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「ゴッド・オブ・ウォー」幻のマルチプレイ : リーク画像が示す古代ギリシャの世界

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開発中止となった「ゴッド・オブ・ウォー マルチプレイ」の未公開スクリーンショットが流出。幻と消えた古代ギリシャの世界観、冥王ハーデスの役割、そして開発中止に至った背景を深掘りします。さらに、開発を担当したBluepoint Gamesの次作として、初代リメイクへの期待が高まっています。

幻のプロジェクト、その一端が明らかに

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の代表作「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズ。その水面下で進められていた未発表のマルチプレイプロジェクトの存在が、ゲームメディアMp1stが公開した開発中のスクリーンショットにより明らかになりました。開発を担当していたのは、「ワンダと巨像」や「デモンズソウル」のリメイクで高い評価を受けたBluepoint Gamesです。

今回流出した初期スクリーンショットは、この中止プロジェクトがどのような方向性を目指していたかを示しています。最も注目すべきは、舞台がシリーズ原点である古代ギリシャに回帰していた点です。「ゴッド・オブ・ウォー」がギリシャ神話の舞台を離れたのは2013年の「ゴッド・オブ・ウォー: アセンション」以来であり、実現していれば実に12年ぶりの原点回帰となる予定でした。

リーク画像が明かす「幻のギリシャ」

Mp1stが公開した画像には、ギリシャ様式の神殿や洞窟、硫黄が立ち込める黄色い泉など、多様な環境が確認されます。古典的な建築や時代性を意識した小物から、開発チームが古代ギリシャの世界観構築に力を入れていたことがうかがえます。背景の多くは、複数人での共闘や対戦を前提とした広い空間として設計されているようです。

スクリーンショットには仮面を持つ女性像や武具を構える兵士像など神話的要素が見られる一方、2018年の「ゴッド・オブ・ウォー」や「ラグナロク」を思わせる北欧的デザインも取り入れられています。スパルタ兵を思わせる戦士の姿がエインヘリャル(北欧神話の戦士)を連想させるように、異なる神話を融合させる構想があった可能性もあります。

注目すべき要素のひとつが、数々の武器や盾が並ぶ「武具庫」の存在です。情報筋によると、冥界の神ハーデスが物語の主要人物として設定され、このエリアの主であったとされています。ハーデスが存命という設定から、このゲームの時系列は「ゴッド・オブ・ウォーIII」で描かれた神々との最終戦以前だったと考えられます。ただし、本作はシリーズ正史とは独立した世界観を持つ構想だった可能性も残っています。

システム面を示唆する画像では、「呪い」によって赤く腐食した武具庫の様子や、キャラクターと硫黄泉のサイズ比較が見られ、環境がゲームプレイに直接影響を与える仕組みが想定されていたようです。これらから、神話世界を複数プレイヤーで探索し、協力して仕掛けを攻略するオンライン志向の設計がうかがえます。

中止に至った経緯:SIEの戦略転換

このように野心的な構想を持ちながら、なぜ開発は中止に至ったのでしょうか。背景には、近年のゲーム市場動向とSIEの事業戦略の変化があります。SIEは一時期、継続収益が見込まれる「ライブサービス型ゲーム」への投資を強化していましたが、市場の飽和やユーザー評価の低下も見られました。

2025年1月、SIEは複数のライブサービス系プロジェクトを再評価し、本作もその見直し対象になったと見られています。特に2024年にリリースされた「Concord」はローンチ後わずか数週間でサービス終了を迎えており、ライブサービス事業の課題を象徴する事例となりました。報道では、ゲーム内容への明確な差別化不足や報酬バランスへの不満が評価に響いたとされています

同時期にはSIE傘下のBend Studioによる新規IPオンラインタイトルの中止も決まりました。一方で、SIEは両スタジオの活動継続を明言しており、「BluepointとBendはいずれもPlayStation Studiosの重要なメンバーであり、今後も支援を継続する」とコメントしています。

新たなる期待は「初代リメイク」へ

この幻のプロジェクトの存在が明らかになったことで、ファンの興味はBluepoint Gamesの次回タイトルへと向かっています。同スタジオは求人情報から「三人称視点の近接戦闘アクション」を開発中と見られ、正式発表に先立ち多くの憶測が交わされています。

特に関心を集めているのが、シリーズ原点である初代「ゴッド・オブ・ウォー」のリメイクです。Bluepointは過去にも「ワンダと巨像」や「デモンズソウル」を手掛け、オリジナル体験の再現と現代技術の融合で高い信頼を獲得してきました。Bluepointは自社を「原作への敬意を持ち、体験を再構築するスタジオ」と位置づけており、リメイクとの相性の良さが際立っています。

中止されたマルチプレイ版で培われた古代ギリシャの美術資産や環境デザインのノウハウは、初代リメイクに流用可能と考えられます。ギリシャ神殿や武具のアセットを再利用できれば、開発効率を高めつつ品質も確保できるでしょう。長年ファンが夢見た「原点回帰」をBluepointが担う期待が今、再び高まっています。

また、「ゴッド・オブ・ウォー」シリーズの展開はこれだけにとどまりません。Amazon Prime Videoでの実写化が進行中で、2026年には撮影開始が予定されているほか、古代ギリシャを舞台にした2.5Dスタイルの新作も噂されています。さらに、主人公クレイトス役の声優が次回作の舞台にエジプト神話を望むと公言するなど、シリーズの未来には多くの可能性が満ちています。

情報元・イメージ:Mp1st

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