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Xbox新作のPS5展開が不統一なワケ ─ 開発リソースの限界と「共食い」回避の戦略

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2026年注目の「Fable」はPS5同日発売なのに、なぜ「Forza Horizon 6」は遅れるのでしょうか?Xbox責任者がその理由を激白。単なるスケジュールの都合だけではない、品質へのこだわりと市場での「共食い」を防ぐための戦略とは?Xboxが目指すマルチプラットフォームの最適解とは?

2026年、Xboxブランドは設立25周年の節目を迎えます。この記念すべき年に、Xbox Game Studios(XGS)は「Fable」および「Forza Horizon 6」という、同社を代表する2大タイトルを投入します。しかし、業界関係者の注目は、両タイトルが同じPlayground Gamesによって開発されているにもかかわらず、PlayStation 5(PS5)への展開手法が異なる点に集まっています。

「Fable」はXboxとPS5で同日に発売される一方、「Forza Horizon 6」のPS5版は後発となることが確定しました。なぜ、同じスタジオ、同じパブリッシャーでありながら、これほど明確な違いが生じるのでしょうか。XGS統括責任者Craig Duncan氏が語った内容からは、表面的な「戦略の違い」だけでなく、より現実的な開発現場の制約市場環境への配慮が浮かび上がってきます。

発売日の違いはなぜ生まれたのか

PS5版の発売スケジュール比較

  • Fable:2026年秋にXbox Series X|S / PC / PS5で同日発売
  • Forza Horizon 6:2026年5月15日にXbox Series X|S / PCで発売、PS5版は2026年後半以降

Duncan氏は一連のインタビューで、この違いについて率直に認めています。

ときどき、私たちは一貫性に欠けることがあります(Sometimes we are inconsistent)。あるゲームはある場所に、別のゲームは複数の場所に展開されます。これについては改善に取り組んでおり、より一貫性のある対応を目指しています」

Duncan氏が強調したのは、「一貫性の欠如」の背後にある開発の現実(Development realities)」です。これは単なる人手不足という意味ではなく、より複雑な要因を含んでいます。

開発リソースの現実的な制約

「移植」ではなく「最適化」へのこだわり

Duncan氏は、Xboxのマルチプラットフォーム展開における品質基準について次のように説明しています。

私たちのゲームがどこに登場するにせよ、そのプラットフォームで最高の状態であることを望んでいます。もしゲームをあるプラットフォームでリリースする立場にあっても、それが本当に良い形で登場しないのであれば、私たちはそれをしないと思います。[…] すべてが無限というわけではありません」

つまり、Xboxは単にコードを変換して動作させる「移植」ではなく、PS5固有の機能(ハプティックフィードバックや3Dオーディオ等)を活用した「最適化」を目指しています。この品質基準が、発売日の違いを生む一因となっています。

Playground Gamesの開発状況

2026年時点で、Playground Gamesは2つのAAA級タイトルを同時に開発している状況です:

  • Fable:長年待ち望まれたシリーズのリブート作品(オープンワールドRPG)
  • Forza Horizon 6:人気レーシングシリーズの最新作(オープンワールドレーシング)

Duncan氏は開発チームの規模には限界があると説明しています。両タイトルを3つのプラットフォーム(Xbox、PC、PS5)で同時に完璧な品質で仕上げることは、現実的に大きな挑戦です。

結果として、XboxはOptionality(選択権)」を行使しました。Duncan氏によれば、PS5版の品質が基準に達しないリスクがある場合、無理に同時発売を目指すのではなく、プラットフォームごとに最適なタイミングでリリースする判断を下すとのことです。

2025年の教訓──「共食い」の回避

発売日の違いを理解する上で重要なのが、Xboxが2025年に学んだ教訓です。

15タイトルのリリースがもたらした課題

Duncan氏は、2025年の経験についてこう振り返っています。

「2025年はコンテンツという点で素晴らしい年でしたが、そのコンテンツをどのようにリリースしたかについて多くを学んだ年でもありました。昨年学んだ厳しい教訓は、おそらくコンテンツに重点を置きすぎて、すべてに十分な『呼吸をするための空間(酸素)』を与えられなかったということです」

2025年、Xboxは関連スタジオを通じて15ものゲームをリリースしました。しかし、リリース間隔が近すぎたため、自社タイトル同士がユーザーの時間と予算を奪い合う結果となりました。Duncan氏はこれを「共食い(cannibalizing)」と表現し、特定のゲームに相応しいスポットライトを当てられなかったと反省しています。

市場における「酸素」の確保

Duncan氏は、各タイトルが市場で埋もれずに成功するためには、独自の酸素(Oxygen)」=「注目を浴びるための十分な期間と余白が必要だと強調しました。

「理想的には、ゲームが独自の、私たちが呼ぶところの『酸素』を持てるよう、リリースの間隔を空けたいと考えています。私たち自身のリリーススケジュールも問題ですが、同時に他社のリリーススケジュールもあります」

2026年は特に競合が激しい年です。Rockstar Gamesの「Grand Theft Auto VI」のような超大型タイトルの発売も予想されており、ゲーム市場全体が過密な状況にあります。このような環境では、自社タイトルのリリースタイミングを戦略的に分散させ、各作品が十分に「呼吸」できるようにすることが不可欠です。

「Forza Horizon 6」のPS5版を遅らせることは、開発リソースの分散だけでなく、PS5市場における話題を長期にわたって維持するという側面もあると考えられます。

マルチプラットフォーム戦略の今後

Duncan氏は、Xboxのマルチプラットフォーム戦略の基本方針についてこう結論づけています。

「私たちのゲームやフランチャイズをより多くのプラットフォームに展開することについて、かなりシンプルな見解を持っています。私たちのゲームができるだけ多くのプレイヤーに届くことを望んでいます。それ以上に複雑なことはほとんどありません」

ただし、Duncan氏は「Optionality(選択権)」を維持する重要性も強調しています。すべてのゲームが同日発売になるわけではなく、開発の進捗状況、チームのリソース、各プラットフォームでの最適化の状況に応じて、ケースバイケースで判断されます。

Duncan氏は「一貫性の向上」を目標に掲げており、長期的にはXboxとPS5での同時発売体制を標準化したい意向です。しかし、現在はその過渡期にあります。

今後しばらくの間、Xboxのタイトルは「同時発売を目指しつつも、リソースや市場の『酸素』に応じて柔軟に時期を調整する」という現実的な運用(Optionality)が続くと考えられます。品質を妥協せずに最大のプレイヤー数に届けるという目標に向け、Xboxは理想と現実のバランスを取りながら進んでいくことになります。

情報元:GamesRadarKotaku

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