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PS Plus戦略の成功例 : 「ロボコップ ローグシティ」はなぜヒットしたのか?

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「ロボコップ ローグシティ」はPS Plus Essentialで予想外のヒットを記録。2025年にPS Plusで配信されたタイトルの中で2番目、2023年以降では7番目に多いプレイヤー数です。TrueTrophies/Game Trendsのデータを基にヒットの要因を分析。

PS Plusでのサブスクリプション戦略

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が提供するサブスクリプションサービス「PlayStation Plus」(以下、PS Plus)。2025年4月の「フリープレイ」タイトルとして提供された「ロボコップ ローグシティ(RoboCop: Rogue City)」が、加入者から非常に高い人気を集めています。この成功は一時的な現象ではなく、サブスクリプションサービスにおけるコンテンツ選びやゲームタイトルの展開戦略を考える上で、重要な指針となる事例です。

PlayStation®5版『RoboCop: Rogue City (ロボコップ: ローグ シティ)』ローンチトレーラー

データが示す「ロボコップ ローグシティ」の人気

ゲームのプレイトロフィー追跡サービスTrueTrophiesと、広範なPSNデータを持つGame Trendsが提携して収集した、340万以上のアクティブなPSNアカウントをサンプルとした分析によると、「ロボコップ ローグシティ」は、2025年4月1日にPS Plus Essential(最も基本的なプラン)で配信が始まると、急速にプレイヤー数を増やしました(提供期間:2025年4月1日(火)~5月5日(月))。

特筆すべきは、本作が2025年にPS Plusで配信されたタイトルの中で、現時点で2番目に多いプレイヤー数を記録している点です。これは、2025年2月に配信され話題となった「High On Life」に次ぐものであり、同月のラインナップに含まれていた「悪魔のいけにえ(The Texas Chain Saw Massacre)」と比較しても、約75.6%多いプレイヤーを獲得しています。

さらに視野を広げ、2023年1月以降にPS Plusで提供された全ての「今月のフリープレイ」タイトルと比較しても、「ロボコップ ローグシティ」は7番目に多いプレイヤー数を記録するという目覚ましい実績を残しています。これは、「Minecraft Dungeons」、「Sifu」、「Dead Space (リメイク)」、「PowerWash Simulator」といった、人気や評価の高いタイトルをも上回る結果です。

「IP認知度」と「未プレイ層への訴求力」の相乗効果

では、なぜ「ロボコップ ローグシティ」はこれほどの成功を収めたのでしょうか。本作は2023年11月30日の発売当初、批評家から一定の評価は得たものの、必ずしも絶賛されたり、記録的な売上を達成したりしたわけではありません。開発元Teyonによる「ターミネーター レジスタンス」と同様に、「映画原作ゲームとしては驚くほど良くできている」といった評価が主でした。

「ロボコップ ローグシティ」のPS5版メタスコアは現在「72」、ユーザースコアは「8.0」となっています。このPS Plusでの成功は、批評家からの高評価やメタスコアが、必ずしもサブスクリプションサービスでの人気に直結するわけではないことを示しています。

ここでポイントとなるのが、「IP(知的財産)の認知度」と「未プレイ層への訴求力」という2つの要素です。「ロボコップ」は、特に特定の世代にとっては非常に知名度の高いIPであり、多くの潜在的なプレイヤー層の興味を引きます。加えて、本作は発売から時間が経っており、発売当初に爆発的な売上を記録したわけではないため、「興味はあったがまだプレイしていなかった」という加入者が多かったと考えられます。この「知名度の高いIP」と「未プレイ層へのリーチ」が組み合わさった結果、PS Plusでの配信がプレイヤー数を大きく伸ばすきっかけとなったと考えられます。

ロボコップについて

「ロボコップ」は、1987年7月17日にアメリカで公開されたSFアクション映画です。ポール・バーホーベン監督がハリウッド進出後初めて手掛けた作品であり、約1,370万ドルという比較的低予算で制作されながら、全米興行収入5,340万ドルを記録し、その年のサプライズヒットとなりました。物語は近未来の犯罪多発都市デトロイトを舞台に、殉職した警官アレックス・マーフィーが巨大企業によってサイボーグ警官「ロボコップ」として蘇り、正義と人間性の間で葛藤しながら戦う姿を描きます。日本の特撮から影響を受けつつ、過激な暴力描写や社会風刺を盛り込んだ大人向けの娯楽作として高く評価されました。その後、続編やリメイク、アニメ、ゲームなど多くのメディアで展開されるなど、1980年代を代表する名作の一つです。

今回の成功が示唆すること

  • SIE(プラットフォームホルダー)にとって
    「ロボコップ ローグシティ」の成功は、PS Plus Essentialのフリープレイ選定において、「最新大作」や「高評価インディー」だけでなく、広く知られたIPを持つ中堅タイトルが、加入者の満足度向上やサービスの魅力維持に大きく貢献できることを示しています。今後も同様の視点に基づいたタイトル選定が行われる可能性があります。
     
  • Nacon(パブリッシャー)/Teyon(デベロッパー)にとって
    PS Plusでの配信は、販売本数だけでは測れない多くのプレイヤーにリーチし、ゲームの認知度を飛躍的に高める機会となりました。これは、2025年夏に発売予定のDLC拡張パック「Unfinished Business」への関心を高め、販売を後押しする可能性があります。また、Teyonにとっては、ライセンスIPを丁寧にゲーム化する開発スタジオとしての評価を、さらに高めることになったでしょう。
     
  • 他のパブリッシャー/デベロッパーにとって
    本作の事例は、発売から一定期間が経過したタイトルや、セールス的に大ヒットとはならなかったタイトルであっても、強力なIPや一定のファンベースがあれば、サブスクリプションサービスを通じてゲームのライフサイクルを延長し、新たな収益機会(DLC販売など)に繋げられる可能性を示しています。

結論

「ロボコップ ローグシティ」のPS Plusにおける成功は、単に一つのヒット作が登場したというだけでなく、サブスクリプション時代のコンテンツ戦略における重要なケーススタディです。IPが持つ力と、それを適切なタイミングでまだプレイしていない層に届けるプラットフォーム戦略が組み合わさることで、埋もれていたかもしれないタイトルが再び脚光を浴び、プレイヤー、プラットフォーマー、そしてパブリッシャー/デベロッパーという三者に利益をもたらす好循環が生まれることを示しています。今後のPS Plusのラインナップや、他のサブスクリプションサービスの動向においても、同様の戦略が注目されることでしょう。

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情報元:TrueTrophies

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