
海外メディアが報じたゲームフリークの内部文書流出。これにより、ポケモンシリーズの2030年までの新作ロードマップが明らかになりました。しかし、今回のリークは未来のゲーム情報に留まらず、業界が注目する開発予算の制約や、長年にわたるディレクター交代といった内部課題も浮き彫りにしています。
世界的に人気を誇る「ポケットモンスター」シリーズの開発元・株式会社ゲームフリークに関し、2024年10月に大規模な情報流出があったと海外報道で伝えられています。内部文書とされるファイルには、2030年までのプロジェクト計画や予算に関する情報が含まれていたとされています。本稿では、複数の海外ゲームメディアによる報道をもとに、現時点で把握されている動向を整理します。
注:本記事は海外メディアによる報道および第三者の解析情報を基に構成されたものであり、株式会社ゲームフリークおよび株式会社ポケモン、任天堂の公式発表ではありません。情報の真偽は確認されておらず、報じられている内容は今後変更される可能性があります。
2030年までに予定された開発ロードマップ
海外報道によると、流出資料には第10世代に位置づけられる完全新作の開発計画が記されていたとされています。コードネーム「Gaia」、仮称「Pokémon Wind and Waves」というタイトルが記されており、東南アジアをモチーフにした新地方を舞台とする構想が示されていたとのことです。
また、2027年にダウンロードコンテンツ(DLC)が予定されているほか、「ソード・シールド」のガラル地方を題材とした新作「Legends」シリーズ(コードネーム〝Ringo〟)が開発中であると報じられています。さらに、複数地方を統合した大型タイトル「Project Seed」、2030年を目標とする第11世代の構想も文書内に見られたとされています。
これらの情報はいずれも未確認のものであり、実際の製品計画やスケジュールとは異なる可能性があります。
ポケモン開発予算と投資動向
流出情報の中でも注目を集めたのは開発予算の記載でした。
2025年10月16日に発売されたNintendo Switch・Nintendo Switch 2専用「Pokémon LEGENDS Z-A」の予算が約20億円、第10世代「Wind and Waves」が約30億円とされており、過去作品と比べて大幅な増額が見られると伝えられています。
一方で、「スカーレット・バイオレット」のDLC「碧の仮面」「藍の円盤」も相当な制作費を投入していたと分析されています。
日本と欧米での人件費や開発体制の違いを考慮すると、海外スタジオに比べて日本の開発費は一般的に低水準と指摘されることが多く、報道では「世界的IPに見合う技術投資が必要ではないか」という声も上がっています。
特に次世代では新エンジン採用の可能性があるとされ、技術的刷新への期待が高まっています。
なお、これらの金額については公式確認がなく、報道段階の推測を含む情報である点にご注意ください。
ゲームフリーク開発体制の世代交代
報道によれば、リーク資料にはゲームフリーク内部の組織運営に関する記述も含まれていたとされます。
1990年代から同社で長年中心的役割を担ってきた増田順一氏が「X・Y」開発期以降に本編ディレクターから退いた経緯、従来の権限集中体制に対する見直しが議論されていた点などが記録されていたとのことです。
この点に関しては部分的に事実と一致し、増田氏は2022年に公式発表として株式会社ポケモンのチーフ・クリエイティブ・フェローへ就任しています。
また、「ソード・シールド」「スカーレット・バイオレット」を手掛けた大森滋氏の役割変化についての記述もあるものの、社外から確認できる一次情報は存在しません。よって実際の組織構造の変化については未確認です。
26年以上、限られた少数のリーダーが主導してきた開発体制のなかで、世代交代が進行していることは確かですが、その内容や進行度合いは現時点では推測の域を出ません。
報道で浮上した未実現プロジェクト群
流出資料の概要として、実現しなかった企画群も報じられています。
- 「ソード・シールド」開発時に検討されたとされる〝ニドキングのキョダイマックス形態〟
- 「PokéWalker」の現代版スマートフォン連動アプリ構想
- 「チーム・スター」(スカーレット・バイオレット)初期案での成人集団設定や多様な乗物案
- 未実現に終わった「Legends: ホウオウ / ルギア」2作構想
また、「ブラック・ホワイト」リメイクに関する記載も一部あったとされますが、少なくとも現段階では開発リスト上にはないと伝えられています。
組織改革の意義とシリーズ転換の可能性
これら一連の報道は、世界的IP「ポケモン」が直面する構造的課題を浮き彫りにしています。
長期安定の開発体制はブランドの一貫性を保つ利点がある一方、技術革新や意思決定のスピード低下を招く側面も指摘されてきました。
もし報道の通り体制見直しが進行しているのだとすれば、それはシリーズの変革期における自然な流れともいえます。
特に第10世代での新エンジン導入が実現すれば、ビジュアルやパフォーマンス改善に直結する可能性があります。
ただし、現段階で具体的な成果や方向性は公表されていないため、ファンとしては今後の公式発表を待つほかありません。
なお、ゲームフリークは2024年10月10日前後に、サーバーへの不正アクセスに関する調査を行っていると報じられていますが、今回のリークと直接の関連があるかどうかについては公式には明言されていません。
注:本記事は第三者報道およびリークとされる情報を基に構成されたものであり、記載された内容の正確性を保証するものではありません。公式の発表内容と矛盾が生じる場合、公式情報を優先してご参照ください。