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「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」から見る、任天堂の開発会社育成戦略

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「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」の開発元がGREZZOであることが判明しました。同社は過去に任天堂の複数のタイトルのリメイクを手掛けており、リメイク作品制作後に新作を開発するという流れは、業界内で注目されています。このパターンは、他のシリーズでも見られ、任天堂がサードパーティとのコラボレーションを通じて、リメイク作品から得られた知見を新作に活かしていると考えられます。

リメイクから新作へ ─ GREZZOが担う新たな挑戦

「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」(The Legend of Zelda: Echoes of Wisdom)のリリースが間近に迫っています。本作は、シリーズ初めてゼルダ姫が主人公となる画期的なアクションアドベンチャーゲームです。ゼルダ姫は剣を使わず、魔法の杖「トリィロット」を駆使してアイテムや敵を「カリモノ」として召喚し、謎解きを行います。ストーリーは、謎の「神隠し」現象によりリンクが行方不明となり、ゼルダ姫が彼を救うために冒険に出るという展開です。

この注目作の開発を担当しているのが、GREZZOであることが購入時の著作権表記により確認されました。GREZZOはこれまで、Nintendo 3DS向けの「ルイージマンション」や「ゼルダの伝説 ムジュラの仮面 3D」など、数々のリメイク作品に携わってきました。これは同社が以前手掛けた「ゼルダの伝説 夢をみる島」のリメイクからの流れと同様であると考えられます。

他シリーズでも見られる同様の戦略

このような任天堂の戦略は、他のシリーズでも見られます。リメイクを手掛けたサードパーティが後に新作開発を担当するケースが存在するのです。たとえば、スペインのゲーム開発会社MercurySteamは、Nintendo 3DS向けに「メトロイド サムスリターンズ」のリメイクを制作した後、メトロイドシリーズ最新作「メトロイド ドレッド」を手掛けました。MercurySteamのリメイクでの成功が、任天堂とのさらなる協力関係を築き、新作開発への道を開いたのです。

「メトロイド ドレッド」では、リメイクを通じて得た知識や技術が新作開発に活かされたことが明らかになっています。シリーズプロデューサーの坂本賀勇氏は、リメイクの際にMercurySteamの開発力に感銘を受け、その後の新作制作に繋がったと述べています。このように、リメイクを通じてサードパーティが任天堂の高い基準に適応し、その後の大規模なプロジェクトに関与するという流れが見られます。

さらに、MAGES.も「ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者」と「ファミコン探偵倶楽部 うしろに立つ少女」のリメイクを任天堂の監修のもとで制作した後、新作「ファミコン探偵倶楽部 笑み男」を開発しました。このように、任天堂の知識と技術をリメイクを通じて吸収したサードパーティが、新作の制作に着手するというパターンは、複数のシリーズにわたって見られます。

業界全体に広がる多面的な利点

任天堂は、サードパーティにリメイクを任せることで、新作開発に向けた人材育成を行っていると考えられます。この戦略には複数の利点があります。まず、開発者は任天堂のゲームデザインやユーザーの期待を深く理解し、新作に反映させることができます。また、任天堂にとっては、信頼できるパートナーを育成し、自社のリソースを効率的に活用しながら、高品質な作品を生み出すことができます。

他のゲーム会社でも、リメイクを通じて開発者が学び、新作に活かすという事例が見られます。例えば、Capcomは過去の作品のリメイクを行い、その経験を新作に反映させています。また、Square Enixも同様のアプローチを取っています。この制作方法は今後も続くと思われます。

「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」は2024年9月26日に全世界で発売予定です。GREZZOがこれまでのリメイク経験をどのように活かし、どんなゼルダ体験を生み出したのか、多くのファンが期待を寄せています。

情報元:Universo Nintendo

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