人気ゲーム「inFAMOUS」シリーズ復活の可能性は？Sucker Punchのクリエイティブディレクター、ネイト・フォックス氏がシリーズへの愛情と復帰への意欲を語るも、スタジオは「一度に一つの作品」に注力。現在は「Ghost of Yōtei」の開発に全力を傾ける中、シリーズ復活の可能性はあるのでしょうか。
PlayStation Studiosの中でも、世代を象徴するヒット作を送り出してきたSucker Punch Productions。同スタジオは、超能力をテーマにしたオープンワールドアクションゲーム「inFAMOUS」（邦題：INFAMOUS〜悪名高き男〜）シリーズで知られ、現在は大ヒット作「Ghost of Tsushima」の続編となる「Ghost of Yōtei」の開発で注目を集めています。クリエイティブディレクターのネイト・フォックス氏が、過去の人気シリーズ「inFAMOUS」への復帰に関する個人的な希望を表明し、ファンの間で話題となっています。
「inFAMOUS」への想いとスタジオの現状
海外メディアのインタビューで、「inFAMOUS」シリーズへの想いを問われたフォックス氏は、「ぜひ『inFAMOUS』に取り組みたい。トリロジーのリマスター版も見てみたいですね」と、シリーズへの愛情を語りました。2014年の「inFAMOUS Second Son」を最後にシリーズが休止しているだけに、この発言は復活を待ち望むファンにとって朗報となりました。
しかし、フォックス氏は続けてスタジオの現状にも言及。「Sucker Punchは一度に一つのゲームしか作らないスタジオです。そして今、我々は『Ghost of Yōtei』を完成させることに全力を注いでいます」と述べ、スタジオが貫いてきた「一作集中」の開発哲学を改めて示しました。
PlayStation 2時代の「Sly Cooper」、PlayStation 3から4にかけての「inFAMOUS」、そして現在の「Ghost」シリーズと、Sucker Punchは各時代で一つのIPにリソースを集中させ、高品質な作品を生み出してきました。常に新たな挑戦を優先するこの「一作集中」の方針こそが同社の成功の根幹にあり、そのため、「inFAMOUS」の新作やリマスター版がすぐに実現する可能性は低いのが現実です。
リマスターが待たれる「inFAMOUS」の価値
「inFAMOUS」シリーズは、超能力でオープンワールドを駆け巡る爽快感と、プレイヤーの選択が物語を変える「カルマシステム」（善悪の選択がストーリーに影響を与える仕組み）で人気を博しました。特にPlayStation 3で発売された初期2作品は現在プレイしづらいため、現行機への移植を望む声は根強くあります。2015年にはソニー幹部が「IPを引退させることはない」と発言するなど、発売元もシリーズの価値を高く評価しています。
とはいえ、Sucker Punchは2022年の公式ブログでシリーズ復活の計画を否定しています。そのため、フォックス氏の発言はあくまで個人的な見解と捉えるべきでしょう。それでも、「Ghost of Tsushima」のイースターエッグや2024年の「Astro Bot」で言及されるなど、開発元が過去作への愛情を示し続けているのも事実です。
注目の最新作「Ghost of Yōtei」
Sucker Punchが総力を挙げて開発中の最新作が「Ghost of Yōtei」です。物語の舞台は前作から約230年後の1603年、蝦夷（現在の北海道）。ディレクターによると、本作は前作の精神的続編でありながら、単体で楽しめる独立した作品です。主人公の女性「篤（アツ）」が、復讐を遂げる中で周囲から「怨霊」と恐れられるようになる姿を描きます。
開発にあたり、チームは北海道で大規模な調査を行い、アイヌコミュニティの協力を得て、その文化や芸術を丁寧に描写。また、PlayStation 5の性能を最大限に活かし、広大で美しい景観はもちろん、記憶が眠る場所で過去と現在を瞬時に行き来する革新的なゲーム体験を実現しています。
シリーズの未来への希望
フォックス氏の発言は、あくまでクリエイター個人の見解であり、スタジオの公式方針と見なすべきではありません。しかし、開発者が「inFAMOUS」への強い愛着を持っているという事実は、将来的なシリーズ復活の可能性を示唆する、ファンにとって見逃せないポイントです。
まずは「Ghost of Yōtei」の成功が、Sucker Punchの次なる展開を占う試金石となるでしょう。世界中のファンは、この新たな挑戦の先に、眠れるヒーローたちが再び目覚める未来が拓けることを期待しています。
ポチップ
情報元：Gamespot
