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ニール・ドラックマン氏、 「Intergalactic」を語る ─ 宗教と孤独が交錯するSF大作

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ノーティードッグのニール・ドラックマン氏が、配信番組のインタビューで新作「Intergalactic: The Heretic Prophet」について語った。600年間沈黙した惑星と独自の宗教体系を舞台に、壮大なSF冒険が展開される。「The Last of Us」(2013年)以来の新規IPに期待が高まる。

代替歴史と宇宙規模の宗教

ドラックマン氏はソニーの「Creator to Creator」シリーズでのインタビューで、本作が単なるアクションアドベンチャーではなく、宗教、歴史、そして「世界全体が沈黙したときに何が起こるか」という壮大なテーマを探求するSF作品であることを強調しました。

「チームは何年もかけてゲームの設定を構築してきました。1980年代後半の私たちのタイムラインから『逸脱』し、まったく異なる歴史へと分岐しています」とドラックマン氏は説明します。

世界構築の重要な要素として、開発チームは「元の預言者から2,000年にわたる進化」を含む新しい宗教を創造しました。この信仰体系は、メインストーリーの舞台となる惑星センピリア(Sempiria)と深く結びついています。

Creator to Creator: Neil Druckmann (The Last of Us) & Alex Garland (28 Years Later) | Sony

600年間の沈黙と謎の惑星

「ある時点で、この惑星からのすべての通信が停止しました」とドラックマン氏は明かし、「600年間、誰もセンピリアから何も聞いていない」と付け加えました。この長きにわたる沈黙の謎が物語の核心となります。

プレイヤーは賞金稼ぎのジョーダン・A・マンとなり、ターゲットを追う途中でセンピリアに不時着。そこから惑星の謎を解き明かし、何が起こったのかを探る旅が始まります。

孤独と発見のテーマ

同インタビューでドラックマン氏は次のように述べています。

「信仰と宗教に関するゲームを作りたかったのですが、同時に孤独についても探求したかった。これまで制作したゲームの多くには、常に味方となる存在がいました。しかし今回は、プレイヤーが本当に迷子になり、混乱するような場所に迷い込む体験を提供したいのです」

この孤独感は、プレイヤーが見知らぬ世界で「何が起こったのか」「ここにいる人々は誰なのか」「彼らの歴史はどのようなものか」といった疑問に直面する中で、ゲームプレイの核となる要素となるでしょう。

「The Last of Us」からの影響と創作の挑戦

ドラックマン氏は「The Last of Us Part 2」が賛否両論を巻き起こした経験に触れ、こう語りました。

「私たちは多くの議論を呼ぶクリエイティブな決断を下しました。多くの人がそのゲームを気に入っていますが、多くの人は嫌っています。だから今度は、人々があまり気にしないことをやってみよう、信仰と宗教についてのゲームを作ろうと(冗談交じりに思いついたのです)」

興味深いことに、同インタビューに参加した映画製作者のアレックス・ガーランド氏(「エクス・マキナ」「シビル・ウォー アメリカ最後の日」監督)は、「The Last of Us」を「28 Days Laterよりも優れている」と称賛しました。

「Intergalactic」のゲームプレイと開発詳細

現時点で明らかになっている「Intergalactic: The Heretic Prophet」の詳細は以下の通りです。

  • 舞台は2,000年後の未来だが、1980年代後半から分岐した代替歴史を基にしている
  • ゲーム内で重要な役割を果たす独自の宗教体系が存在
  • 惑星センピリアは600年間通信途絶状態
  • プレイヤーは賞金稼ぎジョーダン・A・マンとしてセンピリアに不時着
  • 孤独感と探索を重視したゲームデザイン
  • 宗教の起源と2000年の変遷を含む大規模な世界構築
  • Nine Inch Nailsのトレント・レズナーが音楽を担当
  • PlayStation 5専用タイトルとして開発中

また、ゲームのプレイスタイルについては、現時点での情報から推測すると探索型のアクションアドベンチャーになると考えられます。オープンワールド要素があるかは不明ですが、プレイヤーが惑星の謎を解き明かすことが主軸になるでしょう。

リリース日は未定ですが、開発が2020年に開始されたことから、筆者の推測では2025年後半から2026年初頭にかけての発売が見込まれます。ただし、ノーティードッグは品質管理に注力するため、必要に応じて延期される可能性があります。

業界展望

「Intergalactic: The Heretic Prophet」は、AAAタイトルにおける宗教と孤独というテーマの扱い方に新たな基準を示す可能性を秘めています。ノーティードッグは「The Last of Us」シリーズで感情的なストーリーテリングの先駆者となりましたが、今回は哲学的な問いかけを通じて、ゲームが持つ物語表現の可能性をさらに拡張しようとしています。

近年のゲーム業界ではマルチプレイヤー要素が主流となる中、あえて「孤独」をゲーム体験の核心に据えた点も注目されます。プレイヤーが単独で未知の文明を解明するプロセスは、従来のナラティブデザインとは一線を画す試みと言えるでしょう。

「Intergalactic: The Heretic Prophet」は、ノーティードッグが約11年ぶりに挑む新IPとして、ゲーム業界とプレイヤー双方から熱い注目を集めています。宗教と孤独というデリケートなテーマを、SFという枠組みでどう昇華させるか。その答えは、ゲームの発売とともに明らかになるでしょう。

情報元:TheGamePost

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