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RGGスタジオ新作「STRANGER THAN HEAVEN」新機軸に込めた開発意図

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龍が如くスタジオ最新作「STRANGER THAN HEAVEN」の詳細を解説します。1915年からの50年を描く物語や、左右独立操作の戦闘システム、Snoop Dogg氏やAdo氏らによる楽曲、音楽興行ミニゲームなど、本作の独創的な要素を整理。東城会創設に繋がる背景と、刷新されたゲーム体験の核心について記述いたします。

「Project Century」から正式タイトルへ

龍が如くスタジオ(以下、RGGスタジオ)が開発を進めてきたプロジェクト「Project Century」は、2024年末のThe Game Awardsで初公開され、2025年6月に正式タイトル「STRANGER THAN HEAVEN」として改めて発表されました。

2026年5月には、配信番組「Xbox Presents: A Special Look at STRANGER THAN HEAVEN」において、ストーリー、キャスト、コンバットシステム、「ショービズ」と呼ばれる音楽興行要素など、作品の全体像が公開されました。

サンフランシスコから始まる50年の旅路

主人公は大東真(だいとう・まこと)。貿易商を営む父の仕事の都合で世界各地を転々とした末、父の母国であるアメリカに定住した一家ですが、その直後に父が急逝します。英語もままならず、アジア系の外見を持つ母と子は社会的な迫害にさらされるようになります。母の死によって天涯孤独となった真は、母の故郷である日本へ渡ることを決意します。

身一つで乗り込んだ船の中で、真は二人の重要な人物と出会います。一人は、世界を股にかける密輸商人・オルフェウス(Snoop Dogg氏)です。オルフェウスは日本語を操れる真の能力を見込んで彼をアシスタントとして使い始め、商売のイロハや大人の世界を教えていきます。そして同船には、欧米人とのハーフという似た境遇を持つ青年・真城優(しんじょう・ゆう)もいました。直情的な真に対し、冷静で計算高いリアリストとして描かれる真城は、「生涯の友であり最大のライバル」(横山昌義エグゼクティブディレクター)として、以後50年にわたる物語の重要な軸の一つとなります。

大東真:城田優
真城優:ディーン・フジオカ
オルフェウス:Snoop Dogg

横山ディレクターは「龍が如くシリーズとの直接の繋がりはほとんどない」と明言しています。一方で、主人公の名「大東真」が「東城会」の創設者として言及される「東城真(とうじょう・まこと)」を想起させる点など、核心的な問いに対してはあえて「どうなんでしょうね」と言葉を濁しており、東城会との関係についての謎は意図的に残されています。

激動の日本を巡る「5つの時代と都市」

本作は、実在の地名をモチーフにしつつ独自の解釈を加えた「あったかもしれないJAPAN」として、以下の5つの時代・都市を舞台に展開します。

  • 1915年 : 福岡・小倉
    世界最大級の製鉄所を誇り、全国から集まった労働者で活気に溢れる、明治から大正への転換期の工業都市。大東が最初に日本の地を踏む街でもあります。
  • 1929年 : 広島・呉
    造船を中心とした重工業の都市でありながら、各国の社交場としても機能した異色の港町。高低差のある迷路状の地形が特徴で、日本有数の極道組織の影響が色濃い街として描かれます。
  • 1943年 : 大阪・ミナミ
    戦時下の緊張感の中、表向きは日本文化を称えつつ、裏では海外の文化が深く入り込んだ歓楽街。ヤクザやマフィアが暗躍する複雑な裏社会が舞台となります。
  • 1951年 : 静岡・熱海
    戦後の復興期、アメリカ文化の流入によって言葉・音楽・ファッションに新たなトレンドが生まれた時代。日本有数の観光地として華やかさと退廃が共存する温泉街で、海外出身の歌手スージー(Tori Kelly氏)と大東・真城が出会います。
  • 1965年 : 東京・新宿(神室町)
    「龍が如く」シリーズでも馴染み深い神室町の原型ともいえる、高度経済成長期の混沌とした新宿。本作の物語が収束する最終ステージとなります。

