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ライアット新作 「2XKO」 開発チーム半減へ ─ 運営継続し、改善目指す方針を発表

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ライアットゲームズは新作格闘ゲーム「2XKO」の開発チームを約半数縮小すると発表しました。理由はコア層以外のプレイヤー定着に苦戦したためですが、サービスは終了せず、小規模チームで改善を続けます。2026年の大会も予定通り開催され、今後はファンの声を反映したアップデートに注力する方針です。

ライアットゲームズ(Riot Games)は、新作格闘ゲーム「2XKO」の開発チームにおいて、大規模な人員削減を実施すると発表しました。今回の決定により、チーム全体の約半数にあたる約80名の従業員が削減の対象となります。

この情報は、同作のエグゼクティブ・プロデューサーであるトム・キャノン(Tom Cannon)氏の公式ブログ、および海外メディア「Game Developer」への広報担当者の証言により明らかになりました。「2XKO」は2025年10月にPC版の早期アクセスを開始し、2026年1月20日にコンソール版(PlayStation5、XBOX SERIES X|S)をリリースしたばかりですが、正式ローンチからわずか1ヶ月足らずで厳しい決断が下された形です。

コア層評価も「勢い」不足

キャノン氏の説明によると、人員削減の主な理由は、プレイヤーのエンゲージメント(関与度)が大規模なチームを長期維持できる水準に達しなかったことにあります。

「PCからコンソールへと展開を広げる中で、プレイヤーの動向には一貫した傾向が見られました」とキャノン氏は述べています。「本作は熱心なコア層には深く響いていますが、全体的な勢い(モメンタム)は、この規模のチームを長期的に支えるために必要なレベルには届いていません」

「2XKO」は、人気MOBA「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」の世界観をベースとした2対2のタッグ形式格闘ゲームです。基本プレイ無料(F2P)モデルを採用し、格闘ゲームコミュニティ(FGC)からの期待も高く、2026年の最注目作の一つと目されていました。しかし、サービス運営型ゲームとして収益を維持するために不可欠な「幅広い層の定着」という壁に直面しています。

エンゲージメントが伸び悩んだ背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、「2XKO」は2対2のタッグ形式という、格闘ゲームの中でも特に競技性が高く複雑なシステムを採用しています。この硬派な作りがFGCのコアなファンを熱狂させた一方で、基本プレイ無料ゲームの収益維持に不可欠な「ライト層・カジュアル層」にとってはハードルが高く、継続的なプレイに繋がらなかった可能性があります。

また、ライアットゲームズは「リーグ・オブ・レジェンド」の膨大なユーザーベースを格闘ゲームへ誘導することを狙いましたが、戦略性重視のMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)と、瞬間的な反射神経や操作技術を要する格闘ゲームの間には、ジャンルとしての大きな隔たりがあります。結果として、原作ファンを十分に定着させることができず、大規模な開発チームを支えるために必要な1日あたりの利用者数(DAU:デイリーアクティブユーザー)を確保できなかったと推察されます。

さらに、キャノン氏が言及した「PCからコンソールへの拡大に伴う傾向」は、コンソール市場における基本無料タイトルの競争激化を示唆しています。多くの選択肢があるコンソール市場において、初期の勢いを維持し続けることの難しさが浮き彫りとなりました。

ファンの動揺と過去の教訓

今回の発表に対し、コミュニティでは動揺が広がっています。海外掲示板Redditでは「ゲームのライフサイクルの初期段階でこのような発表をするのは、自社製品への自信のなさを露呈しており、ゲームの寿命を縮めかねない」といった、早期の縮小発表がプレイヤーの信頼を損なうリスクを懸念する声が上がっています。

また、プレイヤーからは「カジュアルな格闘ゲームとして宣伝されたが、実際のゲームプレイは非常に複雑でハードコアな内容だった」という、マーケティングと実態の乖離を指摘する意見も多く見られます。

一方で、ライアットゲームズがこれほど迅速な判断を下した背景には、同社のカードゲーム「レジェンド・オブ・ルーンテラ(LoR)」の事例があると考えられます。「LoR」では収益化に苦戦しながらも長期間リソースを投入し続けましたが、最終的に利益を生むことはありませんでした。同社は膨大なプレイヤーデータを保有しており、今回はその二の舞を避けるため、早期に規模縮小という現実的な判断を下したとの見方も強まっています。

運営と競技シーンは継続

今回のレイオフは、サービスの終了を意味するものではありません。キャノン氏は、これはチームの「再編(Reshaping)」であり、「2XKO」を持続可能な形で運営していくためのポジティブな措置であることを強調しています。

今後は、より小規模で機動力のあるチーム体制へと移行し、プレイヤーのフィードバックに基づいた機能改善に注力する予定です。具体的には、既にユーザーから要望の多い機能の実装などが優先して進められる見込みです。

また、eスポーツ展開については当初の計画通り進行します。キャノン氏は「2026年の競技シリーズに関する計画に変更はない」と明言。トーナメント主催者や地域コミュニティとのパートナーシップを継続し、FGCのイベントを支援していく姿勢を改めて示しました。

開発の歴史と業界の動向

「2XKO」の開発は長期にわたり、当初は「Project L」のコードネームで知られていました。その起源は、2016年にライアットゲームズが、トム・キャノン氏とトニー・キャノン氏率いる「Radiant Entertainment」を買収したことに遡ります。2019年から本格的な開発が始まり、足掛け約7年をかけてリリースに至りました。

今回の決定は、ビデオゲーム業界全体で続くレイオフの波とも無縁ではありません。2026年に入り、Meta、Ubisoft、Amazonといった大手企業でも人員削減が相次いでおり、ライブサービスゲーム市場の競争激化と、各社のポートフォリオ適正化が進んでいることを示唆しています。

対象者への手厚い補償

ライアットゲームズは、今回の削減が個々のパフォーマンスに基づくものではないことを強調しています。影響を受ける従業員に対しては、可能な限り社内での配置転換(別プロジェクトへの異動)を打診するとしています。

社内で適切なポジションが見つからない場合でも、対象者には最低6ヶ月分の給与相当額(解雇予告手当と退職金を含む)の支給に加え、再就職支援が提供されます。これは業界標準と比較しても非常に手厚い補償内容といえます。

キャノン氏は声明の最後で、コミュニティに向けて次のようにメッセージを送りました。
「これまでの旅路で、皆さんがコミュニティにもたらしてくれたエネルギーと情熱には、ただ圧倒されるばかりです。そのエネルギーこそが、私たちがゲームを改善し、次の一歩を踏み出すための原動力となります」

強力なIPと基本無料モデルでジャンルの覇権を狙った「2XKO」。初期のユーザー動向は、AAA級の開発体制を維持するには厳しい現実を突きつけましたが、今後はスリム化した組織で、コアなファンと共にどこまで作品を成熟させられるかに注目が集まります。

情報元:GameDeveloper

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