PlayStation VR2は、SteamVRでの使用率が急上昇し、最新データでトップ10にランクインしました。PC対応アダプターの発売が影響し、9月には2.39%のシェアを獲得。今後、ソニーがPSVR2の展開においてどのような戦略を打ち出すのか、業界の注目が集まっています。
PSVR2のPC対応
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、2023年2月にPlayStation 5専用の次世代VRヘッドセットであるPlayStation VR2(PSVR2)を発売しました。PSVR2は、その高度な技術と革新的な機能により、発売当初から多くのゲーマーの注目を集めていました。そして、2024年8月に発売されたPC対応アダプターにより、PSVR2はより広範なユーザー層にその魅力を提供できるようになりました。
SteamVRでトップ10入り
Steamが発表した最新のハードウェア&ソフトウェア調査結果によると、PlayStation VR2(PSVR2)はSteamVRで利用されているVRヘッドセットのシェアにおいて、9位にランクインしました。このデータは、Steamプラットフォームのユーザーを対象としたランダムサンプリングに基づいており、2024年9月時点でのPSVR2のシェアは2.39%に達しています。Steamの月間アクティブユーザー数が約1億3200万人であることを考慮すると、このシェアは概算で約31,500人のユーザーに相当すると推定されます。この結果は、Oculus QuestやVive Proといった競合製品を上回るものであり、PSVR2がSteamVRのユーザーコミュニティにおいて一定の支持を得ていることを示しています。
Steamハードウェア&ソフトウェア 調査: September 2024(VR Headsetsの項目)
PSVR2の技術的特徴
PSVR2の成功の背景には、いくつかの技術的な特徴が挙げられます。このヘッドセットは、通常のOLEDパネルを採用しており、マイクロOLEDを搭載した他のVRヘッドセットに比べて、コストパフォーマンスに優れた色彩とコントラストを実現しています。しかし、その一方で、画像が柔らかく、ノイズが目立つというデメリットもあります。さらに、HDR、視線追跡、ヘッドランブルといった高度な機能も搭載されていますが、これらはPlayStation 5でのみ利用可能で、PCでは制限されています。
どのVRヘッドセットが最適かは個人の好みによる部分が大きいです。PSVR2は、OLEDの豊かで深みのある色彩を提供しますが、やや柔らかくノイズが多い画像が特徴です。対して、LCDを搭載した競合製品は、シャープでクリアな画像を提供するものの、色味がやや鈍くなります。これらの違いを考慮し、ユーザーは自分のプレイスタイルに最適なヘッドセットを選択する必要があります。
PC対応アダプターで広がる利用者層
発売直後から、画面の美しさや機能性の高さが評価されてきたPSVR2ですが、PlayStation®5での対応タイトルの少なさや汎用性の低さがデメリットとされていました。大きな転換点は、2024年6月にソニーがPSVR2のPC対応を公式に発表したことです。これにより、同年8月には専用アダプターがリリースされ、PSVR2をPCで使用できるようになりました。このアダプターを使用することで、SteamVRを通じて多くのVRゲームを体験できます。実際、アダプターのリリースに伴い、PSVR2のSteamVRでの使用率は急上昇しています。
今後の成長はソフトウェアの充実に
PlayStation VR2が今後、より多くのユーザーに受け入れられるためには、ソフトウェアの充実と対応タイトルの増加が不可欠です。近年の動向としては、PC向けアプリ『PlayStation VR2 App』の配信開始により、「Half-Life: Alyx」や「Fallout 4 VR」といったSteamの人気VRゲームがプレイ可能となり、対応タイトルの幅が広がりました。また、PlayStation独自のVR対応タイトルである「Gran Turismo 7」のPC版もPSVR2で楽しめます。加えて、独立系開発者による独創的なVRゲームの登場は、PSVR2の市場における魅力をさらに高める上で重要な要素となるでしょう。
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