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「Fairgame$」開発の現在 : スタジオトップ退社と揺れるライブサービス戦略

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PlayStationのライブサービス戦略が岐路に立たされています。期待の新作「Fairgame$」は開発難航の報道に加え、開発スタジオHaven Studiosの創設者ジェイド・レイモンド氏が退社。相次ぐライブサービスタイトルの苦戦や計画変更を受け、PlayStationの今後の戦略はどうなるのでしょうか。

ライブサービスゲーム「Fairgame$」の現状

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が注力するライブサービスゲーム戦略は、今まさに正念場を迎えています。「Concord」がサービス開始後わずか2週間でストアから削除されるなど、ライブサービスタイトルの苦戦が伝えられる中、PS5向け新作「Fairgame$」の開発動向は、業界とファンの大きな関心事となっています。ソニーのこの戦略の先行きを懸念する声も少なくありません。

2023年に発表された「Fairgame$」は、ユニークな「対戦型強盗FPS」として期待を集めましたが、開発遅延やリリース延期の報告が相次いでいます。さらに2025年5月には、開発を担うHaven Studiosの創設者ジェイド・レイモンド氏の退社が報じられ、プロジェクトの先行きに暗雲が漂っています。一方、PlayStation.Blogの最新情報では、開発チームの意気込みとゲームの魅力が強調されており、ソニーのライブサービス戦略再建への期待も寄せられています。

「Fairgame$」の魅力と開発の課題

2023年のPlayStation Showcaseで発表された「Fairgame$」は、プレイヤーがチームを組んで富裕層から盗みを働くという斬新なコンセプトの対戦型FPSです。PlayStation.Blogによれば、本作は「プレイヤー同士の駆け引きと戦略的な協力を重視」し、各プレイヤーが独自の役割を担い、チーム全体の成功に貢献するシステムを特徴としています。これにより、従来の対戦ゲームとは異なる、緊張感と連携が融合した体験の創出を目指しているとされています。

しかし、開発は順調とは言い難い模様です。元IGN編集者でポッドキャスターのコリン・モリアーティ氏は、自身の番組「Sacred Symbols PlayStation Podcast」で、コードネーム「Project Hearts」のプレアルファテスト参加者から「著しくプレイフィールが悪く、非常にぎこちない」との評価があったと報告しています。この情報は、ブルームバーグのジェイソン・シュライアー記者によっても裏付けられています。また、業界インサイダーのジェフ・グラブ氏は、自身のポッドキャスト「Game Mess Decides」で、リリースが当初の2025年秋から2026年春に延期されたと述べています。

こうした状況に対し、SIEは一部のPlayStationユーザーにアンケートを実施。プレイヤーが好むジャンルや「Fairgame$」のトレイラーへの意見を収集し、市場ニーズとの整合性を検証しています。これらの取り組みは、ソニーが課題を克服し、ゲームの完成度を高めようとする意欲の表れと見られますが、根本的な解決に繋がるかは依然不透明です。

ジェイド・レイモンド氏の退社とその影響

2025年5月、Haven Studiosの創設者ジェイド・レイモンド氏の退社がブルームバーグによって報じられました。退社のタイミングは外部テストの実施直後であり、一部の開発者がゲームの評価や進捗に深い懸念を抱いていたとされています。SIEの広報担当者は、「ジェイド・レイモンド氏はHaven Studiosの設立において素晴らしいパートナーであり、先見の明のあるリーダーでした。彼女の貢献に感謝し、次のキャリアでの成功を願っています」とコメントしています。

レイモンド氏は、Ubisoftで「アサシン クリード」シリーズの立ち上げに貢献し、Electronic ArtsやGoogleのStadia部門でも要職を歴任した業界の重鎮です。2021年にSIEの支援を受けてHaven Studiosを設立した彼女の退社は、業界に衝撃を与えました。後任にはマリー=イヴ・ダニス氏とピエール=フランソワ・サピンスキー氏が共同スタジオヘッドに就任し、開発は継続されると伝えられています。しかし、こうしたキーパーソンの離脱が開発に与える影響は無視できないでしょう。

PlayStation.Blog更新の意図とソニーの戦略

2025年5月25日、PlayStation.Blogが「Fairgame$」に関する最新情報を公開しました。記事では、開発チームが「従来の対戦ゲームとは異なる、チームプレイに特化した新しい体験」の実現を目指していると強調。具体的には、プレイヤーが役割分担を通じて戦略を構築し、他チームとの駆け引きを楽しむゲームメカニクスが紹介されています。この情報公開は、レイモンド氏退社による不安を払拭し、プロジェクトの前進をアピールする狙いがあったと推察されますが、その効果は限定的かもしれません。

ソニーのライブサービス戦略は、過去の成功例である「Helldivers 2」の好調を追い風に、さらなる展開を目指しています。「Fairgame$」がこの戦略の柱となる可能性は依然として高いと見られています。しかし、開発の遅れを補うための積極的な情報発信が、どこまで功を奏するかは不透明です。

今後の展望と業界への不透明な影響

「Fairgame$」の開発は課題に直面していますが、ソニーのライブサービス戦略は引き続き注目を集めています。その先行きは不透明さを増していると言えるでしょう。「Helldivers 2」の成功が示すように、適切なゲーム設計とコミュニティとの対話を通じて、SIEが市場の期待に応える可能性を秘めているのは確かです。しかし、それはあくまで一例であり、個々のゲームの成功が保証されるわけではありません。

Haven Studiosの新体制下における開発進捗や、2026年春のリリースに向けた改善が、ゲームファンの信頼を回復する鍵となります。ソニーが描くライブサービス戦略の未来は、「Fairgame$」の成否に大きく左右されると言っても過言ではないでしょう。

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情報元:TheGamerBloombergPlayStation.BlogBluesky

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