
セガが往年の名作を再定義する新プロジェクト「SEGA UNIVERSE」を2026年4月24日に始動しました。「NO OLD, STAY GOLD」を掲げ、サクラ大戦やセガガガなど9作品を軸にグッズやイベント、ファンとの交流を推進。現行機への移植を望むファンの声も根強い中、ゲームの枠を超えた戦略の全貌を解説します。
株式会社セガは2026年4月24日、同社が保有する過去の名作ゲームのIP(知的財産)を活用する新プロジェクト「SEGA UNIVERSE」を始動しました。
本プロジェクトのコンセプトは「NO OLD, STAY GOLD」です。公式サイトでは、「時は流れた。変わる時代の中で失われたものもある。それでも変わらない衝動がある——あの時の熱狂を、なつかしさに変えるのではなく、今もどこかで生き続けているものとして、もう一度動かしていく。次は、もっと大胆に」と掲げられ、過去の作品を懐古の対象ではなく、現在進行形のコンテンツとして展開する姿勢が示されています。
セガは、ゲームを起点として映像、音楽、出版、ライブエンタテインメントなどへ幅広く展開する「トランスメディア戦略」を掲げています。本プロジェクトは、この戦略を同社のレガシーIPに適用するものです。
同社グローバル・トランスメディア責任者のジャスティン・スカルポーネ氏は、レガシーIPの展開について、当時を知る層との接点を維持しつつ、未体験の若い世代にいかに訴求できるかが最大の課題であると述べています。
2026年に周年を迎える9タイトル
「SEGA UNIVERSE」の第1弾として、2026年に節目の年を迎える以下の9タイトルが「2026 Selected」として公式サイトに掲載されました。
1986年登場(40周年)
- ファンタジーゾーン:斬新な買い物システムを採用した、セガを代表するシューティングゲームです。
- アウトラン:ヨーロッパを舞台にしたドライブゲームの金字塔。マイケル・ベイ監督による映画化も進行中で、あらためて注目を集めています。
1991年登場(35周年)
- ベア・ナックル:ベルトスクロールアクションの傑作。古代祐三氏による楽曲も高く評価され、近年では新作のヒットも話題となりました。
- レンタヒーロー:ヒーロースーツをレンタルして街の平和を守るという、ユーモア溢れる独自の設定を持つアクションRPGです。
1996年登場(30周年)
- ガーディアンヒーローズ:格闘ゲームの爽快感とRPGの成長要素を融合させた、セガサターンを代表するアクションRPGです。
- NiGHTS into dreams…:夢の世界を自由に飛び回る独特の浮遊感が特徴。後の作品にも影響を与えた革新的な人工生命プログラムを搭載しています。
- ダイナマイト刑事:日用品すら武器にする豪快な戦闘とQTEが魅力のフルポリゴンベルトスクロールアクションゲームです。
- サクラ大戦:架空の「太正時代」を舞台にしたドラマチックアドベンチャー。ゲームの枠を超えたメディアミックス展開の先駆けとしても知られます。
2001年登場(25周年)
- セガガガ:近未来のセガ社を舞台に、ゲーム業界の覇権奪回を目指すというセルフパロディ満載の異色作です。

「共に創り上げる」3つの展開指針
今回のプロジェクトで注目すべきは、ファンとのコミュニケーションやゲーム以外の領域での展開が具体的に示されている点です。公式SNS(@SEGA__UNIVERSE)の投稿によれば、本プロジェクトはファンの記憶を大切にしながら「共に創り上げる」ことを重視しており、以下の3つの柱を掲げています。
- GOODS(グッズ): 新たな公式グッズの展開。
- EVENT(イベント): 作品の世界観に没入できるイベントの実施。
- TALK(トーク): ファンが集まり、作品について語り合える場所の提供。
現在、その具体的な取り組みとして、舞台「新サクラ大戦 the Stage」の制作が発表されました。舞台版は、舞台を帝都から京都へ移した新たな物語として2026年5月下旬に続報が予定されています。さらに、「ガーディアンヒーローズ」開発元のトレジャーも今後の展開を示唆しています。
ファンの視点:移植・新作への期待と課題
セガの展開方針に対し、ファンからは様々な反応が寄せられています。映像や音楽、ファッション分野への進出を歓迎する声がある一方で、現行機で往年の名作をプレイしたいという要望も根強く存在します。
現行機での対応状況を整理すると、「ファンタジーゾーン」や「ベア・ナックル」はNintendo Switch等でプレイ可能であり、「アウトラン」は「龍が如く」シリーズ内のミニゲームとして実装されています。また、「NiGHTS into dreams…」や「ガーディアンヒーローズ」はXbox等の互換機能によりプレイ可能です。一方で、「ダイナマイト刑事」「サクラ大戦(旧作)」「セガガガ」の3作品については、現在プレイする手段が限定的です。
特に「セガガガ」はドリームキャスト専用タイトルであり、その独自性から移植を望む声が多くあがっています。権利関係の整理などの課題も想定されますが、稀少なタイトルを現行機で遊べる環境を求める意見は少なくありません。カプコンやコナミなどが過去の名作をコレクション形式で展開している事例もあり、セガに対しても同様の取り組みが期待されています。
また、セガは2023年に「New Era, New Energy!」として、「忍 SHINOBI」「クレイジータクシー」「ジェットセットラジオ」「ゴールデンアックス」の新作開発を発表しました。発表から約2年半が経過し、リリースされたのは現時点で「SHINOBI 復讐の斬撃」のみであり、開発には時間を要している状況です。しかし、今回の「SEGA UNIVERSE」は2026年の周年記念を軸としたプロジェクトであるため、アニバーサリーイヤーに合わせた年内の展開が注目されます。
まとめ
「SEGA UNIVERSE」の始動は、セガが保有するレガシーIPをゲームの枠を超えた形で再発信しようとする明確な意思表示です。映像・音楽・ファッションを主軸とした展開方針は、ソニックブランドが映画化で成功を収めたモデルの応用とも見られます。
2026年に向けてどのような企画が具体化されるのか、またゲームそのものの移植や新作開発という形でファンの期待に応えられるかどうかが、今後の評価を左右する重要な点となるでしょう。


