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「FFT イヴァリース クロニクルズ」 ─ リマスター成功が続編への鍵

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2025年9月30日発売「ファイナルファンタジータクティクス イヴァリース クロニクルズ」。本作の売上が、待望のシリーズ続編や「タクティクスアドバンス」リマスター実現の鍵を握ると前廣和豊ディレクターが明言。松野泰己氏復帰の意義からゲームシステムの改善点まで、開発者が語る全貌に迫ります。

ファンも初心者も楽しめるリマスター

「ファイナルファンタジータクティクス」(以下、FFT)は、1997年に発売されたタクティカルRPGの金字塔です。イヴァリースを舞台に、ラムザ・ベオルブとディリータ・ヒュウラルの物語が、緻密なストーリーと戦略的なバトルとともに描かれます。

その決定版となるリマスター「ファイナルファンタジータクティクス イヴァリース クロニクルズ」(以下、FFT:IC)が、2025年9月30日に発売(Steam版は10月1日)。本作は、フルボイスや難易度調整といった新要素を追加し、コアファンも新規プレイヤーも楽しめるよう進化しました。ディレクターの前廣和豊氏は、海外メディアInverseのインタビューで「本作の売上が好調なら、続編や『タクティクスアドバンス』のリマスターへの道が開ける可能性がある」と示唆しました。

松野泰己氏がもたらす深化

本作の注目点は、原作の脚本・ディレクターである松野泰己氏の復帰です。松野氏はPSP版「獅子戦争」(2007年)には関与していませんでしたが、今回はフリーランスとして参加。「獅子戦争」のシェイクスピア調の台詞を基盤に、物語のドラマ性や感情表現を強化しました。たとえば、ラムザとディリータの対話シーンに新たな台詞が追加され、感情の機微がより鮮明になりました。

本作は2つのモードを用意。クラシック版では「獅子戦争」の脚本をそのまま再現し、エンハンス版では松野氏が編集した完全版を楽しめます。

「エンハンスド」と「クラシック」それぞれの特徴について

原作の魂を継承したビジュアル

FFT:ICの開発は、オリジナル版のソースコードが失われていたため、ゼロからの再構築という困難を伴いました。ファンが運営する攻略サイトやYouTube動画を参考に、開発チームは原作の魅力を忠実に再現。特に、ピクセルアートで描かれたキャラクターと、斜め上から見下ろす3D等角投影マップ(アイソメトリック視点)の組み合わせは、FFTの「絵本のような」ビジュアルの魂とされています。

アートディレクターの皆川裕史氏は、「HD-2Dや3Dレンダリングも検討したが、原作の美学を損なう恐れがあったため、ピクセルアートを最新技術で磨き上げた」と語ります。茶色を基調としたイヴァリースのカラーパレットも継承され、FFXIIや「タクティクスアドバンス」との世界観の統一を強化しています。

初心者も熟練者も楽しめる難易度

FFT:ICはアクセシビリティを大幅に向上させ、幅広いプレイヤーに対応。最大の特徴は、3段階の難易度設定です。どのモードを選択しても、物語に差は生じません:

  • カジュアル:初心者向けで、敵の数や強さが軽減。難所が簡略化し、気軽に楽しめる。
  • スタンダード:オリジナル版や「獅子戦争」のバランスを再現し、適度な緊張感を提供。
  • タクティカル:熟練者向けで、オリジナル版の戦略性をそのまま維持。

前廣氏は「オリジナル版では難所がストーリー進行を妨げていた。タクティカルRPGの楽しさを多くの人に届けたい」と説明。戦闘のリトライ機能や連続戦闘からの離脱機能も追加され、遊びやすさが向上しています。

クラウドの使い勝手が大幅改善

ゲストキャラクターのクラウド(FFVII)は、オリジナル版では加入が遅く(第4章後半)、レベル1でマテリアブレードを持たないため使いづらいという欠点がありました。FFT:ICでは、加入時にマテリアブレードを装備し、ステータスも強化。「獅子戦争」準拠の第4章後半で加入し、フルボイスで登場します。「クラウドを活躍させたいというファンの声に応えた」と前廣氏は語ります。

イヴァリースの世界観とTRPGの進化

イヴァリースは、FFTやFFXII、「タクティクスアドバンス」で共有される中世ファンタジー世界。松野氏の設定と吉田明彦氏のキャラクターデザイン、皆川氏のグラフィックが織りなす茶色基調のビジュアルが特徴です。皆川氏は「イヴァリースの統一感は、開発チームのコラボレーションから生まれた」と振り返ります。

近年、「Triangle Strategy」や「Tactics Ogre Reborn」の成功により、タクティカルRPGが再評価されています。前廣氏は「ハードウェアの進化とともに、戦略RPGも進化してきた。思考を巡らせて勝利する楽しさは不変」と楽観的な見方を示します。FFT:ICは、このジャンルの潮流に乗る作品として期待されています。

シリーズの未来を占う試金石

前廣氏は「タクティカルRPGはニッチだが、一度プレイすればその魅力にハマる」と語り、FFT:ICの成功がシリーズの未来を左右すると強調。「売上が好調なら、『タクティクスアドバンス』や『A2 封穴のグリモア』のリマスター、さらには新作への道が開ける」と述べています。

2008年の「A2 封穴のグリモア」以来、沈黙を続けてきたFFTシリーズ。ファン待望のリマスターであるFFT:ICは、Nintendo Switch 2/Nintendo Switch/PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Steamで2025年9月30日発売(Steam版は10月1日)。その成功が、イヴァリースの新たな物語への扉を開く鍵となるでしょう。

情報元:Inverse公式サイト

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