
全世界で1,200万本を売り上げたPlayStationの大ヒット作「Helldivers 2」が、2025年8月26日にXbox Series X|Sで発売されます。PlayStation発売タイトルとしては異例の試みで、PS5、PC、Xboxの全機種がクロスプレイに対応。これにより、機種を問わず誰とでも協力プレイを楽しめるようになります。
「Helldivers 2」がXboxに登場
2025年8月26日は、ゲーム業界にとって注目すべき日となりそうです。PlayStationから発売され、世界的な大ヒットを記録した協力型シューティングゲーム「Helldivers 2」が、Xbox Series X|S向けに発売されることが、開発元のArrowhead Game Studiosから正式に発表されました。PlayStationがパブリッシングするライブサービス系タイトルとしては異例の展開となります。
価格は通常版が4,480円、スーパー市民エディションが7,980円です。PlayStation 5、PC、そして新たに加わるXboxの全プラットフォーム間でクロスプレイに対応するため、プレイヤーは機種の垣根を越えて、共に銀河の平和を守るための戦いに参加できます。
また、興味深いことに、この2025年8月26日は、Xboxを代表するタイトルである「Gears of War: Reloaded」の発売日でもあります(日本ではPS5版の発売はレーティングの関係で中止)。偶然にも同日に、XboxのゲームがPS5へ、PS5のゲームがXboxへ、まるで申し合わせたように展開されることになります。
記録的ヒットとファンの声が後押し
「Helldivers 2」は、2024年初頭にPlayStation 5とPC向けに同時発売されると、瞬く間に絶大な人気を獲得しました。発売からわずか12週間で全世界累計販売本数1,200万本という驚異的な数字を達成し、PlayStation史上最速で売れたゲームとして金字塔を打ち立てています。その人気はゲームコミュニティからの熱烈な支持に支えられており、Xboxユーザーからは発売当初から移植を望む声が絶えませんでした。
Arrowhead Game Studiosのチーフクリエイティブオフィサーであるヨハン・ピールステッド氏は、ライブストリームで「プレイヤーは「Helldivers 2」の発売以来、援軍を要請し続けてきました。民主主義のための戦いにおいて、この要請に応える最善の方法は、新たなプラットフォームを戦いに加えることでした」と述べ、ファンコミュニティの声が今回の決定を後押ししたことを明らかにしました。
ゲームディレクターのミカエル・エリクソン氏も、「ゲーマーがこれを長い間求めていたことを知っており、私たちのゲームにさらに多くのヘルダイバーを迎えられることに非常に興奮しています。今後数ヶ月、数年にわたって多くの計画があり、プレイヤーが多ければ多いほど、より多くの物語を語ることができます。スーパーアースのための戦いは、まだ始まったばかりです」とコメントし、今後のコンテンツ拡充への期待を表明しました。
熱狂させるゲームの魅力とは?
本作の魅力は、最大4人でチームを組み、エイリアン、ロボット、そして新たなイルミネート種族といった敵勢力と戦う協力型のゲームプレイにあります。プレイヤーは「ヘルダイバー」と呼ばれるエリート兵士となり、「スーパーアース」の民主主義を守るために過酷なミッションに挑みます。
一見するとシリアスなSFシューターですが、そのゲームプレイは予測不能なハプニングに満ちています。特に象徴的なのが「ストラタジェム(戦略支援)」システムです。これは、強力な武器や補給物資を戦場に要請するシステムですが、使用するには複雑なコマンド入力が必要となります。敵の大群に追われながら必死にコマンドを入力する様は、緊張感と同時にコミカルな状況を生み出し、本作ならではの体験を提供します。
また、本作は「ライブサービスゲーム」として運営されており、ゲームの世界や物語は継続的なアップデートによって常に進化し続けています。新たな敵の出現や戦況の変化など、プレイヤーを飽きさせない仕掛けが用意されており、長期的に楽しめる構造が高く評価されています。開発者は時としてプレイヤーを翻弄するような展開を仕掛けることもあり、それもまた本作の魅力の一部となっています。
ソニーの戦略転換と今後のゲーム業界
今回のXbox版リリースは、ソニーのゲーム事業戦略における重要な転換点と見なされています。同社は近年、ライブサービスゲームの分野を強化しており、より多くのプレイヤーベースを確保することを重視しています。ライブサービスゲームの成功には、幅広いプレイヤー層の参加が不可欠であり、その観点からマルチプラットフォーム展開は合理的な判断と言えます。
ソニーは今後も「Marathon」などのオンラインタイトルを複数のプラットフォームで展開する方針を示していますが、その一方で従来のストーリー主導型シングルプレイヤーゲームについては、引き続きPlayStation独占を維持する姿勢を表明しています。
なお、PC版で一時問題となったPSNアカウントとの連携義務については、今回のXbox版の発表では言及されておらず、必須ではない可能性が高いと見られています。Xboxユーザーは発売日に向けてすでに予約注文が可能ですが、サブスクリプションサービスであるXbox Game Passには対応しないことも明記されています。
プラットフォームの壁を越え、さらに多くの戦士を迎え入れる「Helldivers 2」。今回の決定は、単なる1タイトルの移植に留まらず、変化し続けるゲーム業界の動向を示す重要な事例として注目されています。
情報元:VGC