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スクウェア・エニックス、Sweet Baby Inc.との提携を解消か ─

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スクウェア・エニックスがSweet Baby Inc.との提携を解消。DEI重視のゲーム開発からキャラクターデザイン重視への方針転換が示唆されている。スクエニの決断がゲーム業界の多様性と包括性にどのような影響を与えるのか、業界内外で注目されている。

スクウェア・エニックスが、カナダのナラティブ開発およびコンサルティング企業であるSweet Baby Inc.との提携を解消したことが、Sweet Baby Inc.の顧客企業リストからスクウェア・エニックスのロゴが削除されたことで明らかになりました。Sweet Baby Inc.は、ゲーム開発において多様性、公平性、包括性(Diversity, Equity, and Inclusion以下DEI)の概念を積極的に取り入れる企業として知られており、今回の提携解消は、ゲーム業界に少なからず影響を与える可能性があります。

戦略転換した背景

Sweet Baby Inc.は、多くの企業と提携し、DEIを取り入れたゲーム開発に貢献してきました。「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」や「アサシン クリード ヴァルハラ」など、著名なタイトルでの協力は広く知られており、DEIを重視したゲーム開発が一定の評価を受ける一方で、ファンの間では一部の作品が期待に応えられていないという声も少なくありません。

特に、「CONCORD」のようなDEIの要素を強く打ち出したゲームでは、キャラクターデザインやストーリー展開が一部のプレイヤーに受け入れられず、ファンからの批判が寄せられることがありました。スクウェア・エニックスは、これらの批判を受けて、ファンの意見を反映させる形で、DEI重視からキャラクターデザイン重視への方向転換を決断したと考えられています。

一方で、Game Scienceが開発した「Black Myth:Wukong」は、Sweet Baby Inc.との協力を拒否し、独自のキャラクターデザインとストーリーに焦点を当てた結果、発売からわずか3日で販売本数が1000万本を超える大成功を収めました。この事例は、プレイヤーが強く求めるのは個性的で魅力的なキャラクターとストーリーであるという事実を示しています。

このような市場の反応やファンの声が、スクウェア・エニックスのDEIに関する方針を変化させる一因となった可能性があります。

スクエニのキャラクターデザイン哲学

今回のスクウェア・エニックスとSweet Baby Inc.との提携解消とは直接的な関連はありませんが、同社のクリエイティブディレクターである野村哲也氏は、ヤングジャンプのインタビューにおいて、キャラクターデザインに関する興味深い見解を示しています。野村氏は、過度な多様性や実験的な要素を避け、プレイヤーが共感し、愛着を持てるようなデザインこそが重要であると述べています。高校時代の同級生の発言から生まれた「ゲームの中では格好よくありたい」という概念を起点に、野村氏はゲームのストーリーや世界観と調和した魅力的なキャラクターを生み出し続けてきました。

スクウェア・エニックスのデザイン哲学は、「ファイナルファンタジーVII リメイク」をはじめとする数々の作品において具現化され、プレイヤーから高い評価を得ています。これらの作品に登場するキャラクターたちは、外見だけでなく、内面的な性格まで緻密に作り込まれており、プレイヤーの共感を呼び、深く愛される存在となっています。

業界全体への影響

スクウェア・エニックスがSweet Baby Inc.との提携を解消したことは、ゲーム業界全体におけるパートナーシップやDEIに対するアプローチのあり方に新たな視点を提供しています。現在、Xboxやサンタモニカスタジオ、バンダイナムコなど、多くの企業がSweet Baby Inc.との協力関係を維持していますが、スクウェア・エニックスの今回の決定は、同社の新たな戦略を示すものです。

ゲーム業界では多様性と包括性が重要なテーマであり続けていますが、すべてのプレイヤーがこれらの価値観を支持しているわけではなく、特にファン層によっては異なる期待が存在します。スクウェア・エニックスが今後どのように市場の声や業界のトレンドに対応していくのか、その動向に注目が集まっています。

情報元:Tech4Gamers

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