セガは、先日開催されたThe Game Awardsで発表された5作品に加えて、さらに古いIPタイトルの商標登録も出願していることが判明した。
セガは先日、The Game Awards(TGA)で過去のIPのリブート5作品を発表し、過去の人気IPに対する取り組みの強化を明らかにしました。その一環として、さらに古いIPタイトルの商標登録を出願していることが判明し、SNSで紹介されました。以下がその12作品です
- Altered Beast
- Eternal Champions
- Jet Set Radio
- Kid Chameleon
- Alex Kidd
- After Burner
- Crazy Taxi
- House of the Dead
- Outrun
- Shinobi
- Streets of Rage
- Super Monkey Ball
「Jet Set Radio」「Crazy Taxi」「Shinobi」「Streets of Rage」は先日発表された5作品に含まれています。また、先日の発表において「AND MORE」とされていた作品はまだ明らかになっていませんが、これらの商標登録から過去のIPを何らかの形で活用する意向があると考えられます。
セガの過去のリブート作品
セガは過去にも自社IPのリブートを数回行なっており、その中でも印象的な作品をいくつか紹介します。
2000年代前半、セガは16bit時代の2Dゲームを3Dポリゴンにリメイクするなどの試みを行っていました。
2002年に、PlayStation2用のアクションゲームとして「忍(しのび)シリーズ」に属する「Shinobi」が発売されました。この作品は、オリジナル版の雰囲気を残しつつ、3D化によって表現の幅が広がったことで、一定の評価を得ることができ、2003年には続編に当たる「Kunoichi -忍-」が発売されました。
2005年には、「獣王記」がフルリメイクされ、「獣王記 -PROJECT ALTERED BEAST-」としてPlayStation2用ソフトとして発売されました。しかし、オリジナル版と異なる要素も多く、芳しくない評価を得ました。
2003年から2008年にかけては、SEGAAGES2500シリーズと銘打って、過去作をリメイクし、2500円という低価格でリリースするという企画を打ち出しました。
初期のタイトルは、セガのアーケードやコンシューマーの代表的な2Dゲーム「スペースハリアー」や「ゴールデンアックス」「エイリアンシンドローム」「ファンタシースター」ほか多数のゲームをリメイクしましたが、低予算のせいか、ソフトの出来にユーザーの支持を獲得することができませんでした。そのため、シリーズ後期には「オリジナル版+リメイク版」や「オリジナル版の完全移植」に方針を変更することになりました。
セガの近年のリブート作品
2003年、前作「アウトランナーズ」から10年ぶりに「アウトラン2」をアーケードで稼働しました。3Dポリゴンでのリメイクにより、当時のマシン能力を最大限に活かした美麗なグラフィック、サウンド、そして「ドライブを楽しむ」ゲームデザインがユーザーから高い評価を受けました。その後、続編として「OutRun2006: Coast 2 Coast」がPS2とXBOXにも移植され、成功を収めました。
2006年には、「アフターバーナー クライマックス」がアーケードで登場。3Dリメイクが施されながらも、元のゲーム性を巧みに引き継ぎ、新たな要素としてクライマックスモードが取り入れられ、前作以上の爽快感と迫力を提供しました。この成功を受けて、PS3やXBOX360にも移植されました。
2017年には、セガのアイコンであるソニックシリーズ作品「ソニックマニア」がリリースされました。ソニックシリーズのマニアが手がけた本作は、過去のシリーズから選りすぐりのゾーンを16bitの表現で最大限に活用しており、そのアプローチが古いファンと新規ユーザーから高い評価を得ました。
同じく2017年には、元々はマスターシステムのソフトだった「ワンダーボーイ ドラゴンの罠」がDotEmu(開発はLizardCube)からリメイク版として発売。手描きアニメーションの美麗なグラフィックに生まれ変わり、マスターシステム版との切り替えも可能とし、ユーザーから好評を博しました。
この成功を受けて、LizardCubeとDotEmuは2020年に「ベア・ナックルIV」を発売。シリーズの第4作であり、「ベア・ナックル3」の10年後の世界を2Dで描いた本作は、ビジュアル・サウンド・快適な操作性、技の爽快感などが「ベア・ナックル」らしさを堅持し、メディアとユーザーから高い評価を得ました。
その他にも、セガは2018〜2019年に電脳戦機バーチャロン、2020年にパンツァードラグーン、2021年にアレックスキッドのミラクルワールド、2023年にザ・ハウス・オブ・ザ・デッドとサンバDEアミーゴなど、頻繁に自社IPのリメイク・リブートに挑戦しています。
リブートの意義
セガが過去に手掛けたリブート作品は、全てが成功とは言えませんでした。しかし、近年の作品は、過去作の魅力を保ちつつ、最新の技術やトレンドを取り入れることで、高い評価を得ています。
例えば、「龍が如く」シリーズなどでは、オープンワールド内のゲームとして過去作を巧みに活用し、「SEGA AGES」シリーズでは、3DSとSwitchで展開し、ハードの特徴を活かした移植が施されている。例えば、「アウトラン」では、3DS版では立体視機能を、Switch版では高解像度化とマシンのチューンナップを採用するなど、それぞれのハードに最適化された移植が好評を得ました。
さらに、小型ゲーム機「メガドラミニ」や「アストロシティミニ」には、セガの過去の人気タイトルが収録されている。これらのゲーム機は、当時の雰囲気をそのままに、手軽に遊べるという点で、幅広い層から人気を集めました。
リブート作品は、過去の作品を再現するだけでなく、新たな魅力を付加することで、セガは過去にゲームをプレイしていたファンだけでなく、新たなファン層を開拓する可能性を秘めています。今後もセガがリブート作品に注力することで、自社のIPをより多くの人に訴求していくことが期待されます。