伝説の忍者アクション「NINJA GAIDEN」が2Dで復活! 8ビットの美学と最新技術が融合し、新たな伝説の幕が開きます。高難易度アクションで知られるThe Game Kitchenは、往年のファンを唸らせる「NINJA GAIDEN: Ragebound」をどのように制作しているのでしょうか?
The Game Awards 2024で発表
2024年12月に開催されたThe Game Awards 2024のオープニングを飾った発表の一つに、「NINJA GAIDEN : Ragebound」がありました。今回のイベントでは、「バーチャファイター」や「鬼武者」、「大神」といった往年の名作の復活が相次いで発表され、レトロゲーム復興の潮流が顕著でした。その中でも「NINJA GAIDEN」シリーズの最新作発表は、特に大きな注目を集めました。
NINJA GAIDEN: Ragebound | Reveal trailer | Coming Summer 2025
高難易度2Dアクションへの原点回帰
「NINJA GAIDEN」シリーズは、1988年の初代発売以来、2Dアクションゲームとして人気を博してきました。2004年にはXbox向けに、当時テクモに所属していたチームニンジャ(現在はコーエーテクモゲームスの一部門)によって3Dアクションゲームとしてリブートされ、「NINJA GAIDEN」として高い評価を獲得しましたが、2014年の「NINJA GAIDEN 3: Razor’s Edge」のリリース以降、新作は途絶えていました。
「NINJA GAIDEN : Ragebound」の開発を手がけるのは、「Blasphemous」などで知られるThe Game Kitchenです。同スタジオは、高難易度2Dアクションゲームの開発経験を活かし、シリーズの原点である2Dアクションへの回帰を選択しました。
本作は、The Game KitchenとDotemuが開発の中核を担い、販売はDotemuが担当します。コーエーテクモゲームスは「NINJA GAIDEN」シリーズの権利元としてDotemuと協業し、同社の協力を得ながら、シリーズの新たな展開を進めています。
開発陣が語る「時代を超越した理由」
「『NINJA GAIDEN : Ragebound』の開発にあたり、私たちは重要な問いに向き合いました。オリジナルシリーズが時代を超えて愛される理由とは何なのか、ということです。」と、ディレクター兼プロデューサーのDavid Jaumandreu氏は、本作の発表後、Digital Trendsのインタビューで語りました。
Jaumandreu氏は、シリーズの魅力を構成する要素として、「歯ごたえのあるゲームプレイ、印象的なグラフィック、心に残るサウンドトラック、魅力的な「Tecmo Theater」による物語、そして伝説的な高難易度」を挙げています。ここで言う「Tecmo Theater」とは、ゲーム内の映像演出を指し、当時としては画期的だったカットシーンやストーリー展開の手法を意味します。これらの要素は、アクションゲームとしての確固たる基盤を形成しており、The Game Kitchenは、80年代と90年代のファミコン忍者アクションの魅力を、現代の最新ゲームに匹敵するクオリティで表現することを目指しています。
なぜ過去の名作を再考するのか?リメイクやリマスターは、既存のコンセプトに基づいているため、比較的容易です。しかし、新作でフランチャイズを再考する場合は、シリーズの核となる要素を抽出し、現代の技術で再構築する必要があるため、より困難な作業となります。特に「NINJA GAIDEN」は、2Dアクションとして確固たる地位を築いた後、3Dへと進化を遂げたシリーズです。だからこそ、本作のような2Dへの回帰は、単なる懐古ではなく、過去の魅力を現代に昇華させ、新たな境地を切り拓く挑戦と言えるでしょう。
ピクセルアートと3Dからの影響の融合
The Game Kitchenは、「NINJA GAIDEN : Ragebound」においてピクセルアートを採用しました。これは、同スタジオの他の作品でも見られる表現手法であり、本作の世界観を構築する上で「自然な」選択だったと言えるでしょう。しかし、開発陣は8ビットアートの制約に縛られることなく、シリーズ後期の3D作品からも影響を受けています。
「8ビットの色数や解像度といった制約から解放され、画面から飛び出すかのような、非常に緻密な環境を広範囲に構築しました。」とJaumandreu氏は語っています。「90年代アニメの美学に着想を得て、オリジナルの冒険心をさらに拡張する、鮮やかで色彩豊かな世界を構築しました。滑らかなアニメーションは、これらのキャラクターに生命を吹き込む上で重要な役割を果たしており、スプライトが3D版と遜色なく機敏で反応が良く、かつ力強く感じられるように仕上げました。」
現代的なゲームプレイへの進化
ゲームプレイにおいても、過去作品の単なる焼き直しではなく、現代的な要素が取り入れられています。「私たちの最優先事項は、シリーズのシンプルな操作性を維持しつつ、古典的な高速ハックアンドスラッシュのメカニズムを構築することでした」とJaumandreu氏は語ります。「主人公の操作性を向上させ、移動のスムーズさを最大限に高めながら、即座の反応性と明確な入力予測を実現し、スリリングでレスポンスの良い戦闘を維持しました。ファンの皆様のご期待に応え、高いチャレンジ性はそのままに、記憶力よりも素早い反射神経と状況への対応力が重要となるゲームプレイに設計し直しました。これにより、高難易度ながらも理不尽には感じさせないバランスを目指しています。」
新たな「NINJA GAIDEN」体験
「NINJA GAIDEN : Ragebound」は、単なるレトロゲームの復活ではありません。過去作品への敬意を払いながら、現代の技術とゲームデザインの知見を融合させた、新たな「NINJA GAIDEN」体験を提供することを目指しています。
リュウ・ハヤブサが父の遺言に従いアメリカへ旅立った直後、隼の里は悲劇に見舞われます。何者かの手によって人間界と魔界を隔てる結界が破られ、魔神の軍勢が里を襲撃したのです。リュウ・ハヤブサが不在の中、若き忍者ケンジ・モズが立ち上がり、この脅威に挑みます。
ケンジ・モズは、リュウ・ハヤブサとは異なる忍術と戦闘スタイルを持つ新たなキャラクターです。プレイヤーはケンジを操作し、魔界の軍勢と戦うことになります。この新たな主人公の登場によって、プレイヤーは新鮮な気持ちでプレイできるでしょう。
2025年夏、伝説の忍者が再び舞う
「NINJA GAIDEN : Ragebound」は2025年夏にリリース予定です。対応プラットフォームはPC(Steam)/Nintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox Oneとなっています。往年のファンはもちろん、新たな世代のゲーマーも、伝説の忍者の新たな活躍に期待を寄せていることでしょう。
情報元:DigitalTrends