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「ARC Raiders」販売700万本目前 ─ 好調の要因と2025年の展望

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Embark Studiosの最新作、PvPvEシューター「ARC Raiders」が累計700万本の大台に迫る記録的セールスを達成。Steam単独でも400万本を突破した本作は、基本プレイ無料から買い切り型への転換を経て発売されました。激化する2025年市場における立ち位置と今後の展望を検証します。

累計700万本に迫る驚異的な急成長

Embark Studiosが開発し、Nexonがパブリッシングを手掛ける最新のサードパーソン・エクストラクションシューター「ARC Raiders」は、2025年10月30日の発売以降、目覚ましい商業的成功を収めています。

Nexonは先週、本作の全プラットフォーム合計の累計販売本数が公式に400万本を突破したと発表しました。リリースから短期間でのこの数字は、本作が2025年のビデオゲーム業界において最も成功したローンチタイトルの一つであることを裏付けています。

さらに、市場分析会社Alinea Analyticsの最新データによれば、本作の販売勢いは公式発表を上回るペースで加速しており、全プラットフォーム累計で700万本に迫っていると推定されています。同社の報告では、Steam単独での販売本数だけでも400万本に達していると見られ、市場調査会社Newzooの10月レポートでもMAU(月間アクティブユーザー数)と収益でトップ20入りを果たすなど、その勢いは一過性のものではないことが示されています。

「有料化」への転換が生んだ勝機

「ARC Raiders」の商業的成功の背景には、開発過程におけるビジネスモデルの大きな転換がありました。当初、本作は基本プレイ無料(F2P)の協力型PvEタイトルとして発表されましたが、その後、スタンダードエディションで39.99ドルの有料(バイ・トゥ・プレイ)PvPvEタイトルへと再設計されました。

F2P全盛のライブサービス市場において、あえて有料モデルを選択したこの決断は、製品の品質に対する信頼感を醸成し、結果としてコアゲーマー層への訴求力を高めることに成功しました。Alinea Analyticsのレポートでは、本作以外にもインディータイトルが好調であることが報告されており、2025年の市場において、独自の価値を提供するタイトルが強く支持される傾向が見て取れます。

没入感を高める独自の世界観

本作の舞台は、謎の機械生命体「ARC」の軌道上からの侵略により壊滅的な打撃を受けた未来の地球です。物語は特にイタリア沿岸部の景観をフィーチャーしており、生き残った人類は地下都市「トレド」のスペランツァ地区に避難しています。プレイヤーは「レイダー」となり、生存に必要な物資や、地上から姿を消したエリート層の謎を求めて地上への遠征を行います。

視覚的な特徴として、冷戦時代のアナログ技術と高度なロボット工学を融合させた「レトロフューチャー」なデザインが採用されています。霧に包まれた廃墟、ネオンの光、そしてシンセサイザー主体のサウンドスケープが、既存のミリタリーシューターとは一線を画す、叙情的かつ不穏な独自の雰囲気を構築しています。

緊張と報酬が交錯する脱出体験

「ARC Raiders」のコアとなるゲームプレイは、探索、略奪、そして脱出(エクストラクション)の緊張感あるサイクルにあります。プレイヤーはソロ、または最大3人の分隊を組み、圧倒的な物量で迫るARCマシンの脅威に加え、同じく希少な資源を狙う他プレイヤーとのPvP戦にも備えなければなりません。

各ミッションは約30分の制限時間内に完了する必要があり、特に「脱出方法」の選択が戦略の鍵を握ります。エレベーター、地下鉄駅、あるいは特定のキーを要するハッチなど、それぞれリスクとリターンの異なる脱出ルートが用意されています。失敗すれば獲得したアイテムをすべて失うというリスクと、成功時の大きな報酬。このバランスが、エクストラクションシューター特有の中毒的なプレイ体験を生み出しています。

メディアが称賛する戦術的奥深さ

メディア評価も高く、WccftechのKai Tatsumoto氏は本作に10点満点中9点を付け、「『ARC Raiders』は成長を続けるルート&スクート(ルートを得て速やかに退避する)ジャンルの新たな金字塔」と称賛しました。初期装備の脆弱さが序盤の難易度を上げる一方、分隊戦術の確立で本作の真価が発揮され、最新マップ「Stella Montis」の追加で心理戦の要素が深化した点も高く評価されています。

成長を加速させる2025年ロードマップ

ライブサービス型ゲームにおいて、ローンチ成功はあくまで第一歩です。Embark Studiosは11月の「North Line」アップデートで新マップ「Stella Montis」や新敵を実装し、12月には積雪追加や新イベント「Cold Snap」アップデートを予定しています。

特に注目されるのは、12月導入の「Departure Window」システム。これはプレイヤーの進行状況を任意にリセット可能とし、ゲーム内経済の健全化と熟練者の新たな挑戦意欲を喚起する意欲的な試みです。1年目以降も長期的に愛されるための戦略が明確に示されています。

長期的な成功を左右する運営力

前作「The Finals」でもアグレッシブな運営を見せたEmbark Studiosは、「ARC Raiders」においても大規模かつ一貫したコンテンツ更新を続けており、市場の激しい競争環境のなかで同作が一層の存在感を放つ鍵は〝運営の一貫性〟にあります。大規模なコンテンツ追加とゲームサイクルの刷新を持続できれば、「ARC Raiders」はエクストラクションシューターをメインストリームに押し上げる牽引役となるでしょう。

累計700万本は通過点にすぎず、1年後のタイトルの地位形成に世界の注目が集まっています。

「ARC Raiders」は、スタンダード版及びデラックス版を、PlayStation® 5、Xbox Series X|S、Steam、Epic Games Store、並びにクラウドストリーミングサービスNVIDIA® GeForce NOWにて、ダウンロード販売中です。

情報元:wccftechEurogamer

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