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ソニー新作「Fairgame$」から、またも中核開発者が離脱

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ソニーのライブサービス戦略に再び黄信号です。開発中の新作「Fairgame$」から、中心人物であるクリエイティブディレクターが離脱したことが判明しました。スタジオCEOの退社に続く主要メンバーの離脱は、プロジェクトの難航を強く示唆します。「Concord」の失敗で揺れる中、ソニーはこの苦境をどう乗り越えるのでしょうか。

ライブサービス戦略に再び暗雲

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が次世代の成長戦略の柱に据えるライブサービスゲーム事業。ここに今、再び深刻な懸念が浮上しています。明らかになったのは、同社傘下のHaven Studiosが開発を手掛ける新作シューター「Fairgame$」から、中心人物であるクリエイティブディレクター、ダニエル・ドラポー氏が開発の最中に退社したという事実です。

「Fairgame$」、開発者が相次ぎ離脱

ドラポー氏は自身のLinkedInプロフィールを更新し、2025年8月付でWarner Bros. Games Montrealへクリエイティブディレクターとして移籍したと公表しました。彼は2021年のHaven Studios設立当初からのメンバーで、在籍期間は約4.5年に及びます。「シャドウ オブ ザ トゥームレイダー」のゲームプレイディレクターや、「レインボーシックス シージ」のリードデザイナーを歴任したベテランが、「Fairgame$」プロジェクトの中核を担っていました。

この事態が深刻なのは、主要メンバーの離脱がこれが初めてではないからです。記憶に新しい2024年5月には、スタジオCEOのジェイド・レイモンド氏も退社しており、経営と開発のトップが立て続けにプロジェクトを離れるという異例の事態となっています。

「Fairgame$」の開発が難航していることは、以前から複数のメディアで報じられていました。一部で実施された非公開のプリアルファテストでは、参加者から「動作が重く完成度が低い」「汎用的で特色がない」といった厳しいフィードバックが寄せられたとされています。抽出系シューターとバトルロイヤルゲームの要素を融合させようという試みは、現段階では、独自の魅力を確立するまでに至っていないのかもしれません。

岐路に立つライブサービス戦略

この一連の動きは、ソニーのライブサービス戦略全体が重要な岐路に立たされていることを示唆しています。2026年までに数タイトルをリリースするという野心的な計画は、「HELLDIVERS 2」という輝かしい成功例を生んだ一方で、数々の困難にも直面しています。

中でも最も深刻な打撃は、マルチプレイヤーシューター「Concord」の商業的な失敗でしょう。鳴り物入りで市場に投入されたこのタイトルは、残念ながらプレイヤーの支持を得られず、発売からわずか数週間でのサービス終了、そして開発スタジオの閉鎖という結末を迎えました。

計画の遅延はそれだけにとどまりません。Bungieの新作「Marathon」も開発上の問題から2026年以降へのリリース延期を余儀なくされるなど、想定外の事態が続いています。加えて、「Destiny 2」の最新拡張パック「運命の境界(The Edge of Fate)」のエンゲージメント数値も期待を下回ったと報告されており、同社のライブサービス事業全体に漂う暗雲は、ますます濃くなっているのが現状です。

不透明な「Fairgame$」の今後

主要開発者の相次ぐ離脱とプロジェクトの難航を受け、「Fairgame$」の将来には、不透明感ばかりが漂います。業界関係者からは、この開発状況を「Concord」の軌跡と重ね合わせ、懸念する声も上がっています。

ソニーは「Concord」の失敗を大きな教訓としたのでしょう。ライブサービスタイトルが不調に終わった際の損失を最小限に抑えるため、すでに方針転換を図ったと報じられています。そのため、今後のプロジェクト承認や投資判断は、これまで以上に慎重になるはずと考えられます。

「Fairgame$」の開発は今なお継続され、2026年のリリースが待たれますが、今回の主要スタッフ離脱がスケジュールや最終的な品質に与える影響は計り知れません。今後は、延期された「Marathon」の立て直しや、未だ発表されていない他のライブサービスタイトルが、同社の戦略の真価を問う目安となるでしょう。

情報元:GameRant

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