各都市では、時代と場所に応じて反映されたアクティビティやミニゲームも変化します。腕相撲(アームレスリング)や賭博といった古典的な遊びから、時代ごとのビジネスまで、日本の近現代史を肌で感じる体験が提供されます。

直感を刺激する「左右独立操作」の真意

本作の戦闘システムの最大の特徴は、コントローラーのRB/RTで右半身、LB/LTで左半身の攻撃・防御を個別に操作する「左右独立操作」です(※ボタン名はXboxコントローラーの場合)。

なぜシステムを刷新したのか

RGGスタジオがこれまでの「龍が如く」シリーズで培ってきた戦闘システムは、スタイル切り替えや技のコマンド入力を軸とした、ある種「様式美」のある格闘体験でした。本作がその枠組みを大きく外れた背景には、いくつかの理由が考えられます。

第一に、時代設定との整合性です。舞台は1915年から1965年という、格闘技が体系化される以前の動乱期です。公式プレスリリースでは本作のコンバットコンセプトを「最も自由で、最も直感的で、最も極限の暴力」と表現しており、洗練されたコンボ技よりも、生き延びるための即興的な喧嘩を再現することを優先した設計であることがわかります。横山昌義エグゼクティブディレクターも、「誰もが生きることに必死だった時代の粗暴な動乱を、コンバットシステムで体現する」という方向性を番組内で明示しています。

第二に、プレイヤーとキャラクターの「身体的な同期」という狙いです。左右それぞれの手足に対応するボタンを使う本システムは、「自分が大東真になったかのように身体を動かしている感覚」をプレイヤーに与えることを意図しています。大東真を演じる城田優氏も、公式のキャストインタビュー動画において「自分の半生と重なるような衝撃を受けた」と述けており、キャラクターとの一体感の追求がキャストの選定とも連動していたことがうかがえます。

第三に、シリーズの分岐という文脈です。「龍が如く」本編が最新作において完全ターン制RPGへと転換した一方、本作はアクションゲームとしての新しいフォーマットを構築するという選択をとりました。公開された映像やスクリーンショットから観察できる興味深い点として、UI(ユーザーインターフェース)が極めて控えめに設計されていることが挙げられます。近年の「龍が如く7」や「8」といったRPG作品では、情報の視認性を高めるためにUIが過剰なまでに主張していましたが、本作では一転して、地味で目立たないデザインが採用されています。

これは、UIに頼りすぎるのではなく、プレイヤーが画面の中の情報(キャラクターの挙動や周囲の状況)を自ら読み取ることを重視した設計思想の表れではないでしょうか。この抑制されたUIは、本作の「直感的で生々しい暴力」をより際立たせる役割を果たしています。

システムの具体的な動作

ジャブを連打しながら逆の手でパワーを溜めて強打を繰り出す、片手で相手の攻撃を防ぎながら即座に反撃するといった動作を指先で個別に制御することで、プレイヤーはキャラクターとの身体的な一体感を得られます。LTとRTを同時入力することでタックルを繰り出し、マウントを奪ってそのまま攻撃を継続するといった応用も可能です。

武器も重要な要素であり、包丁・ハンマー・刀など多様な装備を入手できます。さらに入手した素材を武器に投入することで性能の向上が可能であり、生存戦略の幅を広げる要素となっています。

街の音を楽曲に変える「興行師システム」

本作にはもう一つの大きなゲーム要素として「ショービズ(音楽興行)」が用意されています。これは過去の「龍が如く」シリーズにおける「キャバクラ経営」や「会社経営」に相当する、大型のミニゲームに位置づけられます。

オルフェウスのもとで商売を学ぶうちに、大東真は音楽の才能を見出されます。その起点となるエピソードが、呉の極道組織で出会った青年・タカシ(藤原聡氏)です。荒くれ者でありながら、歌とピアノの才を密かに持つタカシを大東真が発見し、「コイツに歌わせて一儲けしてやろう」と興行を思いつきます。このエピソードが大東真の興行師としての活動を本格化させ、のちの「八島興業」、そして東城会へとつながるストーリー上の重要な転換点となります。

ショービズの核となるのが「音の収集」です。蒸気機関車の轟音、生活の雑音、動物の鳴き声、さらには戦闘中の敵の声まで、大東真は街に溢れるあらゆる音を「記憶(サンプリング)」し、楽曲制作の素材として活用します。収集できる音は時代・街・時間帯によって多岐にわたります。

集めた音をもとに音楽家たちと協力してオリジナル曲を仕上げ、スカウトした歌手や演奏者を育成してショーを開催するという流れが、このシステムの構造です。1951年の熱海では、アメリカ人歌手スージー・デイ(Tori Kelly氏)と出会い、活動はさらなる広がりを見せます。

Ado・Snoop Doggら豪華キャストの衝撃

本作には、国内外の俳優・ミュージシャンが参加しています。主要キャストは以下の通りです(敬称略)。城田優(大東真 役)、ディーン・フジオカ(真城優 役)、Snoop Dogg(オルフェウス 役)、穂志もえか、Tori Kelly(スージー 役)、大塚明夫、西岡德馬、藤原聡・Official髭男dism(タカシ 役)、Cordell Broadus、Ado(白井恵子 役)、菅原文太(岩木源造 役)。

  • Adoの声優初挑戦
    Ado氏は今回初めてゲームキャラクターへの声の出演を果たし、白井恵子役を担当します。彼女は公式Xにて「初めてゲームキャラに声を当てさせていただきました。ギャーでございます。メインテーマも意味がわからないぐらい豪華コラボレーションとなっております」と、興奮を率直に表現しています。なお、彼女のキャラクターモデルは実際の容姿に基づかず、ゲーム専用に設計されています。
  • 菅原文太氏の「出演」
    2014年に逝去した名優・菅原文太氏が、岩木源造(いわき・げんぞう)役として本作に登場します。東映株式会社より提供された当時の資料をもとにCGデザインを制作し、声は菅原氏と縁の深い俳優・宇梶剛士氏が担当します。ご遺族から正式な了承を得たうえでの起用ですが、RGGスタジオが故人の肖像を使用するのは初であり、海外メディアを中心に倫理的な観点からの議論も生じています。
  • メインテーマ「STRANGER THAN HEAVEN」
    メインテーマは、Snoop Dogg、藤原聡、Ado、Tori Kellyの4名によるコラボレーション楽曲です。キャスト自身がメインテーマにも参加する贅沢な構成となっています。
松本タエ:穂志もえか
スージー・デイ:Tori Kelly
八島平吾:大塚明夫
大鶴清:西岡德馬
タカシ:藤原聡(Official髭男dism)
謎に包まれた異邦人:Cordell Broadus
白井恵子:Ado
岩木源造:菅原文太(声:宇梶剛士)

なぜ「拳」と「音」で居場所を創るのか

本作がコンバットとショービズという対極的な二要素を柱に据えた理由は、大東真というキャラクターの根幹に関わります。横山ディレクターは龍が如くシリーズとの直接の繋がりをほぼ否定していますが、大東真と東城真の関係については意図的に含みを持たせており、プレイヤーの考察を誘う構造になっています。

どこにも居場所のなかった大東真にとって、拳(暴力)は自分を守るための手段でした。一方、オルフェウスが語るように「音楽はすべてを均す力を持ち、壁を越えて人を惹きつけ結びつける」ものです。差別や偏見を超えて人々を繋ぐ音楽は、大東真が求めた「居場所」の象徴として物語に位置づけられています。拳で道を切り拓き、音で仲間を集める。この二つのアクションを軸に、プレイヤーは大東真と共に50年の歳月を体験します。

「STRANGER THAN HEAVEN」は今冬、Xbox Series X|S、Xbox on PC、Xbox Cloud、PC(Steam)、PlayStation 5でリリース予定です。Xbox Game Passへの発売日同日対応も決定しています。具体的な発売日は現時点で未定ですが、RGGスタジオでは引き続き作品の完成に向けて開発を進めており、続報が待たれます。

情報元・イメージ画像:STRANGER THAN HEAVEN 公式サイトPRTIMES

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