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最新ゲーム機は高嶺の花? 値上げ時代の賢いゲームの始め方・選び方

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昨秋から今春にかけて、Xbox、PS5が相次ぎ値上げ、Nintendo Switch 2も高価格に。なぜゲーム機は高くなった?家計への影響は?値上げの背景から、高価な最新機以外の選択肢(スマホ、クラウドゲーミング、PC、レンタル)まで、消費者の視点で解説。あらゆるものが値上がりする今の時代に自分に合ったゲームの楽しみ方のヒントを提供します。

加速するゲームコンソールの価格高騰

近年、私たちの娯楽に欠かせない存在となっている家庭用ゲーム機ですが、その価格上昇が続いており、多くの消費者を悩ませています。マイクロソフト社は主力ゲーム機「Xbox Series X」および「Xbox Series S」の価格改定を発表し、日本国内では2025年5月1日から新価格が適用されました。これにより、Xbox Series X(1TB)は約2万円値上がりし87,980円、Xbox Series S(512GB)も約1万8千円値上がりし62,480円となりました。コントローラーなどの周辺機器も同様に値上げされています。

この動きはマイクロソフト社に限ったことではありません。ソニーグループも「PlayStation 5(PS5)」の価格を2024年9月に改定し、通常版は79,980円、デジタル・エディションは72,980円となっています。さらに高性能モデルとされるPlayStation 5 Proに至っては119,980円と、10万円を超える価格設定です。任天堂が2025年6月5日に発売する次世代機「Nintendo Switch 2」も49,980円と、前モデルから大幅な値上げとなります。

こうしたゲーム機値上げの波は、消費者にとって大きな負担増となり、「最新のゲームを遊びたいけれど、ゲーム機が高くて手が出しにくい」と感じる方も少なくないでしょう。かつては比較的手頃な価格で家庭娯楽の中心にあったゲーム機ですが、その位置づけは変わりつつあるのかもしれません。

なぜゲーム機は高くなったのか? 値上げの要因

では、なぜこれほどまでにゲーム機の価格は上昇しているのでしょうか。その背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。

  • 部品コストの上昇
    世界的な半導体不足は依然としてゲーム機の製造コストに影響を与えています。高性能なCPUやGPUなど、ゲーム機の心臓部となる部品の価格が高止まりしていることが、本体価格を押し上げる大きな要因です。
  • 開発費の増大
    よりリアルで美しいグラフィック、広大で複雑なゲーム世界、没入感を高める新たな技術など、ゲーム体験の向上には莫大な開発費用が必要となります。これらのコストが製品価格に反映されるのは避けられません。
  • 高性能化への要求
    4K解像度でのプレイや、読み込み時間を大幅に短縮する高速SSDの搭載など、ユーザーが求める体験水準は年々高まっています。メーカーはこれらの要求に応えるために高性能な部品を採用せざるを得ず、結果として製造コストが増加しています。
  • 世界的な経済状況
    インフレーションや為替レートの変動も、グローバルに製品を展開するゲーム機メーカーの価格設定に影響を与えます。特に円安が進む状況下では、輸入品の価格上昇は避けられません。

かつて、1983年に発売されたファミリーコンピュータは14,800円でした。もちろん、単純な物価比較はできませんが、現在のハイエンドモデルが10万円を超えることを考えると、ゲーム機が「子どものおもちゃ」から「高性能なエンターテインメント家電」へと性格を変えてきたことは明らかです。この価格帯の変化は、消費者の購入判断にも大きな影響を与えています。

各ハードの本体価格と平均年収に対する割合

機種             本体価格(税込)日本の平均年収     年収に対する割合(%)
1983ファミリーコンピューター14,800円3,380,900円0.44%
2025Nintendo Switch 249,980円4,450,000円(予測値)1.12%
2025PlayStation 5 Digital Edition72,980円4,450,000円(予測値)1.64%
2025PlayStation 5 Pro119,980円4,450,000円(予測値)2.70%
2025Xbox Series S(512GB)62,480円4,450,000円(予測値)1.40%
2025Xbox Series X(1TB)87,980円4,450,000円(予測値)1.98%

高価格化がもたらす変化と、広がる選択肢

最新の高性能ゲーム機は、確かに魅力的です。しかし、その価格は多くの消費者にとって気軽に購入できる水準を超えつつあります。この高価格化は、ゲームを楽しむための選択肢に変化をもたらしています。

1. アクセシビリティの格差と新たなサービス
最新機種を購入できる層が限られる一方で、「買わずに試す」という選択肢も登場しています。例えば、PS5本体のレンタルサービスなどが注目されており、月額料金で本体を利用し、自分のアカウントでゲームを楽しむことができます。これは、購入に踏み切れない消費者にとって魅力的な選択肢となり得ます。

