
人類滅亡後の世界を舞台にした新作ゲーム「Light of Motiram」が話題に。人気作「ホライゾン」との類似性が指摘される中、協力プレイや建築システムなどの独自の要素にも注目。模倣か、それとも新たな挑戦か?
「Light of Motiram」に巻き起こる模倣論争
中国の大手企業テンセント傘下のポラリスクエストが開発を進める新作オープンワールド・サバイバルRPG「Light of Motiram(ライト・オブ・モティラム)」が、発表直後から大きな注目を集めています。本作は、文明崩壊後の世界を舞台にしたゲームですが、ソニーの人気シリーズ「ホライゾン」との著しい類似性が指摘され、激しい模倣論争へと発展しています。
「Light of Motiram」では、人類文明が滅びた未来を舞台に、プレイヤーが機械生命体「メカニマル」と共存しながら生き抜いていきます。最大10人でのオンライン協力プレイ(Co-op)や、物理演算を活用した拠点建築(ベースビルディング)、100種類以上のメカニマルのカスタマイズ機能など、多彩な要素が特徴です。しかし、その世界観やデザインが、「ホライゾン」シリーズや他のゲームから強い影響を受けているのではないかという批判が相次いでいます。
Light of Motiram Teaser Trailer
なぜ模倣と言われるのか?「ホライゾン」との共通点
「Light of Motiram」の設定やデザインは、「Horizon Zero Dawn」や「Horizon Forbidden West」との数多くの共通点が指摘されています。海外の巨大掲示板RedditやX(旧Twitter)では、「これは『ホライゾン』のスキンを変えただけだ」といった厳しい意見や、両作品の類似点を比較する投稿が相次いでいます。


特に顕著な類似点として、以下の7点が挙げられます。
・世界観
機械生命体が自然界の頂点に立つ、文明崩壊後の地球という舞台設定。
・機械生物のデザイン
「メカニマル」と呼ばれる機械たちが、「ホライゾン」シリーズの機械獣とコンセプトや形状において酷似。牛に似た機械は「ブロードヘッド」を彷彿とさせます。
・ビジュアルスタイル
全体のアートの方向性、色彩感覚、自然環境のデザインが非常に似通っています。
・キャラクターデザイン
公開された主人公らしきキャラクターが、「ホライゾン」の主人公アーロイと同じく赤髪で、弓矢を主な武器としています。
・衣装デザイン
登場人物がまとう、原始的な部族の要素と未来的な金属パーツを組み合わせた衣装のデザイン。
・ゲームプレイ要素
機械との戦闘、弓矢による狙撃、広大なオープンワールドの探索といった基本的なゲーム体験。
・プロモーション画像
複数の海外ゲームメディアが、「Light of Motiram」のプロモーション画像は、「Horizon Forbidden West」の特定のアートワークと構図や配置がほぼ同一であると並べて比較し、その類似性を指摘しています。
これらの点から、多くのゲームファンが「Light of Motiram」を「ホライゾン」シリーズの露骨な模倣だと批判しており、一部では開発元であるゲリラゲームズが法的措置を検討すべきだという声も上がっています。
「Light of Motiram」の独自性
模倣論争の一方で、「Light of Motiram」は「ホライゾン」にはない独自の魅力で差別化を図ろうとしています。
・オンライン協力プレイ
最大10人でシームレスに協力できるマルチプレイは本作最大の特色です。仲間と資源を共有し、巨大な敵に挑むなど、戦略的なサバイバル体験を提供します。
・メカニマルの育成・カスタマイズ
100種類以上のメカニマルを捕獲し、育成・カスタマイズできます。「ホライゾン」が機械獣との「戦闘」に焦点を当てているのに対し、本作は「共生」や「育成」に重点を置いている点が異なります。
・拠点建築システム
物理演算を活用した自由度の高い拠点建築(ベースビルディング)システムも本作の目玉です。プレイヤーは独自の要塞やクリエイティブな建造物を作り上げ、ゲームプレイに戦略的な深みを与えます。
開発者と業界の反応
テンセント側はこの模倣疑惑について公式な声明を出していません。しかし、開発チームはインタビューで「『ホライゾン』シリーズから影響を受けたことは否定しないが、協力プレイや建築システムなど、我々独自の要素を多く取り入れている」と語っています。
一方、ソニーとゲリラゲームズは現時点で沈黙を保っています。一部のゲームメディアでは、「類似点は認められるものの、ゲームの根幹となるプレイ体験の違いから、法的な問題に発展する可能性は低い」との見方も示されています。
発売日は未定の「Light of Motiram」ですが、すでにSteamとEpic Games Storeではウィッシュリストへの登録が可能です。この論争が結果的に知名度向上に貢献している側面もあり、正式リリース後のプレイヤーからの評価が待たれます。
「Light of Motiram」は、偉大な先駆者の単なる模倣で終わるのか、それとも独自の要素でプレイヤーを魅了し、新たなファンを獲得するのか。その答えは、正式リリース後の私たちの評価に委ねられています。
情報元:VGC
11月30日追加記事 :
「Light of Motiram」がPS5、iOS、Androidに追加対応。ゲームプレイ映像を公開
テンセントのポラリスクエストとAurora Studioが共同開発するオープンワールドサバイバルゲーム「Light of Motiram」が、2025年に無料プレイでリリースされることが決定しました。
当初はPC(Steam、Epic Games Store)版のみの発表でしたが、新たにPlayStation 5、iOS、Android版のリリースも決定しました。より多くのプレイヤーが、マルチプレイに参加することが見込まれます。
「荒野起源」中国公式サイトにて公開されたゲームプレイ映像では、広大なオープンワールドを舞台に、資源を集め、アイテムをクラフトし、生き抜くためのサバイバル要素が詳細に描かれています。
「ホライゾン」と見た目が類似している点もありますが、この映像を見るとその違いが際立って見えます。
「荒野起源」中国公式サイト:
https://hyqy.qq.com/index.html#index
6分間のトレーラー映像:
https://hyqy.qq.com/detail.html?id=acabe094-01ed-4f6e-b4f2-de4dab32e1f9
16分間のゲームプレイ映像:
https://hyqy.qq.com/detail.html?id=adbe3f02-09de-4176-9580-0a9dca06b69a