Capcomは、歴代シリーズから新規プレイヤーの離脱に関する課題を徹底的なデータ解析で洗い出し、新作「モンスターハンターワイルズ」にその知見を反映。プレビューイベントでの開発陣へのインタビューを通じて、最新の開発アプローチを検証しました。プレイヤーのアクセシビリティ向上とユーザー体験の充実を図る取り組みに注目です。
新作「ワイルズ」に込められた開発思想
Capcomは、長年にわたり世界中で高い人気を誇るモンスターハンターシリーズの開発において、新規プレイヤーの導入と既存ユーザーの維持に関して重要な課題に直面していました。同社は「モンスターハンターワールド」のデータ分析により、一部のプレイヤーがモンスターとの戦闘という本来の面白さを体験する前に離脱してしまっていることが判明。今回の取り組みは、この問題に対する具体的な解決策を「モンスターハンターワイルズ」で実現するためのものです。
新規プレイヤーへのデータに基づく改善策
プレビューイベントでのインタビューにおいて、プロデューサーの辻本良三氏とディレクターの徳田優也氏は「すべてのモンスターハンタータイトルにおいて、そのタイトルからシリーズを始める新規プレイヤーのことを常に考えてきました。「モンスターハンターワールド」も同様で、多くの人にとって初めてのモンスターハンターになることを想定して制作しました」と述べています。
その結果、世界中の多くの新規プレイヤーがシリーズに参加することとなりましたが、同時にゲームを途中で離脱してしまうユーザーの存在も明らかになりました。開発チームは「ワールド」でのデータ分析を通じて、プレイヤーがどの時点でプレイを中断したのか、またその理由について詳細な調査を行いました。
開発陣は「単純な難易度の問題だけではなく、モンスターハンターの本質的な楽しさであるモンスターとの戦闘アクションに到達する前に離脱してしまうプレイヤーがいることが判明しました」と説明しています。この知見に基づき、「ワイルズ」ではプレイヤーがよりスムーズにゲームの本質的な面白さを体験できるよう設計されています。
具体的な改善例として、プレイヤーを自動的にモンスターの元へ導くマウント「セクレト」が実装されました。これは、過去作品において一部のプレイヤーがマップ上でモンスターを探す過程にストレスを感じていたという分析結果を受けての施策です。「セクレト」は、プレイヤーの操作なしで自動的にモンスターの位置まで移動し、戦闘の準備が整った状態でプレイヤーを降ろします。これにより、プレイヤーはより迅速かつ効率的にゲームの核心部分に到達できるようになりました。
狩りの本質を際立たせる多岐にわたる改善
開発チームは、モンスターとの戦闘アクションこそが本作の核心的な楽しさであると位置づけ、プレイヤーがその体験により早く、より自然に到達できるよう工夫を重ねています。「セクレト」の導入に加え、初心者向けのチュートリアルの改善や、ユーザーインターフェースの直感的なデザインの採用など、多岐にわたる改善が施されています。
さらに、モンスターの行動パターンをより分かりやすく表現し、プレイヤーが戦略を立てやすくするための視覚的なキューの追加や、武器の操作感の微調整など、細部にまでこだわった改善が行われています。これらの改善により、新規プレイヤーの継続的なプレイを促進し、シリーズの新たなファン層の拡大につながることが期待されています。
データ分析に基づく新たな開発アプローチ
「モンスターハンターワイルズ」は、徹底的なデータ分析とユーザー視点に立った設計思想を融合させた意欲的なプロジェクトです。プレイヤーの行動データを詳細に分析し、その結果をゲームデザインに直接反映させるという、新たな開発手法を採用しています。具体的には、プレイヤーの離脱ポイントを特定し、そのポイントでの体験を改善することで、より多くのプレイヤーがゲーム本来の面白さを体験できるよう設計されています。
Capcomの今回の取り組みは、確かなデータに基づく改善と新規プレイヤーへの配慮を両立させた、新しい開発手法を示すものと言えるでしょう。新規プレイヤーの獲得と既存ファンの維持という両面において、このようなアプローチは重要な示唆を与えており、業界内外から大きな関心が寄せられています。
本作は2025年2月28日にPS5、Xbox Series X|S、PC向けにリリースされる予定です。
ポチップ
情報元：MP1ST
