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「METAL GEAR SOLID Δ」 開発陣、 敬意と革新で挑む〝継承〟という使命

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2025年8月28日発売「METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER」。生みの親である小島秀夫監督はプレイしないと語る一方、開発チームは原作へ最大限の敬意を表明しています。本作は単なるリメイクではなく、Unreal Engine 5による革新を加えつつ、シリーズの魂を次世代へ〝継承〟するという大きな使命を担う作品です。

コナミの伝説的シリーズ「メタルギアソリッド」が、待望のリメイク作「METAL GEAR SOLID Δ: SNAKE EATER」(メタルギア ソリッド デルタ スネークイーター、以下、MGSΔ)として蘇ります。開発は、Konami Digital Entertainment が主体となり、シンガポールのVirtuos社がサポート開発として参加。さらに、PlatinumGamesが特定モード「Guy Savage」の開発を担当しています。

しかしこのリメイクには、シリーズの生みの親である小島秀夫監督が関わっていないという、業界の注目を集める大きな側面があります。小島監督自らがプレイの意向がないと公言する中、開発チームは原作への深い敬意と、シリーズの未来に向けた静かな情熱を語りました。

小島監督へのリスペクトと開発チームの想い

小島監督は、ファッションメディア誌「SSENSE」のインタビューで、本作をプレイするかと問われ「いや、しないよ」と笑いながら明言しました。これは2015年にコナミを退社し、自身のキャリアを象徴するシリーズと袂を分かった、現在の彼の姿勢がうかがえる発言です。

この発言に対し、「MGSΔ」のプロデューサー岡村憲明氏は、海外メディア「Inverse」のインタビューで、冷静かつ真摯にこう答えています。「彼(小島監督)がどうしたいかは分かりませんが、私たちはかつて共に働いたすべての人々へ敬意を払い、このゲームを届けたいと思っています」と述べ、さらに「(小島監督にも)ぜひ見ていただきたいです」と付け加えました。この言葉からは、クリエイター間の対立ではなく、偉大なオリジナル版への純粋なリスペクトが感じられます。

開発チームにとって本作は、単なるリメイクに留まらず、かつての仲間たちが築いた金字塔への敬意を示すものでもあります。その姿勢は、オリジナル版の開発に携わった岡村氏や是角有二氏といったスタッフを起用している点からも明らかです。

新世代への「レガシーの〝継承〟」という使命

開発チームには、シリーズの遺産を新世代へ継承するという、もう一つの大きな目標があります。オリジナル版の発売から20年が経ち、若い世代には「メタルギアソリッド」を知らない層も増えていると岡村氏は指摘します。「Fortnite」や「大乱闘スマッシュブラザーズ」といった他作品へのゲスト出演でソリッド・スネークの知名度は保たれているものの、シリーズ本来の魅力を伝えるには、やはり本編の体験が不可欠です。

そのために「MGSΔ」が取ったアプローチは、大胆かつ慎重なものでした。開発エンジンにUnreal Engine 5を採用し、グラフィックを現世代機の水準まで引き上げる一方で、レベルデザイン、アニメーション、音声はオリジナル版を完全に踏襲しています。これは、「原作がいかに優れていたかを、大きく変えずに示す」という開発思想の表れです。

岡村氏の「オリジナルのコンセプトを変えなくても、ゲームには多くの魅力と感情が残っていた。20年以上前のゲームでも、まだまだ提供できるものがたくさんあった」という言葉は、オリジナル版がいかに時代を超えて完成されていたかを物語っています。

現代化と原作尊重の絶妙なバランス

もちろん、本作は単なる移植ではありません。メニューを開かずにカモフラージュを変更できたり、肩越し視点のカメラを追加して戦闘をより現代的な操作感にしたりと、プレイ体験を向上させるための改善が施されています。こうした改良は、かつての操作方法に慣れていない若いプレイヤーにとって特に重要です。

さらに注目すべきは、オリジナル版の操作感を体験できる「レガシースタイル」の実装です。クリエイティブプロデューサーの是角有二氏は、「以前の感覚でも楽しめるよう、ゲームモードをレガシースタイルにするとオリジナル版に近いカメラアングルに変更できるようにしています」と説明します。

是角氏はさらに、まず新しいスタイルで遊び、クリア後にレガシースタイルを再プレイすることで、ゲームの歴史や進化を感じてほしいと語ります。「既存のファンだけでなく、新しいプレイヤーにも新旧のスタイルの違いを体験してもらいたいと考え、実装しました」という言葉からは、単なる懐古主義ではなく、ゲームデザインの変遷を学ぶ「生きた教材」としての役割も視野に入れた、深い設計思想が感じられます。

「MGSΔ」の成功が占うシリーズの未来

開発チームは、「MGSΔ」が成功すれば、リメイクの続編や完全新作といった、シリーズの今後の展開も検討したいと意欲を示しています。岡村氏は「私たちは常に『メタルギア』のために何ができるかを考えています。ファンがもっと見たいと感じてくれるなら、将来的にさまざまな可能性を検討したいです」と語ります。

本作は、不朽の名作を現代に蘇らせる挑戦です。それと同時に、小島監督というカリスマが不在の今、「メタルギアソリッド」というIPが輝き続けられるかを占う、重要な試金石でもあります。

Konami Digital EntertainmentとVirtuos社が目指す、原作に忠実な再現と現代的な改良のバランス。それが長年のファンを満足させ、新たなファンを獲得し、シリーズの未来へとつながる架け橋となるのか。その答えは、2025年8月28日、PlayStation 5、Xbox Series X|S、PC版のリリースをもって明らかになります。

情報元:Inverse

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