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Microsoftとカプコン、Xbox向けMT Framework問題解決に向け協力

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Microsoftとカプコンが、これまで技術的な課題により実現できなかったXboxでのカプコンタイトルのリリースに向けて動き出しました。Xbox Game Passへのコンテンツ拡充も期待される中、この協業はどのような影響を与えるのでしょうか。

技術的問題が引き起こした課題

「The Xbox Two」ポッドキャストの最新エピソードで、共同ホストのJez Corden氏は、Microsoftが格闘ゲームコミュニティを十分にサポートしていないという懸念を表明しました。特に、Street Fighter 5を皮切りに、カプコンのゲームがXboxコンソールで抱える技術的な問題に言及し、そのことが一部のカプコンタイトルがXboxでリリースされない原因になっていると指摘しています。Corden氏は、カプコンが使用するMT FrameworkというゲームエンジンとXboxの互換性に関する問題が、この状況を引き起こしている可能性を示唆しました。

Corden氏によると、Microsoftはカプコンのゲームが抱える技術的な問題を認識しており、積極的に改善に取り組んでいるとのことです。特に、カプコンの過去の人気タイトルがXboxでプレイできない状況は、プラットフォームの競争力低下につながると見ているようです。両社の協力が実れば、今後、これらのタイトルがXboxに登場する可能性が期待されます。

具体的なゲームタイトルと将来の可能性

具体的には、2024年内に発売を予定している「MARVEL vs. CAPCOM Fighting Collection」や、現在発売中の「モンスターハンター ストーリーズ」が技術的な問題によりXboxでのリリースが見送られたタイトルの一つとして挙げられています。Corden氏は、今回の協力によって、カプコンが過去の人気タイトルをXboxに移植する可能性があると示唆し、特にXbox Game Passのコンテンツ拡充に大きく貢献すると期待しています。ただし、現時点では、これらのタイトルが実際にXboxでプレイできるようになるかは未定です。

さらに、カプコンの「ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション」もXboxに登場しなかったタイトルの一つです。約2年前、Twitterユーザーでありロックマンの愛好家であるProtodude氏がカプコンにこの件について問い合わせたところ、パブリッシャーは「ビジネス上の決定」についてコメントできないと回答しました。昨年もこの立場を維持し、ユーザーからのフィードバックを得るために調査を実施しましたが、その中にはXboxへの移植についての意見を求める質問は含まれていませんでした。

今後の展望と期待

今回の協力が成功すれば、カプコンの人気タイトルがXboxで再びプレイできるようになり、多くのゲームファンを喜ばせることでしょう。この取り組みを通じて、Microsoftとカプコンのパートナーシップが強化され、今後、両社が新たなゲームやサービスを共同で展開する可能性も高まります。

情報元:TwistedVoxel

カプコンのゲームエンジン比較と進化

カプコンのゲーム開発には、MT FrameworkとRE ENGINEという2つの主要なゲームエンジンが用いられています。それぞれ異なる特徴と目的を持っており、カプコンのゲーム開発を支える重要な基盤となっています。

長年にわたり多くのタイトルで採用されてきたMT Frameworkは、マルチプラットフォーム対応の高性能な開発環境として知られています。しかし、時代の変化とともに新たな機能や性能が求められるようになり、その柔軟性に限界が見えてきました。こうした状況に対応するため、より柔軟かつ高性能なRE ENGINEが開発されました。

MT Frameworkの特徴

MT Frameworkは、カプコンが自社のゲーム開発用に作成し使用しているクロスプラットフォーム開発環境およびゲームエンジンの総称です。MT FrameworkのMTには、「Multi-Thread」(マルチスレッド)、「Meta Tools」(メタツール)、「Multi Target」(マルチターゲット)という意味が込められており、開発から実行までトータルサポートするツールであることを示しています。

MT Frameworkは、開発当初からマルチスレッド動作においてパフォーマンスを発揮するように設計されており、マルチコアCPUなどコア数が多い環境ほど高パフォーマンスを発揮します。性能面で差異のあるプラットフォーム間での同時開発が可能でありながらも、同一のタイトルでも、上位のプラットフォーム上では、よりパフォーマンスの高い処理を行えるように開発することができます。

RE ENGINEの誕生

しかし、MT Frameworkは大幅な新機能の追加や仕様変更が困難であり、タイトルごとにエンジンコードの書き換えが行われ互換性の喪失につながるという課題がありました。これらの課題を解決するために、カプコンは新たな内製エンジンであるRE ENGINEを開発しました。

RE ENGINEは、MT Frameworkの設計思想を受け継ぎつつ、さらなる改良が加えられた最先端のゲームエンジンです。RE ENGINEの最大の特徴は、エンジンからゲームの画面にデータを移す速度の速さです。MT Frameworkで10分以上かかっていたゲームの動作確認がRE ENGINEでは1分未満でできるようになり、ゲーム開発の足かせとなっていた動作確認作業を素早く終わらせることができるようになりました。

また、RE ENGINEは自由にモジュールを組み合わせることができ、全ての機能がフレームワーク層に実装されている点で、MT Frameworkとは異なります。これにより、RE ENGINEはより柔軟な開発を可能にし、新機能の追加や仕様変更が容易になりました。

共通点と違い

MT FrameworkとRE ENGINEの最大の共通点は、どちらもカプコンのゲーム開発を支える重要なエンジンであることです。両者ともマルチスレッド動作において高いパフォーマンスを発揮し、クロスプラットフォーム対応が可能です。しかし、RE ENGINEは、より高速なデータ処理速度と柔軟なモジュール構成により、MT Frameworkの欠点を補完しています。

MT FrameworkとRE ENGINEは、カプコンのゲーム開発を支える二つの重要なゲームエンジンです。MT Frameworkはその高パフォーマンスとマルチプラットフォーム対応の設計により、長年にわたり多くのタイトルで活躍してきました。一方で、RE ENGINEは新機能の追加や仕様変更が容易で、データ処理速度の向上により、より効率的なゲーム開発を可能にしています。これらの特性により、MT FrameworkとRE ENGINEはそれぞれ異なるゲーム開発のシナリオに適しており、カプコンのゲーム開発を支え続けています。

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