
スクウェア・エニックスが新中期経営計画「Square Enix Reboots and Awakens」を発表。今後3年間でゲーム開発における「量より質」への転換と、より広範なユーザーに向けてマルチプラットフォーム戦略を強化し、事業再構築を目指す。「キングダム ハーツ IV」の新たな画像も公開され、期待作の開発状況にも注目が集まる。
スクウェア・エニックスの再起動
スクウェア・エニックスが発表した新中期経営計画「Square Enix Reboots and Awakens」。これは、今後3年間で「さらなる成長に向けた再起動」を目指すものであり、その動向が業界内外から注目されています。デジタルエンタテインメント事業では、「量より質」への明確な方針転換を掲げ、2027年3月期以降、大型タイトルを定期的にリリースしていく計画が明らかにされました。
マルチプラットフォーム戦略の展開も、すでに具体的な動きとして見られます。「ファイナルファンタジーXIV」のXbox版リリースや、人気作「ファイナルファンタジーVII リメイク」三部作の「Nintendo Switch 2」への展開発表は記憶に新しいでしょう。「ファイナルファンタジーVII リメイク インターグレード」は同コンソールのローンチタイトルの一つとなる見込みですが、「リバース」を含む残りのタイトルの発売時期については、現時点では未定です。
開発体制も見直され、全てのゲームタイトルを同一スタジオの管理下に置くとのことです。これにより、社内に蓄積されたゲーム開発のノウハウが集約・共有され、より高品質なゲームの安定供給体制を目指すとしています。
進行中のプロジェクトの一部は開発中止へ
この大胆な方針転換は、進行中のプロジェクトにも影響を与えています。開発中の複数のプロジェクトが見直され、一部タイトルの開発中止と将来有望なタイトルへの追加投資という、リソース最適化の判断が下されました。投資家向けの説明会では「国内スタジオの全プロジェクトをレビューし、開発リソースの選択と集中を実行する」との説明がありました。
モバイル向け「キングダム ハーツ ミッシングリンク」開発中止
開発中止が決定したタイトルの一つが、スマートフォン向けGPSアクションRPG「キングダム ハーツ ミッシングリンク」です。開発中止の理由として、同社は「長期にわたってお客様にご満足いただけるサービスの提供は困難と判断いたしました」と説明しています。本作は「キングダム ハーツ IV」の物語にも繋がる内容とされていたため、ファンからは惜しむ声も聞かれましたが、複数回実施されたクローズドベータテストの結果などを踏まえ、最終的にこの決断に至ったようです。
「キングダム ハーツ IV」の開発は継続
一方で、待望のシリーズ最新作「キングダム ハーツ IV」の開発は順調に進んでいるようです。公式X(旧Twitter)アカウントで公開された複数の投稿1・投稿2には、ファンの間で長年愛されているキャラクター、ミッキーマウスがプレイアブルキャラクターとして登場する可能性を示唆する画像も含まれており、大きな話題を呼んでいます。特に、公開された画像からうかがえるゲーム世界の圧倒的なクオリティの高さは、ファンの期待を一層高めていると言えるでしょう。

スクウェア・エニックスは「皆様のご期待に沿える作品をお届けできるよう、開発に注力しております」とコメントしていますが、具体的な発売時期や対応プラットフォームについては、現時点では残念ながら未発表のままです。「キングダム ハーツ IV」の最新情報には、引き続き注目です。
変革の先に待つ未来とは?
スクウェア・エニックスは、今回の中期経営計画を通じて、より強固な開発体制を構築し、世界中のゲームファンに向けて高品質なゲーム体験を継続的に提供していくという強い意志を示しました。間もなく開催が予定されているSummer Game Fest 2025などの大規模なゲームイベントにおいて、同社のさらなる戦略や開発中タイトルの続報が発表されるのか、ゲーム業界全体がその動向を注視しています。

情報元:Gamespot