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FF7リメイク検証 ─ メモリ容量で劣るSeries SがSwitch 2の画質を凌駕する

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「ファイナルファンタジーVII リメイク」Xbox Series S版とSwitch 2版の比較により、RAM容量の劣るSeries Sがより高品質なテクスチャを描画していることが判明。Digital Foundryの分析を基に、CPUアーキテクチャ、I/O速度、メモリ帯域幅の違いがもたらす技術的背景を詳報する。

2026年1月22日、Xbox Series X|S版およびNintendo Switch 2版の「ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード」が一斉にリリースされました。これに合わせ、技術分析メディアDigital Foundryが詳細なパフォーマンス検証を公開。その結果は、ハードウェア設計における「スペックのバランス」を再考させる興味深いものとなっています。

特筆すべきは、ゲーム用RAM容量において劣勢にあるXbox Series Sが、後発のNintendo Switch 2よりも高品質な「フルアセット」のテクスチャ描画を実現している点です。本稿では、なぜこのような技術的な逆転現象が起きたのでしょうか。

推定使用可能RAM容量と実際の画質

コンソールの処理能力を測る上で、RAM容量は重要な指標です。Digital Foundryの分析によると、OSリザーブ分を除いた「ゲームプレイ用に割り当て可能なメモリ容量」の推定値は以下の通りです。

Xbox Series X約13GB
PlayStation 5約12.5GB
Nintendo Switch 2約9GB
Xbox Series S約8GB強

数値上、Switch 2はSeries Sよりも約1GB多くメモリを使用可能です。しかし実機映像では、Series SがPS5やSeries Xと同等の高解像度テクスチャを表示し続けているのに対し、Switch 2版は、PS4版とPS5版のアセットが混在したような、解像度が低下したテクスチャが散見されます。結果として、Switch 2版は全体的に鮮明さを欠くビジュアルとなっています。

CPUアーキテクチャの性質

この差を生んだ最大の要因として、テクスチャストリーミングを制御するCPU性能の違いが挙げられます。

Xbox Series Sは、上位機種と同様のAMD製「Zen 2」アーキテクチャ(8コア)を採用しています。これはデスクトップPCやハイエンドコンソール向けの設計であり、高い演算処理能力とデータスループットを誇ります。対してNintendo Switch 2が搭載する「ARM Cortex-A78C」は、優れたプロセッサではあるものの、基本設計はモバイル向けであり、電力効率を重視しています。

現代のゲームエンジンでは、プレイヤーの視界移動に合わせて膨大なテクスチャデータをストレージからメモリへ展開するストリーミング処理が常時発生します。Zen 2の強力な処理能力は、この展開処理を遅延なく行い、高解像度アセットを維持することに貢献しています。

I/O速度とメモリ帯域幅

CPUに加え、ストレージのデータ読み書きを担うI/O(Input/Output)速度と、メモリ帯域幅(Bandwidth)の差も見逃せません。

Series Sは「Xbox Velocity Architecture」に基づき、高速なNVMe SSDと、それに最適化されたI/Oシステムを搭載しています。これにより、限られたメモリ容量であっても、必要なデータを瞬時にスワップ(入れ替え)することが可能です。
一方、Switch 2のストレージやメモリ帯域幅は、携帯機としてのバランスを考慮した設計となっており、据え置き専用機と比較するとデータ転送速度の物理的な上限が低くなる傾向にあります。

Switch 2はNVIDIAのDLSSをサポートしており、AI処理によって描画解像度をアップスケーリングすることは可能です。しかし、DLSSはあくまで描画された映像の補完技術であり、ストレージからメモリへの「テクスチャデータの読み込み速度」そのものを底上げすることはできません。結果として、メモリ容量に空きがあってもデータの供給が間に合わず、エンジン側が処理落ちを防ぐために低解像度アセットを選択せざるを得ない状況が発生していると考えられます。

各コンソールの動作仕様

検証された動作パフォーマンスの詳細は以下の通りです。

Xbox Series S

  • パフォーマンスモード:1080p / 60fps(Unreal Engine 4のTAA採用)
  • グラフィックスモード:1440p / 30fps
  • 特記事項:安定したフレームレートと高速なローディングを実現。影の品質はPS5版より劣るものの、NPC描画距離等は同等。

Xbox Series X

  • パフォーマンスモード:1512p / 60fps
  • グラフィックスモード:ネイティブ4K(2160p) / 30fps
  • 特記事項:PS5版と全く同じターゲット解像度とビジュアル品質を達成。

Nintendo Switch 2

  • 具体的な解像度数値は分析内で明言されていませんが、可変解像度やアセット品質の自動調整により、場面によってPS4版に近いテクスチャ品質まで低下することが確認されています。

今後の展望:「FF7 リバース」への課題

今回の検証は、年内にXboxおよびSwitch 2向けにリリースが噂される第2作「ファイナルファンタジーVII リバース」の移植品質を占う試金石となります。広大なオープンワールドを採用した「リバース」は、テクスチャストリーミングへの負荷がさらに増大するためです。

Series S版に関しては、解像度ターゲットを適切に管理すれば、次世代機としての体験を提供できることが証明されました。一方でSwitch 2版については、単純なメモリ容量だけでなく、データ転送の最適化をどこまで詰められるかが、画質維持の鍵となるでしょう。

なお、スクウェア・エニックスは完結編となる第3作についても、開発チームが熟知している「Unreal Engine 4」を継続採用することを明らかにしています。これはマルチプラットフォーム展開を見据え、特定のハードウェアに依存しない最適化を行うための現実的な判断と言えます。

今回の事例は、ハードウェアスペックにおける「メモリ容量」という単一の数字だけでは、実際のゲーム体験を測れないことを浮き彫りにしました。CPUパワー、I/O速度、そしてメモリ帯域の総合的なバランスこそが、リッチなビジュアル体験を支えているのです。

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情報元:Digital Foundrywccftech

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