「Virtua Fighter 5 R.E.V.O.」が展開されます。
本作は、2025年1月にPC(Steam)で先行リリースされた「Virtua Fighter 5 Ultimate Showdown」をベースに、4K対応、ロールバックネットコードの実装、ゲームバランスの再調整など、多岐にわたる強化が施されています。
さらに、「Virtua Fighter 5 R.E.V.O. World Stage」を2025年10月30日に発売します。対応機種はPS5、Xbox Series X|S、PC(Steam)で、Nintendo Switch 2版も後日発売予定です。
本作の目玉は、1人用の新モード「World Stage」です。実在の有名プレイヤーと対戦できるほか、待望のロールバックネットコードと、プラットフォームの垣根を越えたクロスプレイに対応。世界中のプレイヤーと快適なオンライン対戦を楽しめます。充実したトレーニングモードやリプレイ機能も搭載しています。
また、2025年9月上旬には、PS5、Xbox Series X|S、PC(Steam)を対象としたクローズドβテストの開催も予定されています。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
https://virtua-fighter.com/revo/jp/
格闘ゲーム市場が新たな盛り上がりを見せるなか、リアル志向の『バーチャファイター』は、『龍が如くスタジオ』という強力なパートナーを得て、どのような進化を遂げるのか。今後の展開に期待が高まります。