
PSストアでの予期せぬ画像流出により、最新作「バイオハザード レクイエム」へのレオン・S・ケネディ参戦が極めて濃厚となりました。これまで噂を「フェイクニュース」と強く否定してきた開発陣の真意はどこにあったのか。 公式プラットフォームが示した新事実と、カプコンが仕掛けたサプライズ戦略の意図とは?
カプコンが2026年2月27日に発売を予定しているサバイバルホラーシリーズ最新作「バイオハザード レクイエム(Resident Evil Requiem)」。本作において、シリーズ屈指の人気キャラクター、レオン・S・ケネディの登場がほぼ確実になったと見る向きが強まっています。
発端はPlayStation Store(以下、PS Store)における表示トラブルと見られる事象です。未公開のキーアートが早期に表示された事実を複数の海外メディアが報じており、これまで開発陣が「フェイクニュース」として否定してきた情報を、公式プラットフォーム上の挙動が裏付ける形となりました。
PSストアでの画像流出と経緯
Video Games Chronicle等の報道によると、この情報はPS Storeで本作のスタンダードエディション(ダウンロード版)を予約注文したユーザーからの報告によって発覚しました。PS5のプレダウンロード設定画面において、これまで伏せられていた新たなアイコン画像が表示されたとのことです。
流出した画像には、本作の主人公であるFBI捜査官グレース・アッシュクロフト(Grace Ashcroft)の背後に、大きくレオン・S・ケネディの姿が描かれています。その容姿は以前よりも年齢を重ね、無精髭を蓄えているほか、顔には深い皺が刻まれるなど、明らかな疲労感が漂っています。これまでのシリーズ作品とは異なる時間の経過と、彼がくぐり抜けてきた過酷な経験を示唆するビジュアルと言えるでしょう。

また、同画面上の記述により、プレダウンロード開始日が発売予定日の2日前となる2026年2月25日に設定されていたことも確認されました。これらはアセット管理かストア側の設定に何らかの不備が生じた結果、予定よりも早いタイミングで重要情報が露見してしまったものと見られています。
開発陣の否定発言とサプライズ戦略の裏側
今回のリークは、カプコンがこれまで展開してきたPR戦略と大きく矛盾するものです。「バイオハザード レクイエム」の発表以降、レオンの登場に関する噂は絶えず囁かれていましたが、プロデューサーの熊澤真人氏はそれらを「フェイクニュース」として一蹴し、AIによる偽画像の可能性さえ示唆していました。
また、ディレクターの中西晃史氏も、これまでのインタビュー等で本作が「ホラー」への回帰を重視している点に触れ、「百戦錬磨のエージェントであるレオンは、恐怖を描く対象として不適格である(誰もレオンが怯える姿は見たくない)」といった趣旨の見解を示していました。
しかし、今回PS Storeという「公式」から極めて強い根拠となる素材が提示されたことで、こうした発言はサプライズ演出のためのミスリードや、徹底した情報統制の一環であったとの見方が大勢を占めつつあります。ファンの間でも、「あえて否定しておいてからの電撃発表」というPR上の仕掛けではないかという推測が広がっています。
レオンが完全なプレイアブルキャラクターとして登場するのか、あるいは「バイオハザード ヴィレッジ」におけるクリス・レッドフィールドのような限定的な役割なのかは現時点では定かではありません。とはいえ、ナンバリング作品(リメイクを除く)への登場は2012年の「バイオハザード6」以来、約14年ぶりであり、シリーズファンの期待値は非常に高い状態にあります。
なお、同日には海外小売店GameStopの記載から、前作関係者である「ローズマリー・ウィンターズ」の登場も噂されましたが、著名リーカーや専門家はこれについて懐疑的な見方を示しています。公式プラットフォームから流出した「レオン」の情報とは異なり、こちらは誤情報の可能性が高いと見られており、現時点では慎重に受け止めるべき情報と言えるでしょう。
レオンの役割とFPS視点の可能性
今月初旬に公開された初期戦闘映像では、主人公グレースが「バイオハザード4」を彷彿とさせるシステムで敵と対峙する様子が確認されています。本作は、デフォルトの一人称視点(FPS)に加え、設定で三人称視点(TPS)への切り替えが可能であることが既に発表されています。
一部の情報筋によれば、レオンのパートでは一人称視点が採用されるとの報告もあります。戦闘の専門家ではないグレースと歴戦の工作員であるレオンでは、アクセス可能なスキルや操作感覚に大きな差別化が図られる可能性があります。
グレース編では視点選択の自由度を残しつつ、レオン編では没入感を高める視点構成にするなど、それぞれのキャラクター体験の違いを強調する構成は、「ホラーへの回帰」という開発陣の方針とも矛盾しません。レオン自身は恐怖を感じなくとも、プレイヤーは彼の視点から別種の緊張感を味わえる可能性があるためです。
TGAでの正式発表と今後の展望
今回の画像流出を受け、カプコンは対応を迫られています。業界の通例として、こうした大規模なリーク直後には公式発表が前倒しされるケースが少なくありません。最も有力視されているのは、現地時間12月11日に開催される「The Game Awards 2025」での新トレーラー公開です(日本時間:12月12日9:30〜)。この場でレオン・S・ケネディの登場が正式にアナウンスされ、具体的な役割が明かされる可能性は高いと見られています。
プラットフォームはPlayStation 5、Xbox Series X/S、PCに加え、「Switch 2」への対応も予定されており、ハードウェアの垣根を超えた大規模な展開が期待される本作です。マーケティング上のアクシデントはありましたが、それによりファンの期待値が最高潮に達したことは間違いなく、今後の正式な続報に注目が集まっています。
情報元:VGC

