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マイクロソフト、ゲーム部門で650名削減 : 組織再編と収益性向上への新たな戦略

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マイクロソフトがゲーム部門で650名の人員削減を実施。アクティビジョン・ブリザード買収後の再編の一環で、主にコーポレート部門とサポート部門が対象。ゲーム業界の急激な変化に対応し、収益性向上と成長戦略の具体化が注目される。

大規模リストラの背景と概要

マイクロソフトは、ゲーム部門で約650名の人員削減を発表しました。この決定は、2023年10月に完了したアクティビジョン・ブリザードの690億ドルでの買収後の組織再編の一環として行われています。

ゲーム部門責任者のフィル・スペンサー氏は、従業員向けのメールで次のように説明しました。「買収後のチーム構造を見直し、事業をより効率的に管理するため、マイクロソフト・ゲーミング部門全体で約650の役職(主にコーポレート部門およびサポート部門)を削減することを決定しました。これは、長期的な成功を見据えた戦略的な措置です。」

この人員削減は、マイクロソフトのゲーム部門における今年2度目の大規模な再編であり、2024年1月にはXbox、ゼニマックス/ベセスダ、アクティビジョン・ブリザードを含む部門で合計1,900名の解雇が発表されていました。

マイクロソフトの動きが示唆するもの

パンデミック後の急成長を経て、ゲーム業界は調整局面に入りました。ソニーのプレイステーション部門やライオット・ゲームズなど、他の大手企業も同様の人員削減を行っており、業界全体で構造変化が進んでいることがわかります。

今回の人員削減は、モバイルゲーム部門にも影響を与えており、「Warcraft Rumble」や「Call of Duty Warzone Mobile」の一部のチームが対象となっています。これにより、マイクロソフトがモバイルゲーム戦略を再検討していることがうかがえます。

収益性向上への具体的取り組み

マイクロソフトの2024年第2四半期の財務報告によると、ゲーム部門の収益は前年同期比33%増加しましたが、その約40%はアクティビジョン・ブリザードの買収によるものです。このことは、アクティビジョン・ブリザードを除くと、ゲーム部門全体の収益は減少している可能性を示唆しています。

マイクロソフトは、収益性向上に向けて次の戦略を進めています:

  1. コスト最適化:人員削減を通じて運営コストを削減
  2. ポートフォリオの見直し:低収益プロジェクトの縮小や中止
  3. クロスプラットフォーム展開:Xbox Game Passのさらなる拡大
  4. クラウドゲーミングの強化:Azure基盤を活用したサービスの拡充

また、マイクロソフトの2024年6月30日締めの年間総営業利益は1,090億ドルと前年を上回り、全社的には好調を維持しています。さらに、今秋には「Call of Duty:Black Ops 6」などの大型タイトルのリリースも控えており、ゲーム部門の業績回復が期待されています。

組織再編の社内への影響

今回の650名の人員削減を受け、社内では様々な反応が見られています。アクティビジョン・ブリザードの買収後に実施されたこの戦略的な転換は、従業員の間で不安や期待が入り混じった状況を生み出しているようです。

今後、マイクロソフトがどのように組織再編を進め、従業員のモチベーションを維持しながら、新たな成長戦略を実現していくかが注視されています。

戦略的転換と新たな課題

この一連の動きは、ゲーム業界全体で進行中の構造変化を反映しています。大規模な買収と統合、効率化を目指した組織再編、そしてモバイルゲーム市場の成長鈍化など、複数の要因が複雑に絡み合っています。

特に注目されるのは、マイクロソフトがモバイルゲーム戦略を再検討している点です。アクティビジョン・ブリザード買収の際、モバイル分野の強化が大きな理由とされていましたが、今回の人員削減はその戦略に修正が加わる可能性を示唆しています。

一方で、コンソールやPC向けの大型タイトルへの注力は続けられており、ゲーム業界全体として、コンテンツの質と収益性のバランスを追求する姿勢が見られます。

今後も続く組織再編

今回のマイクロソフトの決定は、ゲーム業界全体における大規模な構造変化を象徴する出来事です。この再編は、長期的な成長と収益性向上を目指す戦略的な動きと捉えられます。

今後、この組織再編がマイクロソフトのゲーム事業にどのような影響を及ぼすのか、そして業界全体にどのような波及効果をもたらすのかに注目が集まります。急速に変化するゲーム業界において、各社の戦略的対応が今後の競争力を左右する重要な要因となるでしょう。

情報元:GameFile

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