
2025年3月20日発売の「アサシン クリード シャドウズ」について、開発を手がけるUbisoft Quebecが制作秘話を解説。戦国時代の日本を舞台にした本作では、刷新されたステルスシステム、2人の主人公「奈緒江」と「弥助」、そしてダイナミックな環境構築など、最新技術を駆使した没入感あふれる世界と進化したゲームデザインの詳細に迫る。
戦国時代を舞台にした開発背景
「アサシン クリード シャドウズ」は、長年のファン待望となる戦国時代の日本を舞台にした作品で、2025年3月20日に発売予定です。本作では、2人の主人公の視点から物語が展開し、伝統的な忍びのステルス要素と侍の戦闘スタイルが融合されています。さらに、歴史的背景に忠実な「Canon Mode」も特徴の一つです。「Canon Mode」とは、ゲーム内の選択肢によるストーリーの分岐をなくし、歴史的な出来事をより正確に体験できるようにするモードです。このモードは、選択肢による分岐がないため、ストーリーが一本道となり、よりドラマチックな展開を楽しめます。開発チームが意図した物語を、完全に体験することができます。
【日本語吹替版】『アサシン クリード シャドウズ』 – ストーリートレーラー
本作の開発は、Ubisoft Quebecが主導し、VP兼エグゼクティブプロデューサーのマーク=アレクシス・コテ氏、クリエイティブディレクターのジョナサン・デュモン氏、UXディレクターのジョナサン・ベダール氏、アソシエイトゲームディレクターのシモン・ルメイ=コムトワ氏らが中心的な役割を担いました。彼らのインタビューを通じて、本作の開発過程や課題が明らかになっています。
企画初期段階と奈緒江のキャラクター設計
「アサシン クリード」シリーズでは、以前からファンを中心に「日本を舞台にした作品を遊びたい」という要望が数多く寄せられていました。開発チームは、戦国時代の封建日本がシリーズのテーマに合致すると考え、綿密なリサーチを重ねました。
「当初は他の候補地も検討しましたが、戦国時代こそがステルスゲームの新たな可能性を切り拓く舞台だと確信しました」とルメイ=コムトワ氏は語ります。
忍びとアサシンには多くの共通点があり、特に本作の主人公である奈緒江は、伝統的な忍びのスタイルを体現することで、ゲームプレイの中核にステルスを据えることが可能になりました。デュモン氏によると「奈緒江のキャラクターを詳細に設計していく中で、侍のファンタジー要素も魅力的だと感じた」ことから、奈緒江とは異なるプレイスタイルを持つキャラクター「弥助」の導入が決定したとのことです。
奈緒江と弥助:2人の主人公システム
本作では、プレイヤーは忍びとして育った奈緒江と、侍の弥助という2人の主人公を操作できます。開発初期から2人の視点を取り入れることは決定していましたが、その実装には多くの試行錯誤がありました。
「2人のキャラクターでストーリーをどのように絡み合わせるかが大きな課題でした。しかし、最終的には戦国時代の複雑な歴史背景を生かし、異なる文化を持つ2人のキャラクターを通じて、これまでにない体験を生み出せると確信しました」とデュモン氏は説明します。
奈緒江の忍びとしての背景設定は、ステルス要素をゲームプレイの中心に据えるという開発チームの意図に、まるでシンデレラのガラスの靴のように完璧に合致したと開発チームは述べています。奈緒江の視点を通じて、プレイヤーは伝統的な忍びの技能とアサシンの信条を融合させた、新たなゲームプレイを体験できます。
最新技術による物理環境の構築
「アサシン クリード シャドウズ」では、前世代機を切り離し、最新ハードウェアに最適化された環境を実現しました。特に注目すべき点は、
- 物理ベースのグラップリングフック : 奈緒江の移動の自由度を高め、より流動的なステルスゲームプレイを可能にします。
- Atmosと呼ばれる新しい天候シミュレーションシステム : リアルタイムで変化する天候が、ゲームプレイに直接影響を与えます。
- ダイナミックな影がステルスに影響する仕組み : 時間帯や光源によって変化する影が、奈緒江のステルス戦略に奥深さを加えます。
「私たちは、より流動的で没入感のある世界を創り出すことを目指しました。影を活用したステルス、環境に適応するAI、緻密な建築物や風景の描写など、技術的な進化を最大限に活用しています」とルメイ=コムトワ氏は述べています。
特に奈緒江のようなステルスを重視するキャラクターでは、これらの環境要素が戦略的なプレイに大きく影響します。奈緒江は影を利用した移動や、グラップリングフックによる垂直方向の移動を得意とし、変化する天候条件に合わせた戦術の変更も求められます。
奈緒江のプレイスタイルと暗殺システム
本作では、一部の敵は暗殺を生き延びたり、回避したりすることがあります。「確実な暗殺」オプションも用意されていますが、開発チームはまず、意図された通りのゲームを体験することを強く推奨しています。スキルや装備の特性を活かし、最適な攻撃角度や優先順位を考えることで、より充実したステルス体験が得られるでしょう。
奈緒江のプレイスタイルは、特にこの新しい暗殺システムと相性が良く、状況に応じた適応力と戦略的思考が求められます。「誰を最初に倒すか、最適な攻撃角度はどこか、どうすれば標的を最適な攻撃角度に誘導できるか、これらすべてが奈緒江を操作する上で重要です」と開発チームは説明しています。
発売後のDLCと今後の展開
発売後2025年後半には、10時間を超える追加DLC「淡路の罠(Claws of Awaji)」も予定されており、本編のストーリー完結後を描く内容で、より不気味な雰囲気を持つ淡路島が舞台となります。プレイヤーは新たな敵勢力「山賊一派」と対峙することになり、奈緒江用の新しい武器「棒」も導入される予定です。「棒」は奈緒江が扱う新たな近接武器で、従来とは異なる種類のダメージを与えることができ、非致死的な選択肢も含まれています。
加えて、Ubisoftは本作の長期的なサポートも計画しており、アップデートやイベントを通じて継続的にコンテンツを提供するとしています。
「プレイヤーのフィードバックを積極的に取り入れながら、より良いゲーム体験を提供していくつもりです。今後の展開にもぜひご期待ください」と開発チームは語ります。
まとめ
「アサシン クリード シャドウズ」は、シリーズの伝統を継承しつつも、新たな舞台とキャラクターを通じて進化を遂げた作品です。特に奈緒江による忍びとしてのステルスゲームプレイは、シリーズの原点回帰でありながらも新鮮な体験を提供します。戦国時代のリアルな世界観、ダイナミックなステルスシステム、そして2人の異なる主人公の物語が織りなす壮大なストーリーは、多くのプレイヤーを魅了することでしょう。
「アサシン クリード シャドウズ」は、2025年3月20日に発売予定です。主要なゲームプラットフォーム(PlayStation®5、Xbox Series X|S、PC、Mac)に対応し、Ubisoft+やAmazon Lunaでもプレイ可能です。また、iPadにも今後対応予定です。

情報元:Gamerant