
バンダイナムコスタジオが「新規格闘ゲーム」の開発メンバーを募集中です。公開された業務内容に加え、アニメ原作ゲームの外注傾向や、原田勝弘氏退職による社内体制の変化などから今後発表される新作を徹底考察。「大乱闘スマッシュブラザーズ」や「ソウルキャリバー」の新作は登場するのでしょうか?
2026年3月、バンダイナムコスタジオの公式サイトで「新規格闘ゲーム」のゲームデザイナー求人が公開され、大きな注目を集めています。同社は数多くの対戦格闘・アクションゲームを手掛けており、その開発力は世界的に高く評価されています。
この求人が海外メディアで報じられたことをきっかけに、ファンの間では「次にどのような大型タイトルが発表されるのか」という期待と考察が広がっています。
アニメ作品の外注傾向から見える「内製」の意義
求人の詳細を読み解く前に、同社の開発体制を整理しておきましょう。バンダイナムコは独自のIP(知的財産)活用において業界トップクラスの実績を持ち、数多くのアニメ作品をゲーム化してきました。
しかし、近年のアニメ原作タイトルは外部への開発委託が主流です。たとえば「ドラゴンボールZ KAKAROT」や「NARUTO -ナルト- ナルティメット」シリーズはサイバーコネクトツー、「ドラゴンボール ファイターズ」はアークシステムワークスが開発を担っています。
この傾向を踏まえると、自社(内製)で正社員を公募している今回のプロジェクトがアニメ原作である可能性は低いでしょう。むしろ、任天堂との共同プロジェクトや完全オリジナルの新規タイトルである可能性が高いと考えられます。
求人内容が示す大規模プロジェクトの全容
募集要項には、企画から制作、運営まで多岐にわたる業務が記されています。主な内容は以下の通りです。
- ゲーム全体の仕組みやルールの考案
- オンライン対戦やオンラインロビー機能の企画
- キャラクターの技・能力の設定およびバランス調整
- キャラクター制御スクリプトの実装
- 3Dエフェクト、効果音、ステージの企画・制作指示
- NPC(非操作キャラクター)の企画・制作
- キャラクターカスタマイズ機能の企画
- シナリオ作成、演出アニメーションの策定
- ボイス収録の監修、台本の準備
オンライン機能から詳細な設定、シナリオまで含まれていることから、単なる小規模作品ではなく、長期間の運営を見据えたリッチなコンテンツ構成の大規模プロジェクトであることが推察されます。
予想①:「スマブラ」新作の可能性
最も有力な候補として挙がっているのが、「大乱闘スマッシュブラザーズ」(以下、スマブラ)シリーズの新作、あるいはその関連作品です。
根拠の一つは、シリーズの生みの親である桜井政博氏の動向です。桜井氏は2025年11月に「カービィのエアライダー」の開発を終えたばかりです。同作も任天堂・ソラ・バンダイナムコスタジオの共同開発であったことから、スケジュール的にも次期プロジェクト(「スマブラ」新作など)で引き続きタッグを組んでいても不思議ではありません。
バンダイナムコスタジオは過去の「スマブラ」シリーズでも開発の中核を担った実績があり、その調整能力や技術力は任天堂からも高く評価されています。桜井氏が主導する新プロジェクトに、同社が再びパートナーとして参画するのは極めて自然な流れです。
また、求人にある「NPCの企画・制作」は、「スマブラ」のアアシストフィギュアやステージギミック、背景キャラクターといった要素を強く連想させます。次世代機の普及が進む中、キラーコンテンツとしての新作が密かに進行しているという見方は、非常に説得力があります。
予想②:「ソウルキャリバー」復活の可能性
次なる候補は、自社の人気シリーズ「ソウルキャリバー」の新作です。武器格闘という独自のシステムを持つ同シリーズは、前作から年月が経過しており、続編を待望する声が根強くあります。
特に「キャラクターカスタマイズに関する企画」という項目は、シリーズの象徴であるキャラクリエイト機能との親和性が高く、期待を抱かせます。一方で、同シリーズはNPCが多用される場面が比較的少ないため、この点については新モードの導入など、何らかの仕様変更を前提とした推測となります。
原田氏退職と「ポスト鉄拳」の戦略
開発体制の転換点も無視できません。「鉄拳」シリーズを牽引してきた原田勝弘氏が2025年12月末に退職したことは、大きなニュースとなりました。
すでに「鉄拳プロジェクト」が運営を引き継ぐ体制は整っていますが、このタイミングで「企画の中核」を公募することは、単なる欠員補充以上の意味を持つはずです。「鉄拳」に並ぶ次世代の柱となる新規IPの立ち上げや、休眠タイトルの再構築を見据えた、世代交代を象徴する戦略的採用である可能性が高いでしょう。
eスポーツとオンライン設計の重視
求人に「通信・ネットワーク」や「バトルバランス調整」が明記されている点は、競技シーン(eスポーツ)を強く意識している証拠です。現在の格闘ゲームにおいて、安定したオンライン環境と公平なバランスは必須条件。同社が「鉄拳」などで培ったノウハウが、新プロジェクトにも惜しみなく投入されるはずです。
次期大型タイトルの行方
現時点でタイトル名は不明ですが、内製プロジェクトの規模や体制転換の背景を考えると、業界に大きなインパクトを与える作品であることは間違いありません。
公式発表まで、同社の動向から目が離せません。なお、本記事の内容は公開情報に基づく考察であり、各社の公式見解ではない点にご留意ください。