2. スマートフォンの進化
今や多くの人が所有するスマートフォンは、目覚ましい性能向上を遂げ、高品質なスマホゲームを手軽に楽しめるプラットフォームとなりました。通勤・通学中や休憩時間など、場所を選ばずにプレイできる利便性は大きな魅力です。基本プレイ無料のタイトルも多く、ゲームへの入り口として最も身近な存在と言えるでしょう。

3. クラウドゲーミングの台頭
「Xbox Cloud Gaming」や「GeForce NOW」といったクラウドゲーミングサービスも、ゲームの楽しみ方を大きく変えつつあります。これらのサービスを利用すれば、高価な専用ゲーム機や高性能なPCを持っていなくても、インターネット環境さえあれば、スマートフォン、タブレット、低スペックPC、スマートTVなど、様々なデバイスで最新のゲームをプレイできます。多くは月額定額制(ゲーム サブスクリプション)で提供されており、初期投資を抑えたいユーザーにとっては非常に有力な選択肢です。Xbox Game Passのように、数百ものタイトルが遊び放題になるサービスは、コストパフォーマンスの面でも注目されています。

4. 根強い人気のPCゲーミング
高性能なゲーミングPCは、最高のグラフィック設定やフレームレートを追求したいコアなゲーマー層から依然として強い支持を受けています。初期投資は高額になりがちですが、ゲーム以外の用途にも使える汎用性や、MOD(ユーザー作成の改造データ)によるカスタマイズ性の高さ、Steamなどプラットフォームでの豊富なタイトルラインナップが魅力です。

このように、ゲーム機本体の値上げが進む一方で、消費者は自身の予算やライフスタイル、求めるゲーム体験に合わせて、より多様な選択肢の中からゲームの楽しみ方を選べるようになっています。「最新のゲーム機を買う」ことだけがゲームを楽しむ方法ではなくなったのです。

プラットフォーム企業の戦略と、考えるべきこと

ゲーム機メーカー(プラットフォームホルダー)であるマイクロソフト、ソニー、任天堂は、それぞれ異なる戦略でユーザーを引きつけようとしています。消費者は、これらの戦略を理解した上で、自分にとって最適なプラットフォームを選ぶことが重要になります。

マイクロソフト(Xbox)
Xbox Game Pass」という強力なゲーム サブスクリプションサービスとクラウドゲーミングを連携させ、「いつでも、どこでも、どのデバイスでも」遊べる環境の提供を目指しています。Xbox本体の値上げはありましたが、サービス全体としての価値を高める戦略です。将来的には携帯型デバイスの投入も噂されており、ハードウェアに縛られないエコシステム構築を進めています。

ソニー(PlayStation)
高品質な独占タイトルと、PS5本体の高性能なスペック、DualSenseコントローラーによる独自の操作感など、「PlayStationでしか味わえない体験」を重視しています。コアゲーマー層からの強い支持が特徴ですが、近年はPCへのタイトル展開も進めており、完全な独占戦略からは変化も見られます。

任天堂(Nintendo Switch)
マリオやゼルダといった強力な自社IP(キャラクターなどの知的財産)と、「Nintendo Switch 2」でも継承されるであろう据え置き・携帯のハイブリッドという独自のプレイスタイルが強みです。幅広い年齢層にアピールする、ユニークなゲーム体験を提供し続けています。

プラットフォームを選ぶ際には、「ロックイン効果」にも注意が必要です。これは、一度特定のプラットフォームでゲームソフトやダウンロードコンテンツを購入し始めると、そこで築いた資産(ゲームライブラリやフレンドリストなど)が理由で、他のプラットフォームに乗り換えにくくなる現象を指します。どのプラットフォームを選ぶかは、長期的な視点も持って検討する必要があるでしょう。

二極化と多様化が進むゲーム市場で、賢い選択を

今後のゲーム市場は、最高の体験を提供する「高性能・高価格な専用機」と、より手軽に多様なデバイスで楽しめる「低コストな代替手段(スマートフォン、クラウドゲーミング、PCなど)」という二極化が一層進むと考えられます。

ゲーム機の値上げは、消費者にとって確かに厳しい側面があります。しかし、同時に、ゲームの楽しみ方はかつてないほど多様化し、個々のニーズに合わせてパーソナライズ化される時代が到来したとも言えます。

リビングの大画面で最高のグラフィックを求めるのか、外出先で手軽に遊びたいのか、初期費用を抑えて多くのタイトルを試したいのか。自分のライフスタイルや予算、ゲームに求めるものを明確にし、様々な選択肢ゲーム機本体の購入、レンタルサブスクリプションクラウドゲーミングスマホゲームゲーミングPCなど)を比較検討することが、これからのゲームライフを豊かにする鍵となります。XboxPS5の値上げといったニュースに惑わされることなく、情報を吟味し、自分にとって最も賢い選択をしていきましょう。

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情報元:Bloomberg

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