スクウェア・エニックスは、新たな中期経営計画の一環として、今後主力タイトルをマルチプラットフォーム展開することを発表しました。これにより、これまで特定のゲーム機独占タイトルとしてリリースしてきた作品群も、複数のプラットフォームで楽しめるようになる見込みです。
スクウェア・エニックスは、「Square Enix Reboots and Awakens〜さらなる成長に向けた再起動の3年間〜」と題した新中期経営計画を発表しました。この計画では、今後3年間の戦略を明確化し、長期的な成長を目指します。その柱の一つとして、「マルチプラットフォーム戦略への転換」が掲げられています。
具体的には、スクウェア・エニックスは「任天堂のゲーム機、PlayStation、Xbox、PCなど、主要なプラットフォームを積極的に活用し、より多くのゲーマーに作品を届ける」と述べています。これにより、「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」などの主要タイトルや、過去の人気作を含む「カタログタイトル」を、より多くのプレイヤーが楽しめる環境を構築することが可能になるとのことです。
近年、スクウェア・エニックスは『ファイナルファンタジーVII リメイク』や『ファイナルファンタジーXVI』のような、特定のゲーム機独占タイトルをリリースしてきました。しかし、これらのタイトルが必ずしもすべてのゲーマーに届いているわけではなく、業績面においても十分な成果を上げていない可能性が指摘されています。
今回のマルチプラットフォーム戦略は、より多くのゲーマーに作品を届け、収益拡大を図る狙いがあると見られます。
スクウェア・エニックスは、今回の経営計画において「量よりも質への転換」も強調しています。今後は、より多くのプレイヤーに満足いただけるゲーム開発に注力し、「お客様に喜びを提供し、ブランドへのロイヤルティを高める興奮を保証するタイトルを発売し、定期的にAAAクラスのゲームをリリースすることで、主要なゲームのファンベースを維持および拡大する」としています。
この経営計画は、2024年2月に開催された財務業績説明会で初めて示唆されました。当時、桐生隆史社長は、ゲーム品質向上のため開発プロセスを見直しており、詳細については春に公表する予定であることを述べていました。
本日発表された最新の財務業績では、スクウェア・エニックスは「マルチプラットフォーム開発や内部開発能力の強化など、HDゲームの開発に対する見直し」に合致しないプロジェクトをキャンセルしたことを明らかにしています。これは、今回のマルチプラットフォーム戦略への転換に伴い、一部のプロジェクトが中止または延期されたことを示唆しています。
スクウェア・エニックスの今回の決断は、ゲーム業界に大きな影響を与える可能性があります。今後の動向に注目が集まります。
情報元:VGC