
複数の著名リーカーが、Bungieによる「Destiny 3」の開発着手を報告しました。「Destiny 2」の不振やソニーの減損処理を背景に、完全新作での再起を図る動きと見られます。本記事では、次回作のリーク詳細に加え、12月配信の新拡張「Renegades」の概要を解説。シリーズの命運を握る今後の展開とは?
2025年11月26日、Bungieの人気シューティングゲーム「Destiny」シリーズにおいて、ナンバリング最新作「Destiny 3」が開発初期段階にあるとの情報が複数の著名リーカーから浮上しました。現行作「Destiny 2」のプレイヤー数減少や親会社ソニーグループによる大規模な減損損失もあり、業界内で大きな話題となっています。
これまで「Destiny 2」の長期運営を重視してきたBungieですが、状況変化を受けて開発方針の転換を迫られている可能性があります。
「Destiny 3」開発始動の根拠と現状
今回の情報は、過去にBungieの内部情報を正確にリークした実績を持つ複数の人物によってもたらされました。
発端はX(旧Twitter)ユーザー、starsiza氏による投稿です。その後、コミュニティ内で信頼されるColony Deaks氏が内容を裏付けました。Deaks氏は、開発が「極めて初期の段階(extremely early development)」にあると明言しています。数週間前から情報を把握していたものの、プロジェクトが立ち上げ直後であることを考慮し、公表を控えていたとのことです。
Bungieはこれまで、「Destiny 2」の継続的な運営を公式方針としてきました。過去にはBloombergなどが別プロジェクト「Payback」の開発中止を報じましたが、ナンバリング続編に関する具体的な情報が浮上するのは今回が初めてです。
開発移行の背景と商業的苦境
「Destiny 3」開発が開始された背景には「Destiny 2」の厳しい現状があります。10年にわたる「光と闇のサーガ」を完結させた「The Final Shape」拡張発売後も、Steamの同時接続プレイヤー数は7月の約10万人をピークに減少傾向が続き、9月以降は5万人割れ、直近では約3万人前後まで落ち込んでいます。
さらに親会社ソニーは「Destiny 2」の販売不振を主因の一つとして約2億400万ドル(約315億円)の減損損失を決算で計上しました。これは当初の収益見込みを下回ったことを意味します。Bloomberg報道によると、Bungieはベテラン開発者が率いたスピンオフ「Payback」プロジェクトを中止し、主要スタッフも離脱していました。小規模コンテンツ戦略も奏功せず、フランチャイズ再興の有力な手段として「Destiny 3」への開発シフトが検討されていると見られています。
なお、コミュニティの一部からは「新作が出れば休眠プレイヤーの復帰に繋がる」という声も聞かれ、これが決定的な後押しになったとの分析もあります。
リリースは2030年頃か:長期ロードマップの予測
仮に「Destiny 3」の開発が事実だとしても、リリースまでには長い期間を要するでしょう。近年のAAAタイトルの開発サイクルを踏まえると、実現には3年から5年かかると見るのが妥当です。
リーク情報によれば、Bungieは現在の物語「Fate saga(運命のサーガ)」を2027年頃に完結させる計画です。その後、「Destiny 2」のサポートを段階的に縮小し、開発リソースを次回作へ全面的に移行させると見られています。この工程に基づけば、「Destiny 3」の発売は早くとも2030年頃になる見通しです。
また、「Destiny 2 Classic」と呼ばれるプロジェクトの噂も浮上しています。「World of Warcraft Classic」のように過去のコンテンツを復刻する試みと推測されますが、これがロードマップ遅延の一因とも言われています。Colony Deaks氏は、本件について多くの情報を把握しているものの、現在は事実確認を進めている段階だとしています。
直近の展開:新拡張「Renegades」の投入
その一方で、Bungieは2025年12月3日(日本時間)から、新拡張コンテンツ「Renegades(レネゲイズ)」の配信を予定しています。
この拡張は「スター・ウォーズ」シリーズから強い影響を受けており、新武器「Praxic Blade(プラクシック・ブレード)」や、オーバーヒート管理を特徴とする「ブラスター」などを導入します。新たに「Pikers」「Tharsis Reformation」「Totality Division」の3派閥が登場し、ソロまたは3人チームで賞金稼ぎ、密輸、妨害工作など多彩なミッションに挑むことができます。
また、他プレイヤーの進行を妨害する「インベージョン(侵入)モード」はオプトイン方式を採用しており、意図しない侵入を受ける心配はありません。12月13日には新ダンジョン「Equilibrium(均衡)」も追加され、十分なボリュームのコンテンツがそろいます。
最大の焦点は、この拡張が離脱したプレイヤーの復帰に資するかどうかで、現在のSteam同時接続数の低迷を踏まえた上で、今後の動向が注目されています。
結論:Bungieが迎える正念場
Bungieは延期を繰り返した新作シューター「Marathon」のリリース準備と並行し、「Destiny」フランチャイズの再構築という難題に直面しています。「Destiny 3」開発の情報はあくまでリーク情報であり、長期的な展望材料として捉えるべきです。今後数年間は「Destiny 2」がコミュニティの熱量をいかに維持できるかが重要な鍵となります。
「Renegades」の評価や今後の公式発表に業界の注目が集まっており、拡張の反響次第でBungieの挑戦はさらに厳しさを増す可能性があります。
情報元:wccftech